1. ミトン
《ネタバレ》 我が子が犬を欲しがるあまり、ついにミトンを犬に見立てて面倒見始めた。 それを心配、いや不憫に思った母親は子どもの為に犬を飼ってあげる、というお話。 子どもやミトン犬の造形が可愛く、そののほほんとした世界に心洗われる。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-09-16 20:44:38) |
2. イワン雷帝
《ネタバレ》 セルゲイ・エイゼンシュテイン渾身の傑作ということだが、確かにそうかもしれない。 イワン皇帝の鬼気迫る演技はもちろんのこと、衣装や小道具にいたるまで本格的な佇まいだ。 イワン皇帝がここまでロシア統一に身を焦がしたのは神の思召しによる使命感からなのかもしれないが、そんな疲れることは辞めた方がいいとしか思えなかった。 つまりここまで頑張る皇帝に感情移入はおろか理解すらできなかった。 [DVD(字幕)] 5点(2024-09-15 17:10:58) |
3. これがロシアだ
《ネタバレ》 1920年代のロシアとか、もう想像がつかないくらい縁遠い世界で、もはや意味がわからん。 前半は高層建築物の美しさや個性に魅了された。 中盤は街の様子が繰り返し映され、やや中だるみ。 後半はスポーツなどが描かれ、少し集中力が戻った。 当時としては斬新な映画技法がふんだんに使われている。 アメリカのサイレント映画に出てくるお化けのような顔つきの人たちと比べると、本作に出てくる人たちの顔貌は自然な感じだった。 何故だろう、それが一番の驚き。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-09-14 15:11:51) |
4. 青い青い海
《ネタバレ》 同監督のサイレント作品『帽子箱を持った少女』よりは断然見やすく、普通に物語を楽しむことができた。 1930年代のソ連映画ではあるが、今見ても違和感なく感情移入できる。 時代や国が違えど、男女間の色恋なんてほとんど何も変わらない。 それを確認できる貴重な映画だった。 [映画館(字幕)] 6点(2024-09-01 23:07:31) |
5. 帽子箱を持った少女
《ネタバレ》 帽子箱を持った少女と宝くじをめぐる珍道中。 少女は帽子を作って売って生計を立てているが、代金の代わりに宝くじを受け取り、そのくじが大当たりだったからさあ大変! 当たりくじをめぐって、それを取り返そうとするオッサンなどが入り混じってドタバタが起きるという展開。 サイレントのドタバタ喜劇ということで好みに合わなかった。 [映画館(字幕)] 3点(2024-09-01 15:42:50) |
6. 戦争と平和(1965-1967)
私はこれほどまでに苦痛で退屈な映画をみた事がない。 全篇に渡る暗い画面が苦痛を助長する。 もう二度とピエールの顔を見たくない。 そしてトルストイの名も聞きたくない。 失われた7時間。 畏敬の念をこめて0点とする。 [CS・衛星(字幕)] 0点(2020-08-12 02:25:23) |
7. 愛の奴隷(1976)
《ネタバレ》 何を主張したい映画なのか、最後まで理解できず。 革命というものに翻弄される人々を描いていたり、サイレント映画のトップ女優のプライベートを描いていたり。 終わってみて、結局、どの部分に反応したら良かったのか、解らず終い。 何度か鑑賞すれば、もっと深く理解できるのかもしれないが、そこまでの魅力は感じられなかった。 [DVD(字幕)] 3点(2016-09-04 10:50:49) |
8. 十月
《ネタバレ》 10月革命について詳しくは知らなかった。 ネットで調べ、少しではあるが、前知識をもって鑑賞。 帝政ロシアを打倒すべく、貧しさにあえぐ人々が一念発起する。 特にラストの冬宮に進撃するシーンは、映画とは思えぬほどの迫力に満ちている。 こうして社会主義国家「ソビエト社会主義共和国連邦」が誕生したかと思うと、非常に興味深いし、感慨深い。 現在は、そのソ連も崩壊してしまった。 こんなに熱い思いで誕生したソ連が、今はもう無い。 そんな、はかなき思いも感じることのできる作品である。 歴史的出来事を映画化したという意味では、エイゼンシュテインの功績は大きいが、映画として楽しめるかは別。 楽しいというよりも、ただただ、目の前に起きている歴史絵巻に圧倒されつつ、茫然と観続けたという感触。 映画の枠を超越した映画。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-04-11 22:15:57) |
9. 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲
《ネタバレ》 これはラストが全て。 そこに到るまでの過程は最悪のつまらなさ。 会話が多すぎる上に、会話の内容もつまらない。 貴族の生活も腹立たしい。 ついでに画質も悪い。 だが、それを一気に挽回するだけのラストが待っている。 階級格差、音楽、哲学、思想、様々なものが存在するが、結局は人を愛する気持ちなのだと。 “愛情”が至上のものであると感じる、渋めの一本。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-09-14 01:32:24) |
10. ざくろの色
色彩と構図だけで勝負したら、この映画の右に出る作品はないだろう。 台詞を排し、時折り入る語りも音声がしぼられており、色彩と構図をひたすら強調した演出も、さりげなく巧みである。 ソフィコ・チアウレリの美しさも鮮烈。 特に、白装束・白塗りの彼女は、神秘的なまでの美しさとオーラを放っている。 目じりが印象的な女優で、もっと沢山の作品で彼女の姿を拝みたかったものだ。 強いて苦言を呈すれば、映像的な美しさと物語としての面白さが両立していないところ。 だがこれは、究極的に色彩と構図に焦点をしぼった結果だとも言える。 それだけ、絵画的美しさに特化した、孤高の作品だった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-27 00:35:05) |
11. ケルジェネツの戦い
色鮮やかな作品ではあったが、ノルシュテインのモノクロ作品に感じられる、あの独特の幻想的な雰囲気が感じられない。 『霧につつまれたハリネズミ』の様な不思議な空気が感じられない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-03-23 02:34:14) |
12. 25日・最初の日
《ネタバレ》 「十月革命」とやらを調べてから観ないと、何ら意味の分からない作品。 なので、世界史を全く知らない私は、「十月革命」を調べた。 そしてそれから鑑賞した。 ううむ、なかなかの国威啓発映画だ! 赤い旗がまぶしく光り、資本主義を凌駕する初の社会主義国の誕生を華々しく描いている。 ソ連が崩壊した今、それは幻となった・・・ 今となっては、なんと皮肉で物悲しさに満ちたアニメだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-03-23 01:48:39) |
13. 話の話
終始セリフは少なめで、より詩的な色合いが強く出ている中篇。 オオカミがこれまた愛嬌のある顔をしていて、それでいてどことなく哀愁が漂っている。 このオオカミが人間の赤ちゃんをあやすシーンなんか、ぐっとくるものがあった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-03-22 10:00:51) |
14. 四季(1969)
本作は、ユーリ・ノルシュテインがアニメーション監督として参加した作品。 無言劇で、一切セリフがない。 ユーモラスでいて幻想的なユーリ・ノルシュテイン作品とは異なり、本作はただひたすら芸術作品的なアニメーションである。 セリフがない分、あの愛くるしい登場人物たちの声を聞けないのが残念! 四季折々の景色の中を、流れるように進んでいく展開は、確かに美しいことは美しいが、ノルシュテインのユーモラスさと独特の寂寥感みたいなものが感じられないのは少々不満かなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-26 02:32:07) |
15. 愛しの青いワニ
監督デビュー前のユーリ・ノルシュテインが、アニメーターとして参加した作品らしい。 作品全体の雰囲気は、ユーリ・ノルシュテインの監督作品と似ている。 だけど、何だか切ない気持ちというか、侘しささえもおぼえる後味。 コーヒーの苦味の様な、まさに大人の香り漂うアニメだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-25 01:53:29) |
16. 霧につつまれたハリネズミ
ストーリーをメインに主張するのではなく、あくまでアニメーションとしての特徴を活かし、幻想的な映像を全面に押し出して表現しているのが素晴らしい! ハリネズミの表情や声色が、これまた愛嬌とミステリアスな雰囲気を醸していて、味わい深い。 本作で立ち込めるその幻想的な霧たるや、アニメ版『雨月物語』と評したい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-24 01:51:08) |
17. アオサギとツル
《ネタバレ》 切ないねぇ~。 男女のすれ違いの話。 素直になれない、嫌いになれない。 色恋はタイミングが全ての鍵を握っている。 ラストも、ほろ苦く切ない。 だけど、こんなことを延々とかけ合っている相手が居るだけでマシなのかも! 真の孤独よりはマシなんじゃないかな? [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-12 02:16:47) |
18. キツネとウサギ
紙芝居を観るような面白さ! ほんわかとした気持ちになれるラストが良い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-12 02:00:08) |
19. スラム砦の伝説
寓話めいたというか、宗教がテーマになった呪術的な内容で、パゾリーニの描く世界を想起させるが、パゾリーニの映画ほどに刺激も面白味もない。 “セルゲイ・パラジャーノフの映像魔術”とかいう謳い文句の書いてあるビデオテープをレンタルしてきたが、特に映像面での芸術的な感動も得られず。 これで未見の『ざくろの色』に対する期待度も、一気に降下した気がする。 [ビデオ(字幕)] 2点(2010-12-04 23:39:45) |
20. 鶴は翔んでゆく
戦争映画は見飽きた感があって、これもありきたりなストーリーなのだが、その描く世界観は実に真面目である。 その戦争悲劇に対する真摯な描き方に対しては、敬意を表したい。 [ビデオ(字幕)] 5点(2010-11-21 23:05:29)(笑:1票) |