1. パリ、テキサス
何といってもトラヴィスとジェーンがマジックミラーを隔てての対話の場面がいい。作品はあの場面に内容のほとんどが語られて、見ている側の情感も昇華、消化、される。回想シーンなど使わずに、対話によって、感情のぶつかり合いによって、画くことで、トラヴィスという滑稽で寡黙で不器用な男の虜になっている私たちの胸には、リアルに届く。結末については何もいうことはない。男と女は結ばれぬ関係であった。それだけだ。しかし、悲しい、辛い、寂しい。トラヴィスの去っていく背中は悲しすぎる。 9点(2004-08-18 22:43:09) |