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プロフィール
コメント数 170
性別 男性
年齢 43歳
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1.  Mの物語
この映画を見終えたなら、間違いなくこの映画が「Mの物語」などというタイトルではなく、「マリーとジュリアンの物語」だと了解できる。配給会社の方は、「リヴェットの映画=長い」の重圧に押しつぶされ、最後まで鑑賞できなかったのだろう。こんなタイトルになってしまった為(?)、レンタル屋ではエロティック洋画(「エマニュエル夫人」みたいなやつ)のコーナーに並ぶのが常であり、またそのタイトルゆえに並んでいても全く違和感がないという現状。ま、確かにエマニュエル・ベアールは裸体を惜しげもなくサラしているのだが、それよりもこの映画ではベアールがカワイイと感じる瞬間が何度もある。ジュリアンの元恋人の存在に嫉妬するところなんか特にそうなのだが、その元恋人の残した衣類を着散らかす場面や、猫と戯れる場面(ジュリアン氏も負けてないが)等、それまで自分が抱いていたベアール像(=官能の人)を大きく変えた。と、こんな記述だけだとそれこそ「Mの物語」でいいじゃん、となってしまうので軌道修正するが、この映画はヘンである。そのため、ラストの雨月物語にはグッときたが、数々の夢のシーン、邸の中心にすえられた巨大ゼンマイ時計、マダムXという唐突な存在、それらを何の疑いもなく包み込む空間等、掴みきれない部分が錯綜するので、軌道修正は難しい。結局この映画は「マリーとジュリアンの物語」であるかどうか、はっきり言ってよくわからない。が、この映画を見終えたなら・・・
[DVD(字幕)] 9点(2006-11-09 21:05:22)
2.  エレニの旅 《ネタバレ》 
アンゲロプロスの映画は大抵が「戻る」か「帰る」に重点が置かれる。エレニは最後、水没した自分の村に戻り、唯一頭を出している自分の家で息子(最後の家族!)の死を目の当たりにして泣き崩れる。場所を失うということは思い出を失うのとほとんど変わらないことに違いない。「心の中に生きている」という言葉だってもはや介在する余地がない。エレニにはもう帰る(戻る)場所がないし思える人もいなくなった。そして余りにも重い慟哭が曇天の空とそれを写す水の間で響きを打ち、映画は終わる。独立した三部作の一作目になる予定の「エレニの旅」は、失うということをエレニという一人の女性に背負わせる。20世紀の総括のスタートとして。言葉だけでは表しきれない哀しさや孤独と映像にすることができない不在の間を流れる音楽が、この映画を物語り、同時にエレニへ向けた哀歌となる。二つの村を造り、片方は水没させ、片方には無数の白布を干した。映像は、意味をすっ飛ばして説明のつかない力強さを提示するが、それは同時にあの赤い糸のように脆くもある。170分という時間の密度にふさわしいアンゲロプロスの神話的世界は、彼とその仲間たちの不屈の精神によって作り出された、20世紀という戦争の世紀を生きた一人の女性の愛の物語だった。
[映画館(字幕)] 8点(2005-08-16 23:30:24)
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