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光りやまねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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1.  僕の村は戦場だった
タルコフスキー監督による長編映画第一作。さっそくこの作品でも、物質文明とは対極にある自然界を構成する水、火、木、土などが重要な要素を占めており、これらの格調高い演出はさすがであり感心しきり。ただ、本筋に於いて必要なのかと思われるシーンがところどころ見られる。しかしそんなシーンでさえ後々まで記憶に残り、説得力を持たせるところがタルコフスキー作品の奥深さとも言えよう。この映画では、主人公イワンを演じた少年の存在がすべてであろう。少年イワンが海辺を楽しそうに走るシーンは哀し過ぎるほど美しく、いつまでも脳裡に焼き付く。ドイツ軍に対し憎悪の塊となった少年イワン。夢の合間に現われる幸せだった日々と、過酷な斥候となった現実との対比が戦争の悲劇性を浮き彫りにする。また、表面的には憎きドイツ軍という設定だが、子供というものは国家にしてみると光り輝く希望そのものであると、監督タルコフスキーは敵味方の壁を超え戦争指導者に訴えかけているようにも見受けられる。すると本作は、人間としての良心や罪の意識に問いかける痛烈な戦争批判映画とも言える。様々な解釈が出来る傑作です。
10点(2004-08-19 10:30:31)(良:3票)
2.  惑星ソラリス
人間の潜在意識を実体化させる謎の生命体ソラリス。SF的題材としては極めてベーシックなファーストコンタクトを描いている。しかしこの題材で、これほどまで深遠な哲学的作品に押し上げたSF映画はかつてあったであろうか。今は亡き愛する者への思い、駆られて止まない望郷の念 …静かな詩的映像で切々と描かれており、タルコフスキー監督の格調高い世界観が堪能出来る。ところでこの作品ほど、自然界に存在する“水”について考えさせられたことはない。(いうまでもなく“水”は、タルコフスキー作品に於いて重要なモチーフなんだが) 人体の7割は水で出来ており、人間は水によって生かされているとも言える。この“水”の詩的で神秘的な演出は群を抜いており、観る者にイマジネーションを働かせ思索的にさせてくれる。また、ラストシーンはハンマーで頭を叩かれたように衝撃的だ。ひょっとしてこれは、失われた幻影を追い続ける悲しい男の物語りで、それはタルコフスキー自身を投影しているのかもしれない。「2001年宇宙の旅」と双璧をなすSF映画の孤高の傑作といわれるだけのことはあると思います。
10点(2004-08-12 11:19:49)(良:1票)
3.  誓いの休暇(1959)
なんと! ! 旧ソ連にも、こんなに素朴で胸に染み入る映画があったんですね。まさに、隠れた名作という言葉がぴったりではありませんか。しかも様々な愛を描く中、厭戦感に満ち溢れた見事な反戦映画となっている。当時のソ連の実情から察すると、よくもまあこんな腹の据わった作品を作ったものだと思う。この映画は、善意のかたまりの様な主人公アリョーシャに尽きる。自然体で望んだかの様な演技は大いに好感が持てた。もちろん恋人役のシューラも負けじ劣らず、初々しく魅力的だった。物語りは、帰郷途上で出逢う人々との人情話しを描いているわけですが、なかでも松葉杖の男のエピソードがジーンと胸を打ち目頭が熱くなった。もちろんラストの母が言う「もうどこにも行かせない 」(確か記憶では)は、生涯忘れ得ぬ屈指の名台詞。何回でも見たくなる見事な作品でした。
10点(2003-07-27 00:04:57)(良:2票)
4.  ひまわり(1970)
監督は名匠デ・シーカ。イタリアを代表する大物俳優、ソフィア・ローレンにマルチェロ・マストロヤンニ。しかも男女の悲劇を描いた見事な反戦映画。世界映画史に輝く切ないラブストーリーの名作!…に違いないわけなんですが、ただちょっと、キャスティングにイメージが湧いてこないんですよね。リュドミラ・サベリーエワは良いとして、ソフィア・ローレンは「ラッタッタ~」で快活なネアカイメージが強いし。マストロヤンニは老けておっさんみたいだし。(失礼 ! ) と言いつつもヘンリー・マンシーニの音楽を思い出すと、うっ涙が…。
8点(2003-05-31 13:11:07)
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