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すねこすりさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  愛、アムール 《ネタバレ》 
正直、ショックです。ハネケの作品が、こんな、、、直球ストライクでくるなんて。すごく良い人目線になってしまって。さしもの彼も、歳とったってことでしょうか。いや、、、本当に、これはショックでした。テーマ的に、毒の入り込む余地がない、と言えばそれまでなんですが。・・・しかし、ジャン=ルイ・トランティニャン、『Z』で切れ者の予審判事を演じていたあの颯爽とした男っぷりは最早跡形もなく、ひたすらに愛する妻を支える好々爺となっておりました。時の流れを嫌でも感じさせられます。そしてまた、彼の夫ぶりがあまりに崇高で素晴らしく、もう、涙も出ません。なんてわがままな妻だろう、とも思わなくはないのですが、その妻の願いに一途に尽くすのです、夫は。そして、妻はきっと、夫の最後の選択をあの世で感謝こそすれ、恨みはしないでしょう。そう思わせるラストシーンです。「コート、着ないの?」の一言にKOされました。これがハネケの妄想でしかない、と、思う人も多いでしょうが、でも、究極のラブストーリーだと思えば、決して妄想ではないと思いますね。ハネケの境地に脱帽とともに、ここが終着点だなんて思ってほしくない、きっと次回作があるはずだと信じます。
[映画館(字幕)] 8点(2013-04-12 22:33:02)(良:1票)
2.  白いリボン
2時間半という長尺の割にはあっという間に終わった感じ。ハネケにしては随分親切な作りで、なんだか意外。もちろん、明解な答えは提示されないんだけれども、これまでの不条理感漂う「分かりにくさ」とは、その「分かりにくさ」の質が全く異なるように思う。結局、こうして絶対服従を強いられてきた子どもたちは長じてどのような歴史の選択をしたか、我々は知っている。だから、そこを意識して見ると、この映画はかなりコワイ。思考停止の訓練を受けた人間の辿る道とは、、、みたいなものを、モノクロのスクリーンから突き付けられるようでかなり不気味ではある。邦題の「白いリボン」は、大人の価値観の押し付けの象徴かな、と受け留めた。それにしても、これがパルムドールねぇ、、、。私は、もっと直截的な毒がある作品の方が好きだけど、まあ、これは通が好みそうではあるかな、確かに。牧師とか医師とか大人の男たち、大勢の子どもたち、いずれも途中まで顔の判別がつきにくく、見ていていささか混乱気味だった。・・・うーん、これは、まあ、よくよく考えるとものすごーい毒性の高い作品だとは思うけれど、私的にはちょっと好みではないかも。いや、面白かったんですよ、ええ。でも、ハネケ作品ってことで期待してしまったのとは、ベクトルの向きも大きさもかなり違っておりましたんで、若干点数は抑え目で。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-12 22:02:22)
3.  いのちの食べかた
衝撃度でいえば、ナイルパーチを題材にした『ダーウィンの悪夢』の方が強かったなあ。こちらは、ほぼ知っている範疇を超える映像が出てこなかったので。もともと堵殺にまつわる諸々には興味があり、その手の書物など結構読んでいたし・・・。ピヨのベルトコンベアーは、不謹慎ながら笑ってしまった。農業も、やっぱり広い平地に恵まれた欧州ならではの規模に圧倒される。あと、機械化のスゴさも。本作を見ながら、ぼんやり「捕鯨問題」について考えていた。捕鯨に強烈に反対している人々の多くは牛肉を日常的に食しているわけだが、本作での解体シーンを見て、何て言うのかなあ、とか。食べるために育てている牛は堵殺してもよくて、天然の鯨を殺すのは非人道的、ってなんかその論理に整合性がとれてないんじゃないのかしらん、とか。そういう人々はもれなくベジタリアンなのかしらん、とか。私は、鯨肉は好きじゃないし、捕鯨について一家言ある人間でもないので、どうでもいいんだけど。「食べ物」って奥が深い。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-24 11:19:34)
4.  セブンス・コンチネント
幕間(と言っていいのかな)の3秒ほどの真っ黒な画面が、見ている者を不安にさせる。不快指数の高い映画はイロイロあるが、ハネケの作品にそれでも引力を感じるのは、やっぱり、この人は見る側を基本的に信頼しているからだと思う。材料は提示する、あとはお好きに解釈を、ということは、見る側に理解力があると信ずればこそのものなわけで。観念ゼリフの応酬だけの屁理屈映画には到底できない芸当。そして、提示してくる材料が、これまた「圧倒的」な「負のパワー」を持っているので恐れ入る。別に、負のパワーをイメージさせるものをあえて作り込んではいないのに。後半30分は精神的にかなりheavy。もちろん、一家心中に至る理由も過程も何も描かれないが、これが必然の帰結だったかのように、それまでの描写が効いて来る。ここが、やっぱりハネケの恐ろしいところだと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-14 16:29:51)(良:2票)
5.  カフカの「城」 《ネタバレ》 
原作未読。うー、カフカをハネケが映画化だもんね。「変身」「審判」しか原作は読んだことがないが、この居心地の悪さは、むしろ予想通り。オーソン・ウエルズの『審判』とは全く違う趣きながら、不条理さ全開。フリーダといい、頭の悪そうな(でも良さそうな)助手の2人といい、まったくもってイラつく存在。しかし、最もイラつくのはK自身。・・・てところを、ハネケはうまく描写していると思う。自分のことしか考えないKが、彷徨い出会う人間たちが浮かべる無表情だったり、嘲笑のような笑みであったり、冷徹さであったり、すべてがKを追い詰めていくところはハネケの底意地の悪さの面目躍如といったところでしょ。そして、あのデッドエンド。ひゃ~、ここまでやられると、文句も言えません。ハネケさん、あなたもエゲツナイお方よのぉ。私はあなたにどこまでも着いて行くぜ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-13 11:00:12)
6.  ファニーゲーム
もし、ハネケとの最初の出会いがこの映画であったら、私は、彼のその他の作品を見る気にはならなかっただろうな、と思ったりもする。いや、でもやっぱり見たかな。ウンザリするような不条理劇。あの巻き戻しで、ハネケの底意地の悪さ全開であった。白い手袋に、短パン・・・、この視覚的効果の凄さよ。もぉ~、いい加減にしてくれッ! 見た後、勝手に「あの時、○○が××していたら・・・」などとあれこれシミュレーションしてしまったよ。どんなにシミュレーションしたって、強引にリモコンで巻き戻されるのにね・・・。でも、そうせずにはいられなかったのだよ。ハネケ自身がリメイクしたそうですが、あんまり見る気せず。・・・でも、見ちゃうかな、やっぱり。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-04 15:31:06)(良:1票)
7.  隠された記憶 《ネタバレ》 
ビデオを送ってきたのは誰か、に囚われて見てしまうと、最後に怒りを覚える映画。でも、凡人は、やっぱりそこに囚われるよなー。でも、よく考えれば、これはハネケの映画であった。まあ、結局、明快な答えは提示されません、もちろん。そして、どういう結論を見た者が出したにしろ、後味はかなり悪いことに違いはない。場面がブツ切りなので、ヘタするとワケ分からんことになりそうだけれど、それをギリギリのところで収拾つけてるところが、やっぱりハネケだねー、と思う。しかし、いきなり首カットで血飛沫! は勘弁してよ。思わず「ギャッ!」って叫んじゃったじゃない。あと、ジュリエット・ビノシュ、見事なオバサン体型になってしまって・・・。若いころは独特の「男を惑わせるオンナ」のオーラを纏っていたのに、すごい脱皮の仕方に唖然。彼女が出てくるたびにそれが気になって、何度かプレビューするはめになったことも特筆事項だ(でもないか)。
[DVD(字幕)] 7点(2008-09-11 15:43:16)
8.  ダーウィンの悪夢
この映画の批判サイトをいくつか見ました。「これはタンザニアという国を正確に伝えていない」「湖周辺に雇用を生み出したことは確かで、利点に一切触れていない」etc・・・。そりゃそうでしょう、これがタンザニアの全てだとは思いません。が、一側面であることも、確かでしょう。「スズキ」だと思って、あるいは「何かの白身魚」だと思って、恐らく自分も「ナイルパーチ」を胃袋に入れてたんだろうなー、と思うと、いささかショック。それにしても、タンザニアを含めアフリカは全般に「貧困」を根底にした問題を抱えている国が多いのだが、それがこの映画も含め、「ヨーロッパはじめ先進諸国に搾取され、わずかなおこぼれに喘ぐアフリカ諸国」という構図で語られがちだ。それは一事実なのだろうが、この慢性的な貧困は、先進諸国がハイエナのごとくタカった挙句の姿で「もう手のつけようがない」ものなのだろうか。・・・というようなことを、この映画を見ながらぼんやり考えた。それを真剣に考えるには、私はあまりにタンザニアに限らずアフリカに対し無知である、と気付いて、これから少しアフリカについて自分なりに学んでみようと思った。きっかけを与えてくれたという意味で、この映画を見た意味は大きかったのかも。
[DVD(字幕)] 6点(2008-05-22 14:23:26)
9.  ピアニスト
「妄想女のイタイお話」と言ってしまえばそれまでなのだけれど、この映画は、そんな一言じゃ済まされない、もの凄い映画です。なにが凄いのか、というと、まず、その性描写。これは、日本人が日本人で撮ったら安っぽいポルノになる可能性大の、めちゃめちゃリアルな描写です。なのに、見ていてもちっとも「感じない」。むしろ、眉間に皺が寄ってきて、かろうじて目を背けずに見ているのが精一杯。さらに凄いのがブノワ・マジメルの見ているものが引いてしまうほどの演技。この役を演じるのは、大変なエネルギーと想像力を要するはずなのに、若い彼はそれをこなしてしまった! そして最後の凄いは、イザベル・ユペールの演技力。無表情なのに、エリカの心の叫びの聞こえてくる迫真の演技は、鳥肌が立つほど。本当に仮面のように表情は変わらないのに、なぜこうもエリカの気持ちが伝わってくるのだろうか。とにかく、最初から最後まで「すごい、スゴイ、凄い」の連発。でも、一番の「凄い」は、ここまで人間の醜さ、哀しさ、滑稽さを、容赦なく残酷なまでに、果ては思わず笑いが起きるほどまでに描写し切ったハネケの力量なんでしょう。魂を揺さぶられる、と言っても大げさではない、大変な映画です。
[映画館(字幕)] 9点(2007-09-19 17:31:47)(良:2票)
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