2. エスター
《ネタバレ》 ゾンビや霊体は出てこないけど、これはサスペンスというよりホラーですね。かなり良質です。エスターが怖い。その狡猾と残虐がストーリーとして周到に構成されていて見応えがあります。同性の勘か母性の本能か、母親だけがエスターの異常に気付く。それを相手にしない旦那やカウンセラーにイライラします。その組み立てはこの種の作品の常套だけど、本作の面白さはエスターの悪意が母親の想像を越えているところにあります。それは同時に観る側の想像も越えているということ。純粋な悪意を持っている人物に対しては、「警戒」するだけでは無防備と同じだということが良く分かる。最後にエスターの素性が割れますが、化粧をして旦那に迫ったのはギャグではなくマジだったようです。彼女の一連の行動の動機は成熟した女性として男から愛されること。きっとそれが叶わず精神が歪んで行ったのですね。あのメークに萌えた人もいると思うが、そういう趣味人を捜せば良かったのにね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-21 14:43:22)(良:2票) |