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プロフィール
コメント数 284
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/wunderlich/
年齢 43歳
自己紹介 気になった映画をつまみ食い的に見ています。
うだうだと考えるのが趣味です。

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1.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 
この作品は、人形を恋人と勘違いしている変な男の話だと思われているが、そうではない。ラースという心やさしい青年が、かけがえのない人の「死」をどのように受け入れるのかという物語なのである。ラースの母は、ラースを産んだときに亡くなっている。いわば、ラースはかけがえのない母を初めから失った状態で産まれてきたのだ。それは、大切な人を喪失するという体験ができないままに、失ってしまったということを意味する。ラースの兄夫婦に子供が授かり、やさしい義姉の出産が近づくことでラースに変調が訪れるのは、義姉が出産によって死んでしまうという恐ろしさゆえと考えられるだろう。だから、ラースは、人形であるビアンカの死を看取ることによって、たとえ義姉が出産ゆえに亡くなってしまうとしても、受け入れられる自信を得たのではないか。大切な人を愛するということは、その人をいつ失ってしまうだろうかという恐れと隣り合わせである。ラースの愛は、たとえ大切な人が死んでしまったとしても、ラース自身は歩き続けて行けるんだという自信に支えられている。この洞察はものすごく深い。
[映画館(字幕)] 9点(2009-08-10 15:54:24)(良:2票)
2.  死ぬまでにしたい10のこと 《ネタバレ》 
ぐうたら大学生を続けている僕にとって、同じ年代で2人のこどもを育てながら一生懸命に働いている主人公の姿が衝撃的だった。ある意味非常にきつい境遇にあるのに前向きに働いているサラ・ポーリーの姿は、多くの「自分が何をやりたいか分からない」と思っている人に訴えるところがあるように思う。この映画はもちろん一人の若い女性の選択を描いているわけで、多くの人が賛同できるような話ではないかもしれない。けれど、単なる家族を愛する「いい人」という型に縛られず、夫以外の男性と恋愛する「自分」中心の人間観は、既成の道徳を再検討する機会を提供してくれている。「自分」中心の人間観はラストで主人公の死後を描かない点においても貫徹されている。死者を悼むのは残された生者である。悼むのは、死者のためのようでいて、実は生者のためなのだ。死ぬものにとって、自分の死後の事実は分かり得ない。そういう、静かで力強い人間観がこの映画を貫いている。そんなことを感じた。  
8点(2004-08-22 20:04:29)(良:1票)
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