1. サンダーパンツ!
最近、NASAが小林幸子の紅白歌合戦の衣装を開発しました(笑)。この映画も科学の粋を集めて『サンダーパンツ3号』なる、ものすっごいロケットを作ってしまうわけですが、そんなことよりも、主人公のおデブの少年についついホロリ。いままさに日本では『いじめ』が問題になっているわけで、いじめる側が当然、悪ではあるけど、いじめられる側は?悪ではないにしても立ち向かう勇気というか、自分の自信のなさもいじめを招いてしまうとも言われています。自信というものはなかなか自分では自覚できないものだと思う。人から言われて初めて、自分って本当はすごいんだ、という自信につながるものでもあると思う。おデブの少年は、オナラで悩みながらも自分を認めてくれた親友のために力を貸す、という友情と、宇宙飛行士になりたい!という夢のために、ひたすら頑張ります。お子さま映画かと思って観ていたのですが、いやはや。不覚にも感動してしまいました。笑いどころも絶妙で、ストレス解消にもオススメです。 [DVD(吹替)] 7点(2007-01-11 16:21:20)(良:1票) |
2. 鉄道員(1956)
ずーっと子供目線で描かれているので、非常に分かりやすいです。アンドレア父さんの頑固さ、ジュリア姉さんの弱さ、大人の事情をサンドロが子供なりに気遣う姿がいじらしい。特にあの、人や車に石をぶつけるシーンが印象的でした。たとえ家族がバラバラになっても、絆がつながっていれば、いつかきっと元に戻る。鉄道しかないアンドレア父さんの生き様をみて、マルチェロ兄さんのように、サンドロもきっと大きくなっていくんでしょう。どこにでもある、ありふれた家庭の話なんだけど、胸を動かされずにはいられませんでした。作中でも、ストライキの話が出ていましたけど、そういうときだからこそ、家族が支え合うんだ、ということを言いたかったんだと思いました。 [DVD(字幕)] 9点(2006-10-16 20:54:29)(良:1票) |
3. ホテル・ルワンダ
『内政不干渉』という言葉の意味が重くのしかかる映画でした。そこの国で起こっている事態は、他国の軍人が解決してはならないという風潮。条約に基づき国連軍がいようがいまいが、民兵の暴走には太刀打ちできない。誰も助けてくれない。四面楚歌でもがくドン・チードルの胸中がつぶさに伝わります。ホテルの支配人としての職責と、一家の主としての苦悩と、公私混同することなく、敵である政府軍司令官へのワイロを、絶やすことなく、自分を捨てていく姿が、”男らしい”みたいな単純なありきたりの言葉では到底片付けらない。「この大量虐殺の映像を見ても、『まぁ、怖い』の一言で終わり、みんなまた食事に戻る」というホアキンの一言一言が非常に印象に残りました。いつもテレビでどこかの国の紛争の、空爆やらテロやらを耳にしますが、対岸の火事で終わってしまう。特に日本人は募金箱に10円玉を入れて、国際平和に貢献した気でいます。悲惨だと分かっていても何もできない無力感で、自分自身に腹立たしさを感じてしまいます。しかし、紛争の原因が、民族間の下らない偏見によるものだというのが、解決を目論むにはあまりにも根深く立ちはだかっています。おそらくナタでTutsi族の者を殺すHutu族の青年も、なぜ殺さなければならないのか分かっていないと思う。ただ周りのみんながTutsi族をゴキブリ呼ばわりしているから同調しているだけ。しかしそれが戦禍の火種となっている現実がやるせない。 最近ですと、アメリカ軍がイラクを制圧しましたが、国際平和は基より、人道的見地からも経済的見地からも果たしてそれが誰にとって良かったことなのか、ふっと考えさせられました。 [DVD(吹替)] 9点(2006-08-24 17:41:43) |
4. キングダム・オブ・ヘブン
《ネタバレ》 十字軍は元々、義勇軍から始まったのですが、権力闘争の果てに崩壊していくわけですね。バリアンがラスト、元の仕事に戻るというのが、歴史の表舞台から消えた英雄としてカッコ良くみえました。聖地エルサレムの価値について、尋ねられたサラディンの答え「何もない。だが全てだ」、その一言にイスラム圏の以後1000年に渡る紛争の歴史の原点がありました。戦闘シーンはド迫力。特に王都に進入するサラディンの軍勢の火の玉は、とっても熱そうでした。さすがリドリー・スコットだとは思います。いくら名将の息子とはいえ、人々が簡単に元鍛冶屋の青年を崇め奉るのはちょっと理解しにくいのですが、歴史スペクタクルロマンとしてはなかなかの出来栄えでした。へっぽこオーランドのアイドル映画かと思ってましたが、観て良かったです。 [DVD(吹替)] 7点(2006-01-09 18:23:46) |
5. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 ウソをつくことはいけないと思います。これは、僕も含めてですけど、他の皆さんも子供のころから、知らないうちに自然に学んできたことだと思います。この映画、父親グイドは、我が子を守るために、ウソをつきます。ジョズエは、父を尊敬して、素直に”ゲーム”のルールを守ろうとします。グイドは、一人でいるときは、ユダヤ人の迫害について、絶望を感じてしまいますが、愛息子ジョズエの前では、決して悲しい顔を見せない。現実の不幸から息子を守るグイドの姿、ウソの中にも、「絶対に信じちゃダメだ」など、さりげなく世間の厳しさを教え込むグイドの姿に、序盤、あんなヘラヘラしていた陽気なおじさんが、父親としての覚悟を立派に努めあげたことに涙が出ます。どうしようもない絶望を、父親グイドのウソをホントに変えた戦車がもたらした希望、そして父からの贈り物に感謝し、立派に成長したジョズエが語るラストに、感動してしまいました。理想の父親像ってのは、友達感覚だったり、厳格だったり、これだ、という理想像は一概に決められないと思います。共通して言えるのは、子供を一人前に立派に育て上げたいと願う、父親としての覚悟にあると思います。ウソをつくことはいけないことです。しかし僕は、この愛に溢れた”ウソつき父さん”の物語がとっても大好きです。 [DVD(吹替)] 10点(2005-09-16 13:28:28)(良:2票) |
6. 海の上のピアニスト
《ネタバレ》 ”稀代の天才”とは、こういう人間を言うのかもしれない。世界を見て回れば大きく成長する者もいれば、"Nineteen hundred"のように自分の中で天性の素質を磨き上げる者もいる。人に認められることだけが優秀ではないと思わせる、繊細かつ力強い演奏への情熱を演じ切ったティム・ロスに拍手を送りたい。恋心を抱いても結局下船できなかった彼に、勇気がないという見方もできれば、世俗に染まらずに済んだという安心も感じます。きっと実社会にも"Nineteen hundred"のように、誰にも知られずにこの世を去った”稀代の天才”が多くいると思いました。 [地上波(字幕)] 9点(2005-06-25 01:16:48)(良:1票) |
7. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 カッコイイ!カッコ良すぎるっ!『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』でクリント・イーストウッドのネタがありましたが、納得です!ウエスタンと言えば、保安官が悪党と対決ものというイメージがありましたが、これは賞金稼ぎと賞金首との戦いだったのですね。敵地に潜入して機会をうかがったり、正体がバレてボコられたり、脚本も飽きさせてくれませんでした。銃撃シーンの魅せ方もああいう手法があったんですね~! [DVD(字幕)] 8点(2005-06-24 18:11:26) |
8. スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
SF時代劇冒険活劇ですね。人間以外、オールCG映画だったのが残念でした。どうしても役者の演技までCG加工されているように見えてしまいます。物議をかもし出している画像ですが、最初から最後まで薄暗くくすんだ感じは1939年を再現しようとした狙いなんだと思いますが、光と影の調和が僕には性に合わず、くすんだ印象を受けました。何よりも、ロボットやレーザーガンが出てくることに、何ら好奇心や恐怖を感じない登場人物たちに感情移入できませんでした。同じ時代劇活劇なら、『ワイルド・ワイルド・ウェスト』の方が面白かったです。ボケとツッコミに満ちた脚本は評価しておきたいので1点おまけしておきます。 [DVD(吹替)] 4点(2005-06-20 19:27:58) |
9. リバイアサン(1989)
けっこう面白かったです。女社長を殴ったシーンが良かったことと、ボーマンのおっぱいが大きかったことしか記憶がありません。 [地上波(吹替)] 6点(2005-06-19 10:28:56) |
10. 自転車泥棒
《ネタバレ》 戦後の高失業率の中で作られた映画ですが、これは息を呑みました。自転車を探すのを諦め、子供にピザを食べさせる件、一度は諦めがついたかに見せといて、アントニオに悪戯に希望を持たせておいてバッドエンディング(おいおい、そりゃないよ!)。たかが自転車なんですけど、一家の主たるアントニオの焦燥が息子ブルーノへの八つ当たりや教会での追いかけっこでヒシヒシと伝わってきます。今の時代から見れば、取るに足らない、大した仕事ではないんだけど、アントニオにとっては、一家を支える、やっと手にした大切な大切な仕事。家族を養う責任を負った人間が観れば、胸につまされる、哀しい映画であることは言うに及びません。現代だったら、「あっ、携帯電話なくしちゃった!どうしよう…」って騒ぐところですね。違った見方をすれば、”文明の利器に振り回されること”がこの映画で訴えたかったテーマなのかもしれません。 [DVD(字幕)] 9点(2005-05-30 23:36:22) |