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1.  U.N.エージェント
1990年以降、このユーゴスラビアを巡る長い長い軍事紛争の悲劇はヨシップ・ブロズ・チトーという ある意味では優秀過ぎる指導者の出現から始まっていると言えます。  彼の功罪は徹底した自主自立に元付いた平等主義(自主管理社会主義)でしょう。 1900年代初頭、民族もバラバラなら宗教も言語もバラバラで 欧州の火薬庫と称されていたバルカン半島を あっと言う間に纏め上げた政治力とカリスマ、そしてその歴史的功績  なによりもスターリンの大粛清の災禍を防いだ英雄として 現代に置いても彼を崇拝する社会学者が多いです。  彼はトータルナショナルディフェンス つまり、コミューンと言う国家における最小の自治組織レベルで総皆兵制を敷き 非常に強固な連邦武装中立体制を作り上げました。  しかし、この体制は国内の民族主義を、徹底排除する事で成り立つシステムであり その為の緻密な軍制組織を有していた事が後々の紛争の種と成る。  また、ユーゴの国家体制と言うのはチトーの影響力(政治的カリスマ)が有ってこその体制で ある意味で独善的な超トップダウン的ヒエラルキーであり 「国益の分配を公平に行う」と言う前提条件が崩れてしまえば 後は上層組織が暴走するのは自明のシステムでした。  その懸念通り、彼が死んだ後はその国家システムが瓦解し、民族、宗教ごとの対立が激化し 国民はめいめいの持つナショナリズムに突き動かされ、雄たけびを上げて備蓄されていた武器を取り 隣近所に住む異民族、異教徒へ銃を向けたという状況が簡単に言えばユーゴ紛争の始まりであり  スレブレニツァの虐殺は、ラトコ・ムラディッチという扇動者が 幾つかの自治軍からセルビア人の民族主義者を纏め上げて作った いわば独立愚連隊に等しい組織だった。そういう流れがユーゴ全土で連鎖し 軍閥が入り乱れる封建主義的な群雄割拠状態を作ったのです。  ムラディッチは元々国粋的な民族主義に傾倒していて、しかもヒエラルキーの上層を統べる1人であり それに自治区ごとの軍制が伴う為、ある意味で局地的独裁者でも有った事が災いしました。  酷な言い方かも知れませんが、チトーは自分の亡き後、この国がどうなるかまで見通せなかったのでしょうか。 もしそれが見通せて居たなら、チトーは近代史に燦然と輝く、偉人と成っていた事でしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-06 22:31:50)
2.  ホテル・ルワンダ 《ネタバレ》 
いま見終わりました。 一般にルワンダ紛争と言うのは、1994年のフツ族による 大虐殺ばかりが大きく取り沙汰されてしまっていますが  実はそれ以前にルワンダは、ドイツとベルギーから植民地支配を受けていました。 ルワンダという国名もつまり、ドイツが植民地化した時に付けられた国名で 逆に言えばアフリカ大陸の国境線と言うのは 西欧列強が侵略した順番に獲得した領土の線引きであり つまり列強諸国側の都合で「国家」と呼ばれたに過ぎません。  ともあれ、フツ族はドイツを背景とした少数派のツチ族に実質支配され、差別されました。 これは第1時大戦後のドイツ敗戦で、ドイツ領からベルギー領に委譲された頃は もっと顕著になり、フツ族によるツチ族への憎悪は、より大きく高まって行きました。  その後、ルワンダは独立を果たしますが 独立のゴタゴタで、当時支配階級だったツチ族とベルギーの関係は最悪となり その腹いせに、ベルギーが独立の行き掛けの駄賃として フツ族による民主政権樹立という暴挙に出る。  ツチ族への憎悪の固まりであるフツ族に政権を委譲し なおかつ独立で軍事力も委譲してしまえばどうなるのか? そんな事はベルギーは百も承知で、フツ族の後押しをした訳です。  その後、フツ支配体制にはフランスも加わって、ツチ族への迫害は更に大規模化します。 この作品の中でホテルオーナー(ジャン・レノ)が、フランス政府に働きかけて ルワンダ政府軍の将軍を動かし、ホテルから兵を撤退させるシーンが有りますが  これは当時フランスが、虐殺者側のフツ族政府へ、多額の軍事支援をしていたからです。 民兵がこのホテルをなかなか襲撃しなかった(敗戦が濃くなるまで)のも 主人公である支配人が、政府軍の将軍に個人的なコネを持っていたからで 少数の国連軍が守っていたから助かった訳では有りません。  この映画ではそういう歴史的背景や、支配の構図は何もはっきり描かれていません。 無論、長年の屈辱的支配が、この大虐殺の理由とは成り得ません。 しかし、大本の原因を作ったのはいったい誰なのか? これが問われなければ成らないと思います。  最後のテロップでルワンダ政府軍の将軍が、軍事法廷で裁かれて有罪と有りましたが その後ろで糸を引いていたベルギーやフランスは一切裁かれない。 これが、アフリカ諸国の現状だという事を忘れては成りません。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-18 19:40:11)(良:1票)
3.  穴(1960) 《ネタバレ》 
凄い映画ですね。みなさん一様に点数高いのも納得しました。  何が凄いってこの徹底したリアリズムですね。 他の脱獄映画の設定が相当ヌルク感じてしまうぐらいに この映画は「実際の刑務所から脱獄するには」という事に何より拘っている。 小さい覗き窓1つしか無い頑丈な扉。突発的に入って来る看守。監房を出入りする度に身体検査。 夜中でも容赦無く回って来ては点呼を取る冷酷な監視体制。。。 でもそのことごとくにマンマと裏をかくズル賢いリーダー格の古参受刑者。  小技の1つ1つもあだやおろそかにしません。 小さい覗き窓には歯ブラシの柄に小さい鏡のカケラを結び付け看守を監視する繊細さ。 逆に頑丈なコンクリートの床は「ここが何とか成らんとドウにも成らんわ!」と腹を括り どれだけ激音がしようとも決して掘るのを止めない大胆不敵さ。 更にはダンボールで作った即製人形を糸で操りながら夜中の点呼をやり過ごすこの危うさ(汗 その後はもう刑務所中を縦横無尽に徘徊し「ちょ、ちょっとアンタ!そりゃ無茶や!」と 後ろから何度も突っ込みたく成りますがその都度機転と小技を駆使して乗り越えて行きます。 この辺はもう正に脱帽でして超兄貴ブリを発揮しておりますね。はい。  またガスパールと言うへタレな新入りの若者が主人公の様でも有りますが これがもう脇役のアクの強さに完全に食われてしまっている。 なんで?なんでこんな影の薄い主人公なんだ?と、みんないぶかしむ所では有ります。 しかし実はそれがこの監督さんの凄い所でして。ええ。その訳が最後の最後で明らかに成ります。  ただ私としてはこのラスト、もう1転有っても良かった様な気がします。だから9点です。 ただフランス映画だという事を考えれば仕方が無いのかも知れませんが。    
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-26 23:11:10)
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