1. シェルブールの雨傘
すべての台詞がメロディに乗っている。この監督はそこに何を狙ったのだろう・・・?全体的に原色系の色彩が際立つのと、唯一駅の情景のくすんだ色合いのコントラストは狙ったものだろうか・・・?この映画は先ず最高にドラマチックなテーマ曲ありき、そして美しいカトリーヌ・ドヌーヴありき。その二つが混じり合った時、自然とすべて台詞がメロディに乗っかってしまったかのような感じだ。こんなの一歩間違えば滑稽だ。だけど、一歩も間違わないどころか美しくも、切ない。不思議だ。製作後に時を経て、しかしテーマ曲もドヌーヴも時代に埋もれるどころか、いっそう鮮やかに映える。 [映画館(字幕)] 7点(2010-05-19 05:27:19) |
2. 真実のマレーネ・ディートリッヒ
20世紀を代表する女性、マレーネ・ディートリッヒ。世紀を代表するくらいになると、 こんなにも濃厚な人生を歩むものなのか、と呆然としてしまう。 しかも、訪れた運命を受け入れるのではなく、自らの意思、信念で歩んでいくこの生き様、愛の強さに言葉も出ません。映画に出会えたことによって、こうやってデーィトリッヒを少しでも知ることが出来て本当によかった。この人を全く知らないなんて、寂しすぎる。 えーと、点数?申し訳ないですけど、この作品に限っては本当につけられないので、記号としてのこの点数で。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-30 21:30:59) |
3. 情事(1960)
《ネタバレ》 主役と思われたアンナ(レア・マッサリ)が開始20分くらいで忽然と姿を消す。その後の展開はあえて書きませんが、映画が終わった瞬間に誰もが"えっ!?"と思わずにはおれない大胆な作品です。ミケランジェロ・アントニオーニ&モニカ・ヴィッティの作品はどれも素晴らしいのですが、この作品はその中でも特に好きです。ゴツゴツした岩場が印象的な島でのアンナ失踪直後から、電車でのメロドラマ風の駆け引きに至るシーンは特に鮮やかです。おそらくはモニカ・ヴィッティが一番ノーマルな女性を演じているのが本作だと思うのですが、とにかく艶かしい。ボサボサの髪の毛、手のしぐさ、肌の質感、もうたまりません。もちろんフォトジェニックな美しさもあるのですが、むしろそれとは対極の生々しさで、揺れ動く心理状態を見事に演じきっています。この作品は、ふとした時にレンタルに行って、ついつい手にしてしまいます。もっとも、自分が観てるビデオは大幅短縮版なんで完全版DVDが出たら是非観てみたいです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-15 20:26:26) |
4. 自由を我等に
発想とアイデァはスゴい、風刺も効いててギャグもいいし(あまり笑えないけど)音楽もいい、見所の多い作品。だけど全体としてあまり面白くなかったのは、登場人物に魅力を感じなかったからだろうか? [ビデオ(字幕)] 5点(2006-09-03 00:36:56) |
5. 商船テナシチー
《ネタバレ》 この時代のフランスの情感がたっぷり詰められた、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督初期の傑作。印刷屋のうたを皆で奏でるショット、バスチャンとセガールの性格の対比、船の故障で港に足止めされることにより翻弄されるそれぞれの運命。裏切られたセガールが一番いいクジを引いたかもというラストの台詞まで、全編がとにかく味わい深く心に沁みる素晴らしい作品。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-30 09:20:06) |
6. 情婦マノン
'51年のマーロン・ブランドと並ぶ'49年セシル・オーブリーの衝撃、この胸の高鳴りと恐るべきラストシーン! [DVD(字幕)] 8点(2006-05-05 07:07:45) |
7. 幸福(1964)
ラスト、一見幸福そうな家族の構図、この気味悪さ。そして映像は驚くほどに美しい。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-28 06:36:18) |