1. バベル
この映画は、どこまで観客を裏切れるかに挑戦をしているかのようにも見れる。「無情なまでに冷たくありのまま」を上手く表現していて、無力さや愚かさを痛感させてくれた。監督のサディスティックな面に勝てないと批判しか出てこないかもしれない。見てはいけない、表現されるべきではない面にも残酷なまでに切り込んでいくので圧倒される。やり過ぎ・・・なくらいやっとかないと衝撃が少ない。でも現実にはやり過ぎはないのだから恐ろしい。楽しめる映画ではないが、ずっしり重みの残る作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-23 11:22:21) |
2. プロスペローの本
個人的にはグリーナウェイの最高傑作だと思います。初めて観たのは何年も前になりますが、衝撃と感動は今も忘れられません。冒頭からラストまで引き込まれまくりの映像と世界がたまらなくマッチしました。私も確かにストーリーが分からなかったですが、2回目興奮を少し落ち着かせてから見たらよく分かりました。いたってシンプルな内容ですよ。古典文学によくある手法だと思いますが、映像になると確かに展開についていけなくなるのかもしれません。グロだとかエロ、エグイかもしれませんが、人間の本質を表現するには正直すぎたのかもしれませんね。グリーナウェイ万歳! [ビデオ(字幕)] 10点(2006-10-04 21:16:03) |
3. ベイビー・オブ・マコン
最悪で最高の映画、という感じでしょうか。グリーナウェイの変態ぶりは個人的に大好きなので、期待はしていましたが予想を上回る大いに気分を害した覚えがあります。しかし、誰にも真似できない映像美と凝った演出による混沌と混乱が楽しいです。クィーンズイングリッシュも心地よく、独特な半分意味不明のセリフも重みがあり、流れる展開に避けきれない運命という境遇がサディスティック。最高傑作は「プロスペローの本」と思っている私には、それに追いつく作品だと思います。まぁ、誰に見せても納得しませんが・・・。 [映画館(字幕)] 10点(2006-10-04 21:00:28) |
4. 王妃マルゴ
素晴らしい映画です・・・主観が入るので大好きな映画です、にしよう。フランス史の暗い部分にポッと光るものを見つけたような感動。暗ければ暗いほどアジャーニの美しさが際立つ。ジャン・ユーグの狂気的な演技は鳥肌物でした。メディチ家の変態ぶりはグリーナウェイ監督のイギリス映画「ベイビーオブマコン」を参照してもらうとまだましに見えるかな?映画の構成的には後半をもう少し・・・という欲もあるが、満足な一本です。もう10年以上も前に劇場で観て、ビデオでも何回も観たのに、また観たくなります。 [映画館(字幕)] 9点(2006-10-04 20:49:46) |
5. 僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ
《ネタバレ》 「こんなことある?」「そこまでするか?」と嘘のような本当の話。私も掘り出し物でした。こんな特異な物語があの時代にあったなんて驚きました。すばらしい映画だと思います。脚本も展開も演出も良いと思います。隠れた名作じゃないでしょうか?もっと評価されていいと思います。昔、何気なく選んで映画館で観たのですが、本当にラッキーでした。デルピーはこのころから輝いていましたね。美しいです。 [映画館(字幕)] 8点(2006-05-10 02:52:19) |
6. つめたく冷えた月
《ネタバレ》 深いのかなぁ・・・と観終わった後に考えたが、あまり深くはないような気がしました。危ないテーマなので、もっと衝撃とかあるかと思いましたが、後半にテーマをづらしこみ過ぎて表現し損ねた感じ。納得も理解も得るには、突込みが足りないと思います。雰囲気や映像は「何か」を期待させてしまって、いい感じで盛り上げてくれました。しかし、あと一歩か二歩物足りない。狂気や倒錯を爆発させてほしかった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-05-10 02:44:48) |