1. 2人のローマ教皇
バチカンも権力と対立の世界の縮図に過ぎないというテーマで、同じようにバチカンのタブーに触れたゴッドファーザーパート3の時は波紋しか生まなかったが、今回の許容は時代が変わったんだなと思わされる。ローマ教皇の「人間宣言」的な意味で金字塔になるだろう。正反対のキャラクターを持った2人の教皇を実話を基にタブーなく描き、コメディ要素を含む軽快なノリで全く予備知識がなくてもバチカンのシステムや雰囲気や歴史をつかめる。予備知識を得るには下手なドキュメンタリーより良質な作品 [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-13 13:57:30) |
2. みんな元気(2009)
ドラマのテーマは非常に良くわかるのですが、これに感銘を受けられるほどまだ私も大人ではないようです。この違和感はアメリカと日本の家族性の違いによるものか、あるいは単に私がまだ幼いのか。もう少し歳をとってから見直したい [DVD(字幕)] 6点(2012-03-11 06:57:34) |
3. クィーン
ダイアナ妃事故死事件の際の実話を元に英国立憲君主制における君主、政治、マスコミ、国民の関係性を描いた社会派作品。と文字にしたらいかにもお堅そうな映画だが、冒頭いきなり寝室で普通に眠る女王の生活感あふれるシーンがあることからも分かるように、王室の「人間」性(「人間性」ではなく)という視点がよく描かれていることがこの映画の魅力だ。確かに英国王室も女王も首相もダイアナも、我々が知ってるのは人物ではなく「像」である。一面では虚像でもあるそれを、王室の生活の描写というある意味タブーを犯して1人の人間(人物)単位で描いた愉しい映画である。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-06 23:07:38) |
4. ホテル・ルワンダ
ルワンダ大虐殺を扱った映画だが同じ題材のルワンダの涙と比較すると残酷な表現などが抑えられ、更にプロットに拘っているため(映画として観やすくはなっているが)やや閉鎖的な視点な感がある。ルワンダの涙を見て大きな概要を理解した上でこれを見るとなおわかりやすいと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-30 18:40:19) |
5. ヒトラー 最期の12日間
ヒトラーの最後については全く詳しくなかったので、単なる伝記として評価し辛い所はある。ヒトラーの理論というものは正直言ってごもっともなことが多く、弁護士にでもなればかなり有能だったのではと思うが、なぜユダヤ人虐殺のような極論に走ってしまったのか残念でならない。ヨーロッパではこのようなことを言うだけで罪になるらしい。そのようなことも全く異常であるとしか言いようが無く(ハリウッドにも大勢居るが地位を得たユダヤ人によるヒトラーの逆虐待と言える)、その意味ではヒトラーを人間的に捉えたこの映画は価値のあるものなのかもしれない。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-15 16:26:13) |
6. ギャング・オブ・ニューヨーク
いよいよ盛り上がってきて復讐を遂げる決戦って時に突然史実と絡めてスコセッシらしいいつものハードボイルドでまとめてしまった。せっかく結構楽しんでたのに拍子抜けの消化不良以外の何者でもない。アカデミー賞10部門ノミネート受賞0が示す通り「大方はいいけどどこかどこか抜けてる」映画。スコセッシはハードボイルドを捨てさえすれば案外簡単に監督賞取れたりするんじゃないの。 [地上波(吹替)] 6点(2006-01-05 01:13:54) |
7. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
映画が民衆にとって娯楽の王様だった時代から、次第にテレビ他に移り変わっていく時代の流れを、昔ながらの親父のような近所のおじさんと悪ガキの人間ドラマを交えて描く。過去の大作やスターが所々に登場するのは映画ファンにはうれしい。長すぎて完成度がイマイチだったが、こち亀風味(実際かつての映画館に纏わる似たような話は取り上げている)の良いノスタルジックムービーだった。涙を誘うための演出やストーリーも練りに練られ、涙する映画が好きな人には最高傑作になりうると言ってよい。なのだが完全版はあまりにも冗長でストーリーに集中できない。ノーカット完全版が必ずしも良いとは限らないと実感させてくれた映画。これから見る人はノーマルバージョンを見たほうが良いでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2005-08-29 09:06:40) |