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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 
劇中の屋外放送で、ノヴォチェルカッスクとロストフが奪われたと言っていたことからすると1942年(7/27前後)のことである。主人公が訪れたゲオルギエフスクというのが、上記両都市から南東に450kmくらい離れた実在の小都市(コーカサス山脈近く、鉄道駅あり)だとすれば、劇中時点のすぐ後で敵に占領されたとのことなので、終盤で鉄道が爆撃されていたのはその予兆だったことになるか。ちなみにストリートビューで見た限り(最新は2021年)、映像で見えたほど都会的な雰囲気の街ではない。  物語としては戦時中の話だが戦争映画でもなく、戦争という厳しい状況を背景にして人間の情を際立たせた映画に見える。主人公は一応19歳だと言っていたが、偉い将軍に年少者らしい甘えを見せたり、また戦友の妻に「大人は複雑」だと言われたりしていたことで、大人に対する少年の姿を表現した人物像なのだと納得した。 登場人物はいろいろ出て来るが、前半の負傷兵に続く次のエピソード担当のように出たのが変にカワイイ系美女だと思っていたら、この人がいわゆるヒロイン役だったらしい。そう思って見ていたところ、終盤に出た主人公の幼馴染がまた意外に可愛い感じでヒロイン役に劣らない。そうすると少女A×母×少女Bと主人公というのが人間関係の基本構造だったかと思った。 主人公は女性関係には特に積極的でもなかったらしく、今回が異性の心に初めてまともに向き合う機会だったようでもあるが、結局最後は母親が一番大事という形で終わっていた。自己防衛のためにママを引き合いに出しただけ(多分)のヒロインよりもよほどマザコンだったようでもあるが、それはそういう家庭環境だから当然だったのかも知れない。幼馴染はそれをよくわかっていたと見える。 ただ個人的にはその幼馴染が、再会時にずっと後に引いていたのが気の毒だった。この人も、主人公が戦争に取られたことで自分の気持ちに気付かされていたのだろうが、主人公の方は全く気付いていなかったらしいのが切ない。  全体としては主人公の青春映画の印象が強かったが、同時に戦時下の女性に焦点を当てた映画のようでもある。個別の場面では、電報を出そうとした男に怒りをぶつけた係員の顔に泣かされた。また戦友の妻に関して「働きながら帰りを待ってる」と説明されていたのは、男手を取られた家庭の事情があったということではないか。台詞のある人物で唯一、直接に戦争の惨禍で亡くなったウクライナ婦人は痛ましい。 そのほか映像面では、駅で画面の右上隅からヒロインが歩いて来て主人公を呼ぶ場面が印象的だった。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2022-10-29 16:02:46)
2.  チャイコフスキー 《ネタバレ》 
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻して以降、3月には国内各地の演奏会でチャイコフスキーの「1812年」を中止する動きがあり、また4月にはチャイコフスキーの名を冠した国際コンクールが世界連盟から除名されたとの報道もあった。それぞれに妥当な対応だろうとは思うが、国際的な波乱の中では芸術文化も聖域にならない雰囲気は出ていた。チャイコフスキーはウクライナ・コサックの家系の出だから免罪されるという説もあったようだが、個別の曲はともかく作曲家自体の善悪を国で分けるものではないだろうとも思う。  そういう情勢のもと、いわば野次馬感覚でこの映画を見たが、いい加減な動機で見るには長い映画だった。基本的には伝記映画というのだろうが、その人物にあらかじめ関心のある人々が見るもののようで、基本的な説明が省かれているのはつらい。ちなみにソビエト時代の映画らしく革命運動に触れたところもある。 ドラマ的には主に主人公の半生と人物像、及びパトロンのフォン・メック夫人との関係性を整合的に描写しようとしていたようで、主人公と夫人が心を支え合う関係を表現するとともに、同性愛と言われた件についても微妙な説明をつけていたように見える。ほかの登場人物では召使いが誠実で賢明な好人物だった。 音楽面では実際の曲を使うほか、メロディ部分をアレンジした背景音楽も作っている。冒頭以降、交響曲第4番を主に夫人との関係で使い、また第6番は本人との関係で、精神的危機のときに第1楽章、人生の頂点で第3楽章、その後の終幕で第4楽章を使っていた(2楽章がない)。歌劇については手紙の件以降、歌と映像(白樺など)で「エフゲニー・オネーギン」の創作過程が表現されていたようで(多分)、歌詞がそのまま主人公の心情を語ったように思わせるところもある。終盤では、ホラー映画かと思ったら「スペードの女王」(多分)の一場面だったという趣向もあった。また気にしすぎかも知れないが、背景音の馬蹄の音が4番3楽章のピチカートに聞こえた。  なお主人公を貶めようとした男が偉そうに「時が評価を下すのです」と言う場面があったが、チャイコフスキーの音楽はその後のソビエト体制下でも封殺されることなく、今も世界で愛されているのは間違いない。個人的にはこの作曲家に特に強い思い入れはないが、若い頃は交響曲第5番に励まされることもあったように憶えている。今は「四季」Op.37aが好きだ。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-14 09:45:57)
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