1. 死神の骨をしゃぶれ
西部劇以外のマカロニアクションで初遭遇がコレだったけど、当時は米国製と比べて尽く貧乏くささばかりが目立って落胆モノだった。確かにフランコ・ネロは渋くてカッコいいけど、その周囲を取り巻く空気がやたら貧乏臭くてトロい。かと思えば男性器切ったり、裏切者の胸に鉤爪を叩き込んだりと残酷描写は無駄にエグかったりして、力の入れどころを間違っている気がする。でも考えてみれば、アクションに限らずイタリアのパチモンってどれもそんな感じだし、寧ろ味として受け取るべきなのかも。ま、お世辞にも面白いと思うような代物ではなかったけど、その田舎臭さのような独特の空気感に癖になる人がいるって話には妙に納得いく次第だった。 [DVD(字幕)] 5点(2013-04-24 22:05:58) |
2. 荒野の棺桶
《ネタバレ》 「マカロニ最多主演を誇るが、どの作品も印象が薄い」などとファンの間では言われているマカロニ名物俳優アンソニー・ステファンの主演作のひとつ。私は噂に聴くだけで、本作で初めて動画としての彼の姿を拝見したわけですが……何というか…納得(笑)。荒くれ男の雰囲気はそれなり出ているんですが、小さい目に痩せこけた顔、おまけに常にポーカーフェイスの無表情と、とても銃の腕前ひとつで西部を生きぬくような男には見えないんですよ。これならギラギラした脂っこい眼差しで彼を睨みつける周囲の悪役陣の方がまだ存在感があります。本編じゃ悪党を相手に縦横無尽の大活躍を見せてくれますけれども、映画じゃなかったら多分酒場でボコられて一巻の終わりでしょうね(笑)。さて、映画の方は強盗に妻を犯されて殺された元保安官が強盗団の仲間に加わったふりをして、妻を殺した犯人に復讐を遂げる。本当にそれだけ。工夫を凝らしたガンファイトも捻りを利かせた展開も寓話性も無いんですが、演出のテンポが良いのとデ・マージの音楽がカッコイイのでゴキゲンな気分にはさせてくれます。「マカロニ作るなら最低これぐらいの品質は保てよ」という基準として測るべき作品ですねコレは。……主役のイケてなさを除いては…(笑) [DVD(字幕)] 6点(2009-12-03 22:58:03) |
3. 野獣暁に死す
マカロニブームの発端となった「用心棒」に出演していた日本人が今度はマカロニに出演という奇妙な因縁は面白い。初冬の荒野を舞台にした西部劇らしからぬ寒々とした雰囲気等は捨てがたいんだけど、復讐モノ一辺倒として作るにせよ肉付けが足りないせいか単調で物足りない。何かしでかしそうな危ない雰囲気を漂わせている仲代氏の悪役も、結局はそれ以上でも以下でもないしね。メキシコ人と日本人の混血という設定らしいけど、それならいっそのこと西部にやってきた日本人で周囲の白人から蔑まれた怨恨で悪人になったとかそういう肉づけもありかなと思う。日本人が異彩な存在感を放っているマカロニとして記憶に残る作品であることは間違いないだろうけど、結局のところそれ止まり。 [DVD(字幕)] 5点(2009-12-03 22:56:10) |
4. 荒野の大活劇
《ネタバレ》 マカロニウエスタンって基本的に西部劇を土台に“何でもあり”という容易いフォーマットを有していて、その姿勢はB級映画ファンとしては大いに歓迎するべき点なのでしょう。でも、流石にここまで本来の形とかけ離れてしまうものなぁ。長い間離れ離れだった兄弟が色々とドタバタやって最終的に小さな幸せを掴む、という能天気なストーリーにマカロニ独特の陰惨で死臭漂う持ち味が入り込む余地は到底無く、西部を舞台にしたただのコメディになってます。勿論それはそれで良いという向きもあるのでしょうが…あの近寄り難いいかがわしさをぷんぷんと匂わせた世界観が好きな者としては「あ~、マカロニも既にこの時点で廃れてきちゃっているのね…」という虚しさが悶々とあって、なんだか素直に楽しめなかった。どこかで見たようなポンチョ姿の男が縛り首になっているのにはちょっと揺さぶられるものがありましたけれど、それ以外にはこれがマカロニである必然性は見当たらず。コメディとしても中途半端なのでどう受け止めてよいか戸惑ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-12-03 22:55:26) |
5. タランチュラ
ジャッロ映画。要するに謎解き云々よりも猟奇的な殺人描写に重点を置いたイタリア製サスペンス映画の一編。このテの映画は殺人描写の出来不出来が映画そのものの良し悪しにもそのまま委ねられると思うのですが、首に針を刺して神経を麻痺させ犠牲者の意識がある目前で腹を引き裂いていくという殺しの手口は幾多あるジャッロの中でもなかなか凝っているほうではないでしょうか?犠牲者も歴代ボンドガールを演じた比較的名を知られた女優さんばかりで豪華。まあジャッロらしくサスペンスとしては破綻しているのもいいところなので、逆に言えばそれしか見所がないわけですが…。というかジャッロをきちんと見るのは実はこれが初めてなのですけれども…別にエグい殺人描写だけを単独で見たいとも思わないので、自分にとっては一体どこに面白さを見出したらよいのか分からなかった。 [DVD(字幕)] 5点(2009-11-14 21:56:28) |
6. 白昼の暴行魔
《ネタバレ》 海辺の別荘で合宿を行っていた女教師と女子学生たちが逃げ込んできた三人の銀行強盗に…という何やら起りそうなシチュではあるけど、女性陣と銀行強盗グループの間の空気が終始のほほんとした雰囲気で、緊迫感はほとんどなし。肝心なところも肝心なところを見せずに顔面ドアップだけとかなりあっさりしていて、総じて伊映画にありがちな中途半端な作品だった。クライマックスは一番マトモなリーダー格の男が「俺は何もしなかったのに何故だ!」と叫びながら撃たれるんだけど、その後追い討ちかけるように全員から鈍器でフルボッコと三人の中で一番悲惨な殺され方をするのはあんまりだと思った。 [DVD(字幕)] 4点(2009-11-14 21:55:07) |
7. 吸血のデアボリカ
ジェス・フランコが珍しくマトモに演出したことで知られる『吸血鬼ドラキュラ』の映画化。山場の無いダラダラとしたストーリーは退屈でケレンミもないままに成り行き的に事件が解決してしまいます。彼の他の作品は全てが未見だけど、この作品見る限りだと演出力はあってないようなもんなのかねぇ。クラウス・キンスキーのレンフィールドなんて面白そうな配役も病院でただうじうじしているだけで役者の無駄遣い。ミステリアスタッチの音楽は好み。 [インターネット(字幕)] 3点(2009-11-14 21:53:19) |
8. デモンズ
ゾンビの設定は秀逸ですが、にしてもなんて雑な映画なんだ! 映画と同じことが現実に起きるというせっかくのアイディアも仲間の一人がフィルムをメチャクチャにするという暴挙によって台無しだし、劇場で映画が始まってからからお互い自己紹介し合うなんて、起承転結良く練られてないなぁ~。 他にもあからさまに変な描写&展開満載なので、何故にヘリコプター?とかアキロンの大王どこいった~!とか。突っ込みいれて見るのが正しい鑑賞方です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-10-10 02:41:03) |
9. 荒野の1ドル銀貨
マカロニウエスタンではドル3部作の次に有名であり、ジュリアーノ・ジェンマの出世作と言われる作品ではありますが…面白くないんだよなぁこれが…。 確かに銃身を短く切られた銃とジェンマが弟から貰った1ドル銀貨の使い方は優れているんだけれども、後は出来の悪い平坦な復讐劇で全然面白くない。 小道具の設定頼みでドラマが弱い・・・。 始めて鑑賞した時は「えぇ~、これが出世作?なんで~!」とぶったまげたモノです。 まあマカロニにありがちな大した粗は無いし、ヒゲもじゃもじゃの荒くれ男から甘いマスクのナイスガイに変身するジェンマに5点。 ここは素直にジェンマ氏の魅力に浸ることが、この映画の正しい鑑賞法なのかもしれません。 [ビデオ(字幕)] 5点(2004-10-27 16:40:27) |