1. ひまわり(1970)
油彩画のような色使いで、奥行きのある重厚な画作り。特に前半はフィルムの質感が活かされた陰影に富む映像美。 たくましい生活感と愛にあふれる女性像は、家族愛を描くイタリア映画らしさを感じる。さらに、戦争が引き裂く愛にネオレアリズモの一端をみた。 S・ローレンとM・マストロヤンニの演技は喜怒哀楽が程よい表現。他の出演者ではL・サヴェーリェワが愛らしく適役。出演場面がわずかながらアントニオの母役A・カレーナも忘れ難い。 一面に咲き誇るヒマワリ畑は戦没者の墓標でもあろう。冷静に搾油・食用目的と考えれば景観美は感じないが、印象的でいい場面だ。情感たっぷりの音楽も心に残る。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-11 12:52:14) |