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1.  息子の部屋 《ネタバレ》 
棺桶に杭が打ち込まれるアップの映像を見た瞬間、自分の心に打ち込まれたようだった。死んだ…紛れもない事実の残酷さがこのシーンにはある。何度も後悔する父親。父親は「あの時、いっしょにランニングしていれば」と思い、さらに息子とランニングしている妄想にまで発展させていた。人は極限の哀しみを直視できないと思う。自分の心の中の本当の答えを知るのは怖い。父親の悲しみが私の痛みとして伝わってきた。亡くなってしまったものを心の中で過去を現在として反芻して想う。それを現実逃避と簡単に言ってしまうことなんて絶対に出来ない。ひとつひとつ丁寧に描かれていく。自分の感情が映画の中に溶け込んでゆく。おそらく人それぞれの心に映し出された「息子の部屋」という作品があるに違いない。息子のガールフレンドだった子には新しい彼氏がいるらしかった。私は、はっとした。彼女には「亡くなった息子(彼氏)」は時間的な過去となり、旅の途中の彼女には時間的な未来があった。その時、私は現実を間のあたりにした。そう、自分の心の中の真実、失ったものを目を逸らさず見た。そしてなにか感情が少しだけ変化した。止まった時間が動き出すかのように。ラストの浜辺のシーンで前に一歩進めた瞬間が訪れたのだ。本当に映画って不思議だ。こんな語り方もあるのだ。ひととき旅を共にしたこの家族の心にもなにか変化があることを掴めた。控えめだがなんとなくわかる空気間が絶妙の素晴らしいラストだった。3人三様に歩いてゆく浜辺のシーンにはそれぞれの未来が見えた。哀しみはずっと消えない。でも日常はすぎゆく。音楽が心に染みる静かなラストに、この映画のもつやさしい眼差しを感じた。
9点(2003-11-23 22:10:24)(良:1票)
2.  WATARIDORI
鳥だけを映し続けて、音楽とわずかなナレーションだけで感性にダイレクトに訴えかけてくる気がしました。至近距離から鳥たちを撮影し余分なストーリーを一切排除した、その映像作品に清いものを感じないだろうか。私はもしかすると本能だけで観たのかもしれないです。それは、そのテーマはシンプルなのに、なぜかたまらなく心が大きく揺さぶられ涙が溢れ続けたからです。古代の人々が鳥を崇拝し、多くの幻想の動物に翼を与えた憧れの翼。その翼をこの映画は与えてくれたかのよう。鳥たちのなんと神々しく壮大で地球を感じさせる視界。飛行中の鳥のお腹のアップが背後から映しだされ、カメラは上に移動すると、信じられないほどの高度を飛んでおり、地上ははるかに下。生身の生き物が飛んでいる。鳥の造型・色彩、地球の大地とのハーモニー、人間科学では到底作り出すことのできない完璧なまでの自然美に圧倒されました。しかし甘口の映画ではなく、いやが上でも動物の宿命(変化をもとめ遺伝子を残す)を感じさせられました。最初のナレーションで渡りの目的は「生きぬくこと」と言う。羽を動かすのは本当に大変そうでした。疲れたから途中で休んで羽ばたきを止めたら生き残れないような厳しさが溢れていて過酷。生きぬく先にはたとえ終わりがあっても、今を精一杯飛びまっすぐ生きるという姿、実に身につまされる思いがしました。チェロの音色と共に哀しみに包まれながらも、画面いっぱいに溢れる生命の喜びには素晴らしさを感じずにはいられませんでした。
10点(2003-11-09 22:17:00)(良:1票)
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