1. ひまわり(1970)
戦場から還らなかった夫を待ち続け、遠い異国の地で遂に探し当てた夫の手がかり。しかしそこにいたのは洗濯物を取り込む若く可憐な女。それだけで全てを悟るジョバンナ。戸口からは幼い娘が顔を覗かせ、「ズドラーストヴィチェ」ではなく「ボンジョールノ」と声をかけてくる。生活感に溢れる部屋。枕が二つ並んだベッド。子供を叱りながら忙しなく動く、溌剌とした若い妻。それらは全て、ジョバンナが10年間夢に見続けてきた光景。夫の生存だけを信じて生きてきたジョバンナが、初めて夫であって欲しくないと思った瞬間の再会。居た堪れなくなって列車に飛び乗るソフィア・ローレンに、ただ涙、涙…。ジョバンナを待っていた、寡婦よりも残酷な運命。ひまわりは、あらゆる悲劇の上に大輪の花を咲かせていました、7点献上。 7点(2005-01-11 01:10:35) |