2. ロード・オブ・ザ・リング
ピーター・ジャクソンが映画監督の職業を生かして全世界の「指輪」”ファンにだけ”プレゼントした映画。ある意味では「スター・トレック」がトレッキーなるオタクに向けてだけ発信していたのと同じノリです。原作世界を楽しむ為の「映像ガイド」なんです。最後のサムが水の中に飛び込む・・・これは何でも無い場面に思うかもしれないけれど、それはキャラクターが「人間の場合」であってホビットが泳げない、そして冒険やスリルを好まない(一部の家系を除く)種族であることの説明を省いてしまっている為、文字通りサムが命をかけてフロドを守っているのが一般の映画ファンにはまったく伝わらないのです。こういう残念な部分が少なくないんですよね、この映画。原作に忠実とか言ってるけど本当に忠実なら本編の大半で意味ありげな歌(詩が「マザー・グース」っぽい?違う?)ばっか聴かされてるところですよ。だからピーターのやった事はエライと思います。ガンダルフ役のイアン・マッカランは言うまでもなく原作の挿絵から抜け出たくらいにベストなのですが、サルマン役のクリストファー・リーもガンダルフがやりたかったらしいので、そっちもちょっと観てみたい気がする。こんな事言って満点をつけるのはおかしいかもしれないけれど優秀なガイド、解説者と一緒なら一人で観るより256倍楽しめちゃいます。 10点(2002-10-30 00:57:59) |