1. 歓楽通り
実らぬ恋、というか、ひたすら尽くす愛。何度となく“今マリオンを連れて逃げて!”と思うのだけど、彼は悲劇への道をただ付いていく。ただ一つの彼女の幸せの形を信じ、その成就のために。 彼がマリオンを連れて逃げなかったのは意気地がないから?彼女の意思を尊重したから?ー怖かった、勇気もなかった…それでも最後まで見届けたのはミソ。 マリオンは幸せだった?ー内気で不器用な愛情。娼婦の中でしか暮らしたことのない人とはいえ、私には、ときに、ひどいとも感じられた…映画に怒っても仕方ないけど。 この純愛は美しい?ー確かに純粋に相手の幸せを願ってはいても、実りのない愛なのに、ひた走ってしまうのは、愚かなまでに尽くしてしまうのは、自分を満たしたいという強い願望の裏返しだから。どうにもできなくて、尽くしても尽くしても満たされることはなくて、強迫的なまでに尽くし続けてしまう。 これはそんな、哀しくて、滑稽で、痛みを感じる純愛だ。 そして最後まで側に居たこと、その行動だけがそれを‘美しく’するのだと思う 。 7点(2004-01-30 13:59:52) |