1. アルジェの戦い
《ネタバレ》 妻投稿■第2次大戦後世界各国で植民地が独立しましたが、その中でももっとも大規模な独立戦争が起こったのが北アフリカアルジェリアです。(朝鮮半島やベトナムは冷戦の戦争です)。どれくらい凄いのかと言うと、植民地の戦闘が宗主国本土にまで波及して、宗主国の政府がつぶれてしまうくらい(しかも宗主国は国連常任理事国のフランス)凄かったんです。「植民地独立の責任を取って大統領が辞任します」というものではなく、政府そのものがつぶれてしまったんですよ(それがきっかけで第5共和国がフランスに出来ます)。日本ではアルジェリアと言えば某頭突きサッカー選手のルーツという認知度しかないですが、あそこの国は、今、アフリカではリビアと並ぶ長い平均寿命の国でありながら、北アフリカ有数の移民排出国であり、そしてタリバンが子犬くらいに思えるイスラム系山賊武装組織の民間人虐殺が問題になっている場所でもあります。■私は結構アルジェリアと言う国に興味があったのですが、週刊こどもニュースには絶対出てこないし、活字で理解するにも限界があるので、こういう映画に巡り合えた事は本当に幸運でした。■内容は詳しくは伏せておきますが、欧米列強の時代の「白人は有色人種より優秀である」という説の虚構を、もっとも「負」の形で証明した内容になっています。同じ知性とハートを持った人間を人間が無理やり支配する社会だとこーいうーことが起こるんだ…と言う事を、人道的にと言うよりは生物学的に表現しています(第2次大戦後の戦争映画の描き方としては大正解)。全ての人が見るべき映画とは言いませんが(フランス人には勧められない)、人間の生態を研究している宇宙人さんにはお勧めの一本です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2010-10-10 22:14:17) |