1. オルエットの方へ
名画座で見て即ロジエのボックスを買ってしまった。 なんとも言えない、何も起こらない映画ではあるのにどうしようもなく映像体験だった。 確かに見てる間、何も起こらないのに苦痛でもなく、寧ろどんどん時間は過ぎたし、 ラストのハっとするような数秒のシーンには胸を掴まれもした、 でもだからと言ってこれが自分の見てきた映画人生でベスト3に入るほどだとは思わなかった。 なのに見終わってから、何度も何度も不可解なほど印象に残ったこの映画を思い出した。 今までどんな凄惨で暗い映画を見ても、滂沱するほど感動した映画を見ても感じないほどの余韻が胸をしめた。 でもなんでそんなに感動したのかも分からなかった。 全く言葉にできない。 でも光の加減にしろ風景にしろテンポにしろ、自分の中でこれこそ映画、という最高の一本。 (一応注意書きしておきますけど女子がバカンスでお菓子くったりキャハハと笑ってるのがほとんどの映画。ほんとに。) [映画館(字幕)] 10点(2015-07-14 23:54:08) |
2. マーターズ(2007)
《ネタバレ》 引き込まれるだけの面白さはあったけど動機である宗教的なエッセンスはどうしようもなく薄っぺらい。そもそも宗教的な何かがあるのなら信仰もあっていいはずなのに、何一つそういう描写が無いのでただの好奇心にしか見えない作りになってしまったのは最も残念な失敗。金持ちババアや彼女の作ったであろう組織、そして地下に広がる無機質な空間などは意味深で素晴らしい舞台となっているのに、蓋を開けてみれば穴だらけな設定だった、最も説得力を必要とする彼女の表情にたえるだけの動機ではなかった。でも、そこに行き着くまで、ラストまでは見せ続ける魅力的な作品でした。惜しい。 [DVD(字幕)] 6点(2015-04-27 15:10:10) |
3. アデル、ブルーは熱い色
《ネタバレ》 素晴らしかった、3時間という長い時間ではあったものの、おそらくそれ以上に長くてもこの映画は破綻せず素晴らしい作品だったと思う。恋愛の始まりから終わりまで全てがあった。見ているとき、レズビアンものだし自分は違う場所にいると思っていたのに思い出してみれば本当に近い位置に自分を置くことが出来る。恋愛の、普遍的な喜びや奇跡があり、でもそれが胸を締め付ける。目線やベッドシーン、二人の距離感や恋愛の緊張感がとにかく良かった。良いシーンがたくさんあり、それを書くとものすごい字数になってしまいそうなので控える。でもとにかく言いたいのは、この映画はベッドシーンでも日常のシーンでも、自分が見てきた恋愛映画の中でも最も深く、そして濃密だった、それは特殊といっていいほどに圧巻。撮影期間5ヶ月半、撮影時間が750時間ということが間違いなく良い意味で働いたんだと思う。750時間のうちカットされた時間が映画の中になかったとしても行間として息づいている。本当に良い映画だった。 [映画館(字幕)] 10点(2014-08-21 01:24:47)(良:1票) |
4. 殯の森
《ネタバレ》 何度もひきつけられそして感動した。意味を理解しようとすることなく自然に生と死を表現していて案外ストレートな作品。 知り合いに理解できない、という人が居たけど何でも起承転結を求めるだけが理解することじゃないと感じた。 ネットで調べてみるとカンヌだとか周りの評価からこの作品へ公平なレビューが出来ていない方も色々いましたが カンヌの名誉ある賞、ということを抜きにして観ても充分素晴らしい作品だった。 邦画としてはとてもいい作品。美しい自然の風景があり目に見えない何かを感じることが出来る。 明確に分かりやすい意味をお探しならハリウッドでもどこにでも沢山ある。 多少難解でもこういう作品があるのはとても良いことだと思う。 萌えの朱雀も沙羅双樹も良かったがこちらも良い。 [地上波(邦画)] 9点(2008-01-17 17:19:42)(良:1票) |
5. コックと泥棒、その妻と愛人
《ネタバレ》 大好きな種類の映画。醜くグロテスクで下品で美しい。 横にスクロールされるような大きいセットが次々と色を変え場所を変えてのぞかせる。 それは美しいんだけど上品な美しさではなく 毒々しく鮮やか過ぎる美しさ。 過剰なまでの豪華さは不愉快なほど。 本能に基づく行為はどれも全て動物的な行為なんだと思い知らされた。 体を交えるそれも排泄することも食すことも全て。 [DVD(字幕)] 10点(2007-08-28 18:33:34) |
6. ファンタスティック・プラネット
《ネタバレ》 これは凄い。今まで見てきたアニメ映画にはない感じ。 むしろこういう雰囲気は実写で感じることが多い気がする。 とにかく全てがユニークであり斬新だった。今見てもなお。 多種多様な数々の生物や兵器、アイデアなどびっくりするほどだったし 映像だけかと思いきやとてもストーリーなどの部分も楽しめた。 誰もが想像した自分たちよりも大きな存在に支配されるという恐怖を感じた。 小さい頃に想像したものがもろに映像になったような。 いやー、いい映画だった。 [地上波(字幕)] 10点(2007-07-11 14:55:12)(良:1票) |
7. ビハインド・ザ・サン
人間らしい愚かな「プライド」や「名誉」などの感情に縛られた かわいそうな家族の話。 純粋で逞しい兄弟は儚くて切ない。 痛々しく続いていくがラストでは救われたよう・・・な・・・・? 映像は綺麗で驚きました。 殺伐とした荒野の風景の色合いがとても雰囲気がでていて素敵。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-23 21:41:23) |