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コメント数 116
性別 男性
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1.  宇宙人王(ワン)さんとの遭遇 《ネタバレ》 
鑑賞後、本作を振り返り、とても良く考えられ、練られた内容である事に気が付きました。(自分なりに) 普段からよく映画を観ている人は、途中ワンさんへの拷問が始まる辺りから、『オチ』を詮索し始めるんではないでしょうか?ここまでの展開から察するに、よほどひっくり返さないか、よほどあらぬ方向へ話が向かわない限り、オチは2つに1つ。ワンさんが本当の事を言っているか、それとも嘘をついているか、だと考えられます。事実、そのオチはぼくの予想出来た範囲のものだったんですが、そんな予見出来る範囲の幅が狭い話だからって、本作の『質』には何ら影響を与えません。ぼく自身、予見出来たラストなのに、ワンさんの『あの』ラストの言葉にドン底へ突き落とされてしまったワケなんです。それは何故か?ワンさんが地球へやって来た理由です。「人類と親交を深める為」何度同じ質問をされてもこうとしか答えません。観客はもしかしたら本当なのでは?と思い始め、次第に何故この政府の人は信じないのか?と逆に疑問と不快感を抱き始めます。その代弁者が通訳の彼女です。中盤、彼女は電話を探しに施設を捜索します。観客はその彼女へ感情移入し、彼女目線のサスペンス展開が始まります。観客はここで完全に施設側の人間が敵だと刷り込まれてしまいます。もうこの辺りで最初に抱いた『予想』はすっかり頭の片隅です。そしてワンさんと脱出します。階段を上れないワンさんに、その容姿に少なからず嫌悪を覚えていた彼女が進んで手を差し伸べるシーン…。もう完璧にやられました。人は目や耳にした情報(噂やカタログスペック等)にとても感化されやすい。とても見事なミスリードだったと思います。そして『あの』ラストシーンへ持って行くんだから、この演出をした監督サンは素晴らしい手腕だと思います。ムッキー!!アイツ憎たらしー!くやしー!そんなワケで、これをハリウッド一流スタッフでリメイクしたら、すんばらしい一級SFサスペンスに化けるんではないかと、実は期待したりしてます。そしてセットやCGに大金注ぎ込んでつまらない映画撮ってるハリウッド関係者はこちらを見習いなさい。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-24 20:22:00)(良:2票)
2.  フェノミナ 《ネタバレ》 
一匹のハエを従えて、殺人鬼を探す美少女。『ESP』。虫と意思疎通が出来、操るとまではいかないが、その設定が素晴らしい。ハエが道案内する様に先を飛び、OPの空き家を見つけ、ジェニファーの元へ戻ってくるこのシーンが大好き。兎に角ジェニファーが演じる『ジェニファー』に尽きる映画だ。当時14歳という、あどけない美しさが画面から溢れんばかりの魅力。一目見て現在のジェニファーの面影を残していて、大女優の片鱗を感じさせる大人びた雰囲気。前半の夢遊病による演出により、やはりどこか一味違う独特の世界観なのかとも思ったが、中盤からにかけての誰が殺人鬼なのか?というサスペンスフルな展開は目が離せずに見事な演出。OPの空き家でジェニファーが丸めた紙を見つけて見上げる構図とアングルはお見事で、カプコンの『バイオハザード』での印象的な数々のアングルの先駆け的であり、まさにお手本にしたと思えるシーンだ。ゴブリンによる音楽は正直、独特過ぎで各シーンにおいて「寿司にカラシ」といったアンバランス感はあるものの、これも良くも悪くも「唯一無二」のアルジェントだと思えば流石かも?照明を浴びた姿、無数に集まったハエの大群に「愛してるわ、みんな。」と微笑む表情、真っ暗な湖面から顔だけ出したシーンに、炎をバックに湖から上がるその姿を収めた構図はまるで絵画の様に美しく神秘的で、ジェニファーは神々しい。ご主人に刃物は危険だと注意されたチンパンジーが、刃物でご主人の仇をとるラストシーンは皮肉でもあるが、伏線の見本の様にお見事である。このチンパンジー君(ちゃん)にはぜひ主"猿"賞を差し上げたい。ぼくのDVDボックス殿堂入り。 
[DVD(字幕)] 9点(2012-09-22 21:58:48)
3.  ファニーゲーム U.S.A.
「不快極まる映画」そりゃそうでしょう。それが狙いなんでしょうから。「暴力をもって暴力を非難する」救われないこの家族に同情しろと?何を今更。他の類似作やホラー、サスペンス映画で今までどれだけの罪の無い人間が映画の中で殺されてきたか?麻薬、セックスに明け暮れるティーンが殺人鬼に殺されるシーンを見て同情するか?この映画の家族とどう違うのか?犯人である若者2人は他の映画の快楽殺人者と何が違うのか?何も違わないと思う。見ている我々を如何に不快にさせるか、その演出だけだろう。その点がこの映画は非常に優れている。それだけ。僕も含めて他の観客もきっと映画の中で人が余りにも残虐に殺されるのを安易に見過ぎて、見慣れていると思う。命の重さを気にしていないと思う。いや、イイんですよ、映画なんだから。映画だから楽しめばイイじゃないか。僕はそれで良いと思います。それが現実と虚構。虚構なんだからトコトン!不快に不愉快に。現実への警鐘よりも、この虚構はそのコンセプトを100%満たしている。「不快極まる映画」そう思われて100点満点でしょう、この映画は。なのでその道である「不快道」を極めているこの映画には10点以外付けようがないでしょう。「見て後悔した。」なんて言うのは人それぞれの感想ですからね。注・ナオミファンの方々は覚悟の上でご鑑賞下さいね。天国?or地獄?どっちだろうな?僕は五分五分でした。(笑) 
[DVD(字幕)] 10点(2012-06-03 18:58:42)(良:1票)
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