1. 髪結いの亭主
「エロはアートだ!」と思う人は高く評価できるのかもしれませんが、芸術音痴の私は特に心を動かされることはありませんでした。むしろ、妄想的な話ならばもっと妄想できるような描写にしてほしい。直接的すぎます。それもあの結末には必要だったんでしょうけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-19 22:09:27) |
2. カトマンズの男
邦題からすると『リオの男』の姉妹編かと思いますが、実際はまったく関係ありません。内容的には『リオの男』より劣る。こちらは徹底したドタバタギャグ映画なのですが、それがかなりしつこい。ドタバタのためのドタバタという感じで、かえってつまらなくなってきます。保険会社のボディガード2人なども、無駄に騒ぎすぎ。全体としてメリハリがついておらず話がダラダラと続くのも欠点でしょうか。執事のレオンやゴー氏などはよかったのに、残念でした。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-11-02 20:48:01) |
3. 華氏451
《ネタバレ》 原作は中学生の時に読みましたが、正直ピンとこなかった。内容もほとんど覚えていないし……。映画の方は再見で、以前はそれほどとも思いませんでしたが、見直したらそう悪くないという印象です。 雰囲気としては、いかにも昔の人が考えていた未来像というイメージがありました。しかし、未来的なのはモノレールと大画面のテレビくらいで、あとは製作当時の世の中とあまり変わらないんじゃないかと思います。つまり、「未来を舞台にしたSF」として作られたのではないという可能性もあります。内容的に言っても、必ずしも近未来である必要性は低いと思いますし。 原作者のブラッドベリとしては、「テレビによる文化の破壊」を描く意図があったようで、最後に登場する“ブックピープル”なんかは、本以前の口承文化までさかのぼってしまいます。テレビという間接的に相手と相対する装置に対し、直接会って話をするという点も対比になっているのでしょう。 しかし、映画全体としては、体制による思想の統制が強く出ているようで、そのあたりのズレが、最後になって「そこに落ち着くのか?」と思ってしまう原因になっているようです。統一感に欠けるのが残念です。また、ファビアンがいろいろと都合よく目撃しすぎでしょう。それと合成(ブルーバック?)が下手すぎ。1966年といえば、テレビで『ウルトラQ』が放送された年ですよ。 しかし、いろいろな暗喩に満ちたところがあり(モンターグがポールを使わなくなる・治療された妻が食欲旺盛になるあたりの描写・自宅でモンターグがまずベッドとテレビに火炎放射器を向ける等)、どういう意味があるのか正直よくわかりませんが、なかなか一筋縄ではいかない作品のようです。また折を見て見直してみたいです。 そういえば、この映画は吹き替えで鑑賞しなければ意味がないという意見があるようです。お説ごもっともですが、最後に堂々と出てくる"THE END"の文字は、問題ないんでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-26 22:27:05) |
4. 勝手にしやがれ
《ネタバレ》 たぶん3度目の鑑賞。これまではつまらないとしか思いませんでしたが、今回はちょっと面白かった。ワンシーンを細かくつないだ編集。複数のテイクを使ったのか、あえてつなぎをおかしくしてリズムを崩してあります。かと思うと、ミシェルとパトリシアの場面では、長回しを使ったり。あとは、アメリカがモチーフとなっているようです。パトリシアはアメリカ人だし、ミシェルはハンフリー・ボガートにあこがれている様子。それと、アメリカ車がたびたび話題になっています。アメリカに倣ったということで、暗にアメリカを揶揄しているとも思えます。 ただし、それ以外は相変わらずつまらない。特にミシェルとパトリシアの会話は退屈。話の流れも、警官を殺して警察に追われているのだということが、今回初めてわかったような。多少の面白さはありますが、個人的には「ジャン=ポール・ベルモンドが人気スターになった」という以上の価値は感じられません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-22 21:39:16) |
5. 勝負をつけろ
《ネタバレ》 裏街道を生きる男と男の友情物語……だと思うのですが、肝心の2人の関係が強いとは思えません。つまり、そこまでして助けようとする理由がわからず、見ていてフラストレーションがたまります。話はサクサク進むのですが、どうも表面的に筋をなぞっただけという感じで、ここぞというポイントがありません。クリスティーネ・カウフマンはとてもかわいいし、ベルモンドも格好いいけど、どうも雑な仕上がりになっています。最後も後味が悪いのですが、これはフランスの暗黒街映画独特の味でしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-19 19:20:25) |