1. ヴェラ・ドレイク
《ネタバレ》 終盤、同じ罪に投獄されている女達との会話で、初めて自分の罪深さに気付く表情には切なくなった。全てはヴェラの純粋無垢な人となりのせいで、それを利用した友人も同罪、いや、それ以上だ。友人が裁かれるシーンがなかったのだが、ヴェラは利用されていただけでなく、彼女から日常品なども買っていた。無報酬で違法な事をさせておいて、この女ってば!と映画中ずっと思っていたのに、お咎めなしなのは納得がいかない。 平凡で平和な生活を営む家族に降りかかった不幸。ヴェラをはじめとする皆の苦悩は大きく、前半の彼女のこぼれんばかりの笑顔とは対象的に、暗澹としている。しかし、不明瞭ながらも先に見えるのは、刑期を終えた後に自分を愛し、支えてくれた家族と慎ましい生活をする姿だ。しかし、無知とは、なんと罪な事だろう。 全体的にぼんやりぼやけているかなと思うが、嫌いな作品ではないのでこの点数で・・・ [映画館(字幕)] 7点(2005-11-30 14:34:36) |
2. ドミノ(2005)
カスタネットで言うと、「打って・休んで」の休むがない展開。目まぐるしい映像の連続ではありますが、疾走感はかなり出ており、効果的であったと思います。しいて言えば、取調室での静かなやり取りが 「休む」シーンになるのだろうけど、ルーシー・リューとキーラの緊迫した神経戦は、この映画の軸の1つでもあるので、かなり面白いです。 ドミノの愛や信頼といった点における渇望、閉塞感を、キーラが上手に演じていたかな。こんなに複雑でタフな役も出来るんだなーと感心してしまいました。 [試写会(字幕)] 7点(2005-10-29 01:39:37) |
3. 皇帝ペンギン
《ネタバレ》 ペンギンの求愛のダンスから、結婚、出産、子ペンギンが1人立ちするまでが話の流れですが、その中に自然の脅威に命を落とすペンギンや、外敵との戦いを盛り込んでありました。1時間半くらいの上映時間なので、飽きる事なく観れましたが、現実的な私は少々きれいすぎる感じがしました。某テレビ局の動物番組でのペンギンの特集なんかは、映画以上に過酷でした。それと同じくらいの物を求めていたせいか、肩透かしを食った気分になったのは否定できません。でも上映後に気づいたんですよね。これって文部省推薦とかって大きな文字で出てたよねぇ・・ 映像はきれい、ペンギン達は健気で可愛い。そして、生死や自然の脅威なども盛り込まれているのだから、良い映画なのですよね。それは認められるかな。ただ、個人的には6点です。(文部省推薦という観点からは7点かな。) [試写会(吹替)] 6点(2005-07-25 00:01:54) |
4. ウィンブルドン
こういった安全パイな映画も時にはいいんです。キルスティンは可愛いし、ポール・ベタニーはなんとなく新境地だし(以外とコメディーいけるな・・・)、2人の恋愛を一緒にドキドキ。切なくなれれば、おっけいでしょ~!? というわけで、私は6点。 [映画館(字幕)] 6点(2005-06-18 17:31:05) |
5. 海を飛ぶ夢
《ネタバレ》 主役、脇役、みんなの目の演技だけで、泣かされてしまった感じです。「尊厳死」・・・こういった宿題をもらったような気になる作品(答えは各自の心の中に・・・みたいな)は嫌いではないのですが、あれだけ家族の愛がありながら死を切望するラモンには、「家族のために生きろ!」とスクリーンに向かって叫びたくなりました。フリアは生きる事を選択しましたが、心が通じたラモンをも忘れています。 そのラモンがフリアへ宛てた手紙の言葉には切なくなりました。 痴呆でこのまま身体機能をも衰えていく中で生きていくフリアと、自死を選んだラモン。 どちらが良いとか幸せとか簡単には言えないです。 そう思わせる事こそ、この映画をいいと思った理由かもしれません。 [映画館(字幕)] 9点(2005-06-17 16:53:17) |