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プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  眼には眼を 《ネタバレ》 
設定は地名や通貨名からレバノンあたりみたいですね。とある町の病院に勤務する外科医バルテル=クルト・ユルゲンス、有能だけどいかにも傲岸不遜という感じです。このフランス人医師を、どこから見ても典型的なドイツ人のクルト・ユルゲンスが演じているというのがミソです。この人物の背景説明はいっさい無いんですけど、最近赴任してきたばかりなのか現地の言語や地理を皆目理解していなく、これが後ほど彼を地獄に落とす上手い設定なんです。この物語には圧倒的に多数派である現地人と少数派のフランス人およびイタリア人が登場しますけど、民族間の交流や良好な人間関係は存在しない異様に冷たいコミュニティであるのが特徴です。 前半は短いシークエンスを繋いでゆくストーリーテリングになっていますが、劇伴音楽をいっさい使わず徐々に高まってゆく緊張感は息詰まるほど。西洋文明とアラブ社会の対立・反目という視点を持って撮っている感じが濃厚ですけど、ボルタクの妻の死は不幸な偶然が重なった不可抗力としか言いようがなく、こういうアクシデントは人種・宗教とは関係なく誰にも降りかかる可能性があるものです。この映画の様にアラブと西欧の対立に持ってゆかなくても成り立つお話しですが、遠隔の村でのエピソードなんかには監督・製作者の西欧人らしい視点というか偏見すら感じてしまいます。まあまるでエイリアンのように通じあえないバルテルとアラブ人という図式が、サスペンスを究極まで高めているのは確かですけどね。 そしてあの“世界一怖いロープウェイ”を二人が降り立ってから、ガラリと雰囲気が変わり、そして“映画史上最凶のロードムービー”が始まります。この延々と続く荒涼とした砂漠というか荒地の風景には戦慄させられますが、実はこれはスペインでロケされたそうです。60年代にさまざまなマカロニ・ウエスタンや『アラビアのロレンス』のロケ地になりますが、スペインにこんな土地があるとはサプライズでした。バルテルが颯爽と着こなしていたライト・ブルーのスーツがどんどんズタボロになってゆくのがリアルです。そして鳥瞰で見せられる永遠に続くかのような荒地、 “絶望というものを画にしたらこうなる”という映画史に残る残酷なラストシーンです。 ここまで徹底的に人間不信というものを見せてくれる映画は、滅多にあるもんじゃないです。私の中では、本作はサスペンスじゃなくホラーです。
[DVD(字幕)] 9点(2021-12-03 21:25:55)(良:1票)
2.  メリエスの素晴らしき映画魔術 《ネタバレ》 
ジョルジュ・メリエス、彼こそが世界初の映画作家と呼ばれる資格があるんじゃないでしょうか。映画を撮っていたのはわずか16年間だったそうですが、そんな偉大だけど不遇だった彼の人生をたどったドキュメンタリーです。とはいえ、実質半分は『月世界旅行』彩色版の修復の記録でしたけどね。 『月世界旅行』前史といえる彼の初期作品を多々観ることができたのは感涙ものです。なかでも『一人オーケストラ』はやっぱ傑作、こりゃ現代でも通じるセンスじゃないでしょうか。メリエスが建てた温室みたいなガラス張り撮影所を復元して、『月世界旅行』の撮影風景を再現しているのも愉しいところです。コメンタリーとしてトム・ハンクスが出演していますが、この再現シークエンスでメリエスを演じているのが、ノン・クレジットでどこにも証拠はないけどどうもトム・ハンクスみたいな気がします、声もそっくりなんですよ。メリエスは映画製作を止めたときに自作700本のネガフィルムを燃やしてしまったそうですが、コメントにもありましたがまさに「形を変えた自殺」というのが相応しく、時代に取り残された彼の絶望感がひしひしと伝わってきます。発見されて修復に使われた『月世界旅行』の彩色版のフィルムもほとんど固まった状態でしたから、燃やされず現在まで残ったしても痛みは相当ひどいことになっていただろうと思います。 この映画ではほとんど腐ってるんじゃないかと思うような状態になった他作品のフィルムも映りましたが、映画フィルムの保存の困難さを改めて教えられました。日本なんか戦災もあって戦前の映画はかなりの数が永久に失われてしまったそうで、これは悲しいことです。フィルムがどんなに傷ついていても、そもそも存在しなければデジタル修復なんてできませんからねえ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-14 21:08:20)
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