1. ラスト サムライ
屋上屋を架すようですが、私も一言。良くできてるなあ、さすがハリウッド映画。顧客満足度はしっかり満たした作りは、お見事です。日本の歴史的事象を背景としたファンタジーとしておもしろく見られました。日本の役者陣が、絵葉書的ジャパニズムから少しでもリアリズムに(と言っても、自分だって明治に生きてるわけじゃないからリアルがなんだか言えたものではないが)引き戻そうと健闘されていた跡が感じ取れました。けれど、いつもながら国家観、戦争観が、エンターテイメントの衣装を着せられて、スペクタクルにされているのは、個人的に、違和感はぬぐえません。特に今は。虐殺のトラウマから飲んだくれていた「キャプテン」も、結局殺戮に駆り立てられていくわけで、ここではいかなる意味づけもむなしい。実際、この映画の中では見事に破綻しています。戦い終わった惨状を見せつけて、やっぱり非人道的ですって、サイン送れば免罪されるものでも無いと思う。人間って(とあえて大上段に振りかぶりますが)どこまで戦争シーン(もしくは戦争そのもの)が好きなんだろう。 7点(2004-05-16 13:26:34) |