1. 映画に愛をこめて/アメリカの夜
映画製作の裏側をこれでもかというくらい見せて(再現して)くれるのは、それはそれで興味深いのですが、そのまんま何のひねりもなく最後まで行ってしまわれると・・・。鑑賞の対象が「この映画はどうなるのか」ではなく「作中の映画はどうなるのか」になってしまいます。ジャクリーン・ビセットの美しさを保存した功績に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2021-02-24 00:59:33) |
2. エレニの帰郷
《ネタバレ》 あの大傑作「エレニの旅」との一連作ともなれば、期待半分、「いや、そう簡単にあのレベルには達しないはずだ」という警戒が半分なのですが・・・導入部から何か空回りし続きで、最後まで何も押し寄せてこない。展開を頭で整理すれば、かなり壮大な内容になっているはずなのですが、それが映像から伝わってこない。得意の長回しっぽい箇所もいくつかありますが、そうすべき必然性を伴っていないので、妙に軽い。やはり、現代パートは、最初と最後に固めるべきだったのでしょう(せっかくの過去パートがブツブツに寸断されているので、回想以下の扱いになっています)。 [DVD(字幕)] 6点(2018-07-07 23:31:22) |
3. エル・シド
《ネタバレ》 お金と手間暇がとてもとてもかかっているのはよく分かるのですが、制作者がそこしか考えていないため、ドラマもなければ物語もないのです。ラストの「出陣」はさすがに強烈でしたけど、それならばそこまで突き抜けた描写をそれまでにも見たかったところでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-06-08 01:32:50) |
4. 獲物の分け前
せっかくの設定なのに、背徳感とか逡巡感がなくて、あっけらかんとしすぎなのがマイナス。なので、ラストも唐突に感じてしまう。それと、この頃のジェーン・フォンダって、これほど気前がよかったのですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-28 03:54:37) |
5. SOS北極.../赤いテント
《ネタバレ》 もっとトリッキーな展開を予想していたのですが、意外にも遭難・救出・その後の行動を正面から描いた正統派作品だったのですね。しかし、亡霊がそれぞれ部屋にやってくるという斬新な設定があるのであれば、もっといろいろとひねってほしいところでした。これでもかというくらいお腹いっぱいに映し出される北極の風景は強力でした。 [DVD(字幕)] 5点(2011-04-05 01:43:25) |
6. エレニの旅
《ネタバレ》 延々と続く長回し、その中で存分に存在を示す隅々まで徹底された美術関係が、この映像としての破壊的な重量感をもたらしていることはもちろんである。それに加えて、どこをとっても乱れのないエキストラの動きが凄い。数でいえばこれを上回っている作品はあるだろうが、すべてのエキストラをフレーム内でこれほど完全にコントロール下に置いた作品は、ほかに例を知らない。それらすべてが相まって、完結した映像別世界を提示してくれる作品。いろいろな意味で、これどうやって撮ったの?と感嘆してしまうシーンばかり。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-01-15 23:25:51) |
7. 永遠と一日
ただでさえ映像の重量感と無音の緊張感がてんこ盛りになっているのに、その描写対象が「1日のうちの過去の回想と現在の進行の併存」という限定されたものであるわけですから、これはもう眠いを通り越して窒息しそうになるのです。「霧の中の風景」が心地よかったのは、話の規模の壮大さやドラマ性が描写の手法にぴったり合っていたからだ、ということがよく分かりました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-28 10:51:18) |
8. 永遠のマリア・カラス
タイトルから崇高・荘厳な伝記物を勝手に想像していたのですが、これは単なるB級業界ドラマではないですか。何を目的として作られた映画なのか分かりません。ジェレミー・アイアンズも、この役には全然合ってないです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-12-29 03:09:38) |
9. エーゲ海の天使
主役の8人のイタリア兵が、みんなどことなく間が抜けていて、ちょっとしたやりとりでも実に楽しい。進行に伴ってだんだん個性が出てくるのも良い。しかも、脳天気なだけではなくて、よく考えたら深刻だったり悲しかったりする場面もあるんですけど、みんな何ら意に介さず前向きに進んでいくところが良いのです。それと、全体を包むエーゲ海の美しい風景は絶品で、ここでも得をしています。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-05 01:13:47)(良:1票) |