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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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61.  アルファヴィル 《ネタバレ》 
SFの映画っていうのは、その世界観に入り込めるかどうかが評価の分かれ道になると思う。 この映画を観て「おぉ~スゲェ!」と、その斬新な発想に魅かれるか、もしくは「・・・・・」で終わるのか。 自分は「・・・・・」だった。 アンナ・カリーナやエディ・コンスタンティーヌなど、キャスティングはかなり良かったと思うが、ストーリーが意味不明で、最後の方になると白黒反転の映像が出てきたりして映像面に関しても格好良さは感じられなかった。 普通のパリの町並みを近未来的に見せる手腕は見事だけど・・・。
[映画館(字幕)] 5点(2006-12-22 22:53:39)
62.  5時から7時までのクレオ 《ネタバレ》 
主人公が過ごす夕刻をリアルタイムに追い続け、ストーリーの中にこれといった大きな事件もないまま刻々と物語が進行していく。 ただ、主人公が病気に怯えているということを除けば、ごく普通の日常なのだと思う。病気に怯えているといっても、特に暗い雰囲気はなく、むしろ自分にとっては明るくも見えた。 時間の表示が何回も出てくるのも何の意味もなさそうだけど別に嫌いではないし、男の独り語りもあったし(←自分にとって高ポイント!)、動いているミシェル・ルグラン見れたし、ほのかに明るいエンディングも良い。 そして何といっても、クレオ演じるコリンヌ・マルシャンがとても綺麗だったので、最後まで飽きずに楽しんで観ることができました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-21 00:02:25)
63.  カビリアの夜 《ネタバレ》 
ジュリエッタ・マシーナ扮するカビリアの、娼婦生活から足を洗おうとする一生懸命な姿、特に、教会で涙する彼女の姿に心打たれました。 一歩一歩順調に階段を上がっていくなぁと思いながら見ていると・・・やられました。このまま上手くいくはずなんてないとは思っていながらもあのラストですからね。衝撃でした。 フランソワ・ペリエの目のドアップのワンカットなんかを見ると、“映像の力”ってやっぱりあるよなぁ~って思います。 エンディングのワンシーンもジュリエッタ・マシーナだからこそあのように望みあるエンディングを迎えられるわけで。こういうのって彼女の発するオーラですよね。 けど、何回聞いても“カリビア”って言っちゃうんだよなぁ。是非、また観ます。*
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-03 05:31:37)(良:1票)
64.  ベニスに死す 《ネタバレ》 
今の日本って、いやーな世の中だなぁと思う。なぜなら、“ストーカー”って言葉があるから。 レビューを書く前に全てのレビューを読みましたが、【映画小僧】さんの仰る通り、教授のあの行為は“「美」への愛”なのだと思う。少年を欲しているのではなく、完璧な「美」を追求し、あこがれ、それを手に入れようともがき続けた初老の男の切ない物語だと思う。 台詞が極端に少ない展開も良い。サイレントのように音を出せないのと、この映画のように音を出さないのとでは意味合いも違ってくる。ヴィジュアル的に物語を語ろうとしているのではなく、言葉を使う必要がないから使わない、それだけの事のように思える。 ただ、ペストが流行っていることをストーリーに組み込む際の唐突さがちょっと気になった。ペストを流行らせなければこの物語は成立しないのだけど、起承転結の“転”にもう少しスムーズに入れなかったかなぁと思う。 ラストで夕陽の中に佇む少年が左手の下にマルを作ったあのサインは一体何だったのだろうか・・・。 本当は高得点を付けたかったところだけど、自分の年齢を考えると・・・・・6点にしときます(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-30 23:47:03)
65.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942) 《ネタバレ》 
特に美人とは言えない極めて普通な女と、この時代に多くいたと思われるやや筋肉質で男性的な魅力を持った男というのが、この映画の持つ独特の雰囲気を作り上げているように思う。 ストーリー序盤、猫がうるさいと言って銃を持って外へ出たシーン(妻が不倫→夫が発見→怒って銃乱射・・と連想できる)と、ジョヴァンナとジーノが夫の唄をBGMに語っているシーンが何かどことなく不気味で面白かった。また、全編を通してモノクロ映画で黒い服を着た登場人物が驚くほど映えていたのが特に印象に残った。非常に珍しく、特異な映像に見えた。 しかし、この映画、わからないところがいっぱいある。 何故、女は夫を捨てて逃げないのか。何故、男は旅芸人を欺き蔑んだのか。何故、男は女が密告したと疑うのか(女にも罪があるはずだから密告はできないと思うのだが・・)。 そして、何故“郵便配達は二度ベルを鳴らす”のか。 勉強してまた観ます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-11-30 02:12:25)
66.  男と女の詩 《ネタバレ》 
完全に読み違えてました。冒頭の映画のシーンからカラーの映像に変わるまでがずっと一つの回顧シーンだと思って見てしまいました(>_<) で、フランソワーズ・ファビアンの昔を演じてたのがアヌーク・エーメなのかな?とか・・・。 タイトルからしてラブストーリーなのかなと思っていたら意外と渋めな感じで、しかもフィルム・ノワールの一面もあってちょっと予想外な内容でした。 リノ・ヴァンチュラの素と老人の演技は良かったけど、宝石店の強盗シーンも結構マヌケな捕まり方だし、エンディングも凄く微妙でうまく言葉にできません。恐らく、きれいに片付けられてた中にも他の男の存在を察していたような感じですが・・・。 最初の、レストランでの会話の「部屋はある?」で、オシャレな映画のイメージを抱いてしまいましたが、今の自分には見るにはまだ早すぎる、難しい大人の恋愛映画でした。
[地上波(字幕)] 6点(2006-10-16 21:42:02)
67.  顔のない眼 《ネタバレ》 
まず、クリスティアンヌの仮面を外した顔を出さないのがいい。それによって、見る側の想像力を駆り立て、より恐怖心が増すように描いたのが功を奏したのだと思う。 そして、この映画一番の注目ポイントは、何といっても女優エディット・スコブの天才的な演技力であると断言したい。眼の動きと立ち振る舞いだけで心に傷を負った少女の心情を完璧に表現し切っている!ここまで演じられる役者はそうはいない。途中、素顔で演じる場面もあるのだが、この時の顔がまたそれまでにイメージしていた顔とピッタリ重なって、本当に適役というに相応しい演技だった。 全体的に面白い映画なのだが、オープニングでのやや明るい調子の音楽がマッチしていなかったのと、終盤での警察の立ち入りの場面で、実験台の女が眼を覚ましそうになっている映像をカットバックで入れればより一層の切迫感が生まれた筈だけに、惜しいと思う。 最後、手術台の女を逃がし、ルイーズを刺し、自分のために実験台になった動物たちを解放して出来る限りの罪滅ぼしをしたクリスティアンヌ。そして、彼女は森の中へ歩き出す。恐らく、自殺を図るのだろう。わずかの救いも感じられない映画だけど、こんな悲しい映画もたまにはいい。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-04 01:01:09)
68.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
自分にとっては毎度のことなのですが、またしてもやっちまったという感じでした(ToT)  ジョヴァンナがロシアまで夫を探しに行って一組のロシア人親子に出会った時、子供が「ボンジョルノ」と挨拶し、さらに、家に入ってダブルベッド(&枕×2)を見た時点で「ハハ~ン、成る程ねぇ・・・そういうことか~」と、その時点である程度状況を察していないといけない訳なんですよね。 ジョヴァンナが電車に乗り込み、号泣してるところを見るまで状況が掴めなかった自分には殺意すら覚えますよ全く。 こういう自分みたいな鈍感な人間がレビューすると、どんなに優れた作品でも必ず評価が低くなってしまう(-_-;) この映画の関係者の方々やレビューで高評価なされた方にはちょっと悪いなぁって思います。 さて、自分がこの映画で一番気になってしまったのが、最後の別れのシーンなんですけども、何か妙に過剰な演出に思えてしまうのです。ちょっと捻くれた考えかもしれないですが、映画の後半のストーリーを構成するためにわざわざあの別れのシーンを組み込んだ感じに見えてしまい、そもそもアントニオがイタリアに戻ってきた時点で、最後の見せ場を作ってるんだ、というハリウッドの映画によくあるようなわざとらしさみたいな感覚を覚えてしまって、あのシーンには特に何も感じることが出来ませんでした。 また、その一方、画面全体に夕陽を浴びたようなやや赤みがかった画面が終始非常に美しく、特に画面全体に果てしなく広がるひまわりの風景がとても綺麗で、あの印象的なテーマ曲と共にとても心に染み入りました。このテーマ曲とひまわりの映像だけでも十二分な価値があるのではないでしょうか。 ところで、オープニングとストーリー半ばで出てきたひまわりが堂々とした様子で咲き誇っているのに対し、エンディングで出てきたひまわりは、心なしかうつむいているような気がして、ちょっと切なくなってしまいました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-07 23:00:03)
69.  ウイークエンド(1967) 《ネタバレ》 
何となく好きです、この映画。ストーリーがあるのかないのかよくわからないような感じなのですが、その道中に出てくる一つ一つの場面がみんなブッ飛んでいて面白いのです。中盤あたりになってくると、「おぉっ!また出てきたな(笑)」と変なヤツが出てくるたびに嬉しくなっちゃったりしてしまいます。 一番の圧巻はやはり300メートルと言われる渋滞シーンの長回しでしょう。この映画では長回しのシーンがよくあるのですが、このシーンには度肝を抜かれました。この渋滞の先には一体何があるんだろう・・・という風な、ちょっとドキドキさせられるシーンがある映画って好きなんですよね~。 あと、オープニングの「WEEK END」の文字のトリコロールカラーのタイトル画面が最高にカッコイイです。 個人的な好みとしては、出来れば、終盤におけるクライマックスをもう少し大胆にして盛り上げ所をつくってもらいたかったです。けど、この映画でちょっとゴダールが好きになったかもしれません。ゴダールってストーリーを無視して観た方が面白いかも・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-27 21:52:23)
70.  美しき運命の傷痕 《ネタバレ》 
てっきり、映画を観ている最中は自分も、母の車椅子を引く女性が長女なのだろうとばっかり思っていたので、家に帰ってきて見てみてちょっとビックリしました。 自分はまだ結婚もしていないので結婚生活とか不倫とかって、イメージでしかわからないのですが、いずれのパターンにせよ、辛い思いをするのって女の方なんですよね。 男って、女よりもトラウマにつきまとわれにくかったりと精神的に強い分、女よりも人の痛みに鈍感なところがあって、それが浮気の根本的な原因なのかなぁなどと考えてしまいました。この映画以外の世界でも、そう言えば男って鈍くて身勝手だよなぁ・・・と、何かを悟ったような気になってしまいました(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-05 16:05:45)
71.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
初めて観てから約1週間。な~んにも感じない。書きたいことが思い浮かばない。 ラストのキスシーンのフィルムですが、何故あそこで感動するのかサッパリわからない。これは多分、親が転勤族だったので自分自身小さいときから何回も引越しを経験してきたせいだからだという結論に達した。生まれたときから高校卒業までに5回も住む場所が変わっているからでしょうか、本当にポカーンって感じ。同窓会も小学校中学ではゼロ、高校は卒業して1年後に1回あっただけでそれっきりだし・・・。催促の葉書は来るけど、別に昔の友達に久しぶりに会ってみたいとは思わないので、やっぱりこの映画の主題は自分には合わなかった気がします。 それと、この映画のキャスティングについて。幼少期と壮年期はともかく、青年期の配役がひどすぎます。サルバトーレ役の人もヒロイン役の人も全くと言っていい程に個性がなく、ただの一般人を連れてきただけじゃないのか、とまで思います。あそこまで存在感のない役者は初めて見ました。 けど、この映画の中の映画を愛する人たち(特に群集)には何か微笑ましい気持ちにさせられてしまいます。映画のワンシーンに一喜一憂し、感動を共にするということは現代でも出来ることですが、あそこまでみんなが一体となって盛り上がれるというのは本当にうらやましいものです。あの環境で観れたら楽しさも倍増すると思う、絶対。
[地上波(字幕)] 6点(2006-02-04 16:09:30)
72.  道(1954) 《ネタバレ》 
まず、フェリーニは人間がどういうものであるか、男というものが、女というものがどういうものであるかが非常によくわかってると思った。 例えば、ザンパノとキ印のトランペットの教え方。ザンパノは、ジェルソミーナが失敗すると鞭で叩き罰を与える。罰を受けまいと努力させる方法で、犬などの動物に教えるときによくある方法。それに対し、キ印はまず褒める。どんなに下手でもとにかく褒めてジェルソミーナのやる気を呼び起こす。褒められて自信をつけたジェルソミーナはさらにやる気を出して練習に励む。どちらが正しいと言うわけではないが人間性の違いがハッキリと表れているひとコマ。 そして、修道院の納屋で一晩を過ごしたときのジェルソミーナの言った「私のこと少しは好き?」というセリフ。当然の如く、ザンパノには軽くあしらわれるのだが、どうしようもなくなってザンパノの気を引こうとしてトランペットを吹いてしまうジェルソミーナ。愛されることによって自我を確立するという、女性にありがちな性質をとても上手く描いていると思う。 そして、これまでに多くの方が指摘なさっているので今更語るほどでもないが、ラストシーンのザンパノの慟哭もこれまた男性にありがちなパターン。 終始、ジェルソミーナの仕草がとてもチャーミングで、微笑んだ顔もしょげた顔も何から何までいちいち可愛い。多少頭は弱いのかもしれないが、一緒にいたらこっちまで笑顔になってしまいそう。こういう女性も魅力的であり、当然高得点である(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2005-11-12 10:16:10)
73.  そして船は行く 《ネタバレ》 
この映画は何故セットとわかるように撮ったのだろう??初めのうちはこのあからさまな雰囲気が凄くイヤで、何度席を外そうかと思った事か。最後のスタジオ全体とスタッフを映したのもどうもよくわからない。何故セットであることを前面に押し出さなければいけないのだろうか。何故ナレーションが必要だったのか。全くもって意味のわからない映画だった。
[映画館(字幕)] 4点(2005-11-06 20:25:43)
74.  いぬ 《ネタバレ》 
この映画はモノクロ映画独特のクールさがあると思う。シブい!玄関を開けたときにわざと影を作って顔を見えなくしたり、シリアンが宝石類を土から掘り起こすシーンなんかは、ストーリーの構成上(モノクロ画像によって)程よく影を作って映しているのが上手いと思った。走っている車を外側から映している場面の、あからさまに合成である部分を除けば、映像面ではかなりイイと思う。 ただ、やはりストーリー面をとってみるとかなり難解で、私にとっては完全にお手上げ状態。繰り返し観てみて大筋は把握できたけどこれは間違いなく難しい部類。最初に見たとき“花輪”とか“葬儀”とかの意味が解りませんでしたからね。そのせいで、最後にモーリスとシリアンが撃たれた理由が全く意味不明でした。 あと、ヌテッチオ役のミシェル・ピッコリは絶対に配役ミス。もっと存在感があってズル賢そうな顔の人の方が適していると思う。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-10-10 12:38:44)
75.  ぼくの伯父さん
オープニングの、看板に書かれたスタッフ紹介・ユロ伯父さんのアパート・魚とにらめっこするワンちゃんで「なんてセンスの良い映画なんだろう。こりゃぁ~期待できるぞ~」とウキウキしながら見ていたのも最初だけ。30分で飽きてきました。 登場人物のセリフを極力減らし、サイレントの映画のようにパントマイムだけでストーリーが展開していくのは好印象なのですが、どうも、ギャグがつまらない。ユロ伯父さんの余りの間抜けぶりに、正直のところ見ていてイライラしてしまいました。 シーン一つ一つのセンスのよさは私も気に入ってしまいましたが、この映画の中の大人達のダメ人間ぶりがとてもじゃないけど見るに耐えないのです。この映画の登場人物を見て、ほんわかとした温かみを感じたりほのぼのとした気分になるなんて絶対無理。 けど、ギャグがチャップリンみたいに面白ければこの映画のハイセンスな映像にマッチしないだろうと思うので、やっぱりこのくらいのレベルの笑いがちょうど合っているような気がしました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-05-21 01:41:19)
76.  哀しみのトリスターナ 《ネタバレ》 
どのように撮ったのか全くわからない。ドン・ロペの生首、片足のドヌーヴの撮影トリックには舌を巻くしかありません。本当に想像もつかない。その映像テクニックにドヌーヴのリアルな演技がかみ合って実にリアルな映画に仕上がっています。 話の前半は、養父である筈のドン・ロペが「私はおまえの養父であり夫である」などと言ってトリスターナを束縛し、都合よく体を求めてきたりと息苦しさが伝わってくるような毎日。画家と結ばれて好転すると思いきや、病気を患い再び元の家に戻ってきてしまい、後半に入るとトリスターナの人生はますます転落していくのですが、圧巻なのは、ドン・ロペがホットチョコレートを飲んでいる間のトリスターナの廊下の往復シーン。ドヌーヴの表情を執拗なまでに何回も見せているところがとにかく気味が悪い! この表情も不気味で不気味で仕方ないのですが、街中で車椅子に乗っているときにその隣を乳母車が通り過ぎると、自分自身も乳母車の中の赤子のような気分になり、見せる屈辱の表情。そして、口の利けない若者に自身の裸体を晒したときの表情には思わず息を呑みます。 タイトルは“哀しみのトリスターナ”なのですが、実は哀しむべきはもう一人の登場人物ドン・ロペではないかという見方もできると思うのであります。というのは、この映画が作られたのがブニュエルが70歳の時。しかも、彼自身も無神論者とのこと。と言うことは、この映画のドン・ロペはまさにブニュエルそのものである、という解釈も可能なわけです。私は、彼は原作の中のドン・ロペに自らと共通する何かを見出し、映画の人物設定にも自分自身の姿を組み込むことにより自らの苦悩を描き出したのではないかと思いました。この映画にとても自虐的でマゾヒスティックな一面をブニュエルのプロフィールを見てから感じました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-04-25 22:46:26)(良:1票)
77.  穴(1960) 《ネタバレ》 
「大脱走」、「アルカトラズ~」と見てきましたが、ウワサ通り(笑)やっぱりこれが一番面白い。この2作品は看守の甘さなどが原因でやや不満もあったが、本作においては不満のつけ入る隙が全くといって言いほど存在しない。 他の脱走ものと決定的に違うのは、囚人たちの真剣さが見ている側にもひしひしと伝わってくるところであり、ストイックなまでにひたすら穴を掘り続けることによって映画全体に並々ならぬ緊張感が生まれているところだ。床に穴を掘るところを見ると文字通り“力作”だなぁと感じてしまう(終盤の下水道の壁に穴をあけるシーンにカットが入ってしまっているのが非常に惜しい。2時間半の映画になってもいいからあのシーンはぜひ長回しで撮って欲しかった)。 また、小物の使い方も極めて秀逸であり、柱を影にして看守の目を逃れたところは、あれが映画の演出でなく本当にあれで難を逃れたのだとしたら驚愕ものである。 そして、最後にロランが放った「情けない奴だ」のセリフ。これは極めつけのセリフだ。 ガスパールは裏切ったのか?ということを後から考えているようではダメである。 これは無知な自分に向けられているようであり、非常に痛かった。※
7点(2004-10-03 16:27:55)
78.  羊たちの沈没 《ネタバレ》 
羊たちの沈黙のパロディのはずなのにサイコがメインになってるところがダメ。笑える場面はいくつかあったけど、大爆笑するほどの場面はひとつもなかった。いや、「F・B・ア~~~~~~~~イ」のところはウケたかな。最後のどんでん返しのところ(自分の顔の特殊メイクを剥いでいくところ)は、まあ、評価に値する…かも。ちなみに、この映画でマーティン・バルサムは“探偵バルサム”役で出ています。おい!自分の名前をそのまま使うか普通・・・?
4点(2004-09-15 14:47:09)
79.  欲望(1966) 《ネタバレ》 
私もあのジャケットの表紙の絵に惹かれて見た人間の一人です。しかし、自分には合わなかった。そこにあるものが本当に実在するのかということを訴えかけているということはわかるような気がします。それを表現する為に写真という媒体を使ったのはナイス。評価できるところは、写真を引き伸ばしていくところ。しばし無音の状態が続き、ここが見せ場だという感じは伝わってきて私の目も覚めてきたが(笑)、それほどの緊張感はなかったと思う。それに、あの写真を見て死体の存在に気づくことも不自然・・・。いや、やっぱりあれでいいのかも。我々には見えなくとも主人公には見えていたのかもしれません、そこにある何かが。なるほど、確かにあのシーンに集約されていますね。さらに突き詰めていくと、盗み撮りされた女の人も本当に実在しているのか怪しいですよね。電話をかけても繋がらなかったし。あのライブのシーンにも特に意味は無いように見えるかもしれませんが、やはり、何か訴えるものがあるように思えます。あのライヴハウスの観客たちは異様なまでに見入っていましたけど、それは観客が聴いてる筈の音の存在、そしてアーティストの存在までも現実にそこには本当に存在しているのかを言い表したかったのかもしれません。また、ギターの一部が観客に投げ込まれても平然とした様子で、さらに言えば観客が存在していないかのように淡々と歌いつづけるヴォーカル。では、プロペラは?家に帰ってきて足で触った。動いた。間違いなく、確かにそこに存在している。プロペラはこの世で確実に存在しているものの象徴なんでしょうか? ラストは【月子】さんのご指摘で初めて気がついたのですが、音が出てたんですね。もっとはっきり聴かせてくれればよかったのに。 まぁ、いずれにしろこの悠長なストーリーは私には合わないですね。【STING大好き】さんのおっしゃる通り、起承転結映画に慣れた人間がいきなりこの映画を見るとどうしてもこんな点数になってしまいます(笑)。中途半端に明るい音楽もいいと思わないし。 今になってふと思ったんですけど、実はこの悠長なストーリー、それさえも存在していないかのように見せたかったのかもしれませんね。ストーリーの進みが異常なまでに遅く、進んでいるのかもハッキリしない。無駄な部分がやたらと多く組み込まれているのは、飲み物に水を入れて薄めるかの如く・・・って考えすぎかな?
7点(2004-09-09 15:40:32)(良:1票)
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