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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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21.  ビフォア・ザ・レイン 《ネタバレ》 
今でいう北マケドニア共和国の映画である。見えていた湖がオフリド湖とすればアルバニア国境に近い場所ということになる。 劇中で「500年の恨みを晴らす時だ」という台詞があったが、15世紀末に何があったのか部外者にはよくわからない。この辺はかつてイリュリア人(アルバニア人の祖先?)などが住んでいたところ、6~7世紀に北からスラブ人が押し寄せて、さらに東からブルガール人が攻めて来てブルガリアの一部になり、その後14世紀のうちにオスマン帝国に征服されてから19世紀まで大きな動きはなかった感じではないかと思うが(そんな簡単ではない?)、この地方で見れば何か500年前に大事件でもあったものか。 20世紀末に関していえば、マケドニアでは1991年のユーゴスラビアからの離脱はわりと平穏に行われたが、人口の約1/4を占めるアルバニア人の処遇には苦慮したらしい。映画の撮影は1993年とのことで、映像で見えた国連部隊が1992年12月から派遣されていた国連保護軍だとすると、当時の現地情勢と同時進行の映画だったことになる。実際はこの時期にマケドニアで大規模な騒乱はなかったようだが、その後は90年代末のコソボ紛争の影響もあって、2001年にはマケドニアでも紛争が起きたとのことで、現在ではマケドニア人とアルバニア人の連立政権という形で各民族に配慮した国家運営がなされているとのことである。  ところで劇中で印象的だったのは現地の村で、銃器や小物以外に近代を思わせるものがほとんど見えない。村中が知り合い、親戚だらけなのは非常に息苦しく、またカメの火刑とかネコへの執拗な銃撃を見ると、言っては悪いが地域社会の文明度が疑われる。いきなり復讐団ができたのは、紛争のせいというよりこの周辺(どちらかというとアルバニア側?)にあったという“血讐”の風習のせいではないのか。カメラマンの男がロンドンにいると野蛮人のようだが、地元ではジェントルに見えたというのも意図した対比と思われる。 物語としては循環構造だそうで、パート単位で並び順をずらしてあるほか、明らかな矛盾が生じている箇所がある。面倒くさいので厳密に考える気にはならないが、とりあえず人も社会も永遠に同じことを繰り返すのではなく、少しずついい方に向かうものだと一応期待したい。 ちなみにレストランで騒いだ男は、アイルランド人でないとすれば何人だったのか。どうも何かと不快な場面の多い映画だった。
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-29 08:25:04)
22.  レッドタートル ある島の物語 《ネタバレ》 
いわゆる異類婚姻譚というものらしい。鶴女房ならぬ亀女房ということになるが、あるいは浦島太郎の話だとすればこの島自体が竜宮城のようなものということになる。 竜宮城といっても現世から隔絶した異世界ではなく、文明世界の産物が流れつくとか、はるか彼方の大地震による津波が大洋を渡って来るからにはこの地球のどこかであって、何者か(カメ?)がやっている邪魔だけが外界との間を隔てていたらしい。浦島太郎は元の世界に帰って一気に加齢してしまったが、この映画の主人公は帰ることなくそのまま過ごしたことになる。 また亀女房として見た場合、女房の方から押しかけて来た理由の説明はなかったようで、ここは“彼女が彼に恋をした”という解釈でいいのかも知れないが、あるいは旅人に妻や娘を差し出して子種をもらう風習のようなものかとも思う。「おおかみこども」とは男女が逆になるが、実際に主人公の一人息子はカメの世界(海の世界?)に引き取られて行ったように見えた。 悪くいえば主人公は絶海の孤島に幽閉され、死ぬまで牢獄で過ごすよう強いられたともいえる。ただ、もしかすると本来は遭難して死んでいたはずのところをこういう形で生かされたのかも知れず、それで結果的にでも心の充足を得られたのなら幸福な一生だったということか。自然の中で生かされて自然の中に子孫を送り出し、最後は型どおり自然に還って終わる(死体はカニが食う)という物語として個人的には納得した。 なお基本的にはファンタジーだが、生物としてのウミガメの寿命が実際に長いことがこの話に真実味を加えていたともいえる。  そのほか視覚的には、天候や時刻によって変わる景観の彩度を抑えた色彩感が好ましい。月に照らされたほとんど無彩色の夜はかえって世界の広がりを感じさせた。また各種生物がそこら中に生息していて、多様性の面ではそれほどでもなかったようだが、カニの動きが終始ユーモラスだったあたりはジブリアニメっぽいといえなくもない。
[DVD(邦画)] 7点(2017-04-30 16:36:20)
23.  裏切りの戦場 葬られた誓い 《ネタバレ》 
一応説明すると、フランス領ニューカレドニアで1988年に起きた独立派による人質事件の経過を描いた映画である。邦画「天国にいちばん近い島」(1984)のわずか4年後であり、その場所も同作の主人公が“天国にいちばん近い島”を発見したウベア島でのことだというのは皮肉な話である。 ストーリーは事件の経過を主人公の視点から丁寧に追う形で進められている。主人公が一貫して交渉により人命の損失を防ごうとするのは理性的であり、またどこまでも次善の策を追求する執拗さも備えている。本人は「交渉人」(字幕)と自称していたが、これはいわゆるタフ・ネゴシエーターの部類だろう。最後は武力行使で終わってしまったが、そこに至る過程の方がこの映画の本体であり、戦闘場面があるからといって戦争映画というわけではない。真面目に見れば密度の濃い映画だが、真面目に見なければ何をやっているのかわからなくなるので疲れる映画でもある。なおこの映画を見る上で「国家憲兵隊治安介入部隊」(GIGN、字幕の略称では「治安部隊」)と、その他一般の「国家憲兵隊」の意味は調べた方がいい。  ところで最後のキャプションでは2014年に独立の是非を問う住民投票が行われると書いてあるが、実態としては現時点でメラネシア系住民の人口は全体の半数を下回っており、その中でも独立派が大多数というわけでもないだろう。また現地のニッケル鉱山に関わる利権がこの問題にどのような作用を及ぼしているのかわからない(個人的に知見なし、劇中にも出ない)が、何にせよ現実問題として、19世紀からの植民地支配に由来する現状を今から完全に覆すのは困難ではないかと想像される。 また劇中で軍隊が自国民を弾圧していたのは許されないことだろうが、しかし軍というもの自体はフランス共和国にとってなくてはならないものだろうし、一方でそれをコントロールすべき政府が選挙戦略で左右されるような現実にしても、当事者である政治家が一国の巨大な利害を背景にして動いている以上は個人レベルの倫理で対応できるものでもない。 そのようにどうにもならない世界であっても、まずは現状を起点にして、これから先を少しでも改善するよう粘り強く努力を続けるのが現実的な道であり、それをこの地味な交渉人物語は訴えていると感じられる。フランスの植民地支配が許せないとか、だから軍隊はいらないとか簡単に言い捨てて済ませられるような話ではない。
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-07 22:06:34)
24.  頭上の脅威 《ネタバレ》 
2013年から見てとうの昔に退役し解体された船について、発売元のコメントに「最新鋭航空母艦」と書いてあるのは苦笑する。ただ、20世紀後半のフランス海軍のいわば花形だった空母クレマンソーと、その搭載機を見るためにはいい映画だと思われる。個人的には最新鋭かどうかと無関係に、艦載機の基本的な発着艦の仕組みをしっかり見せようとしていたのが面白かった。 これをSF映画として見ようとしても別に大したことが起こるわけでもなく、わずかな特撮部分も貧弱で見ていられない。また普通のドラマとしても、最後は尻切れ状態で適当に格好付けたような感じである。しかし純粋に軍事映画として見れば、宇宙人が来たなどという常識外れな状況に、現実のフランス海軍が大真面目に対応する様子を描いた映画と取ることができ、それ自体に茶目っ気が感じられないでもない。メインプレーヤーはあくまで米ソで、フランスは脇役のためストーリーとしては全く盛り上がらないのだが、それもかえってリアルに感じられた。 またそれとは別に、この映画では艦内の人間模様にも重点が置かれているらしく、マイナス要素を負わされた者も含めて、最新鋭(当時)の軍艦も人間が運営していることが示されているように思える。不適格者の事例をクローズアップして見せたり(扱いがちょっと酷)、軍務と信仰の関係にも触れたりしていたのは、何か海軍についての入門編を目指したようにも感じられた。 ほかテーマ曲が昔風に格好いいので、それに乗せられてとりあえず面白がって見るといいと思われる。「トップガン」より飛行機の型が古そうだなどと思わないように。
[DVD(字幕)] 4点(2014-01-05 19:23:04)
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