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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1299
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作国 : セルビア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  バーバリアンズ セルビアの若きまなざし 《ネタバレ》 
2008年のコソボ共和国独立宣言の時点で、独立された側のセルビア共和国にいた若者を主人公にした映画である。公式サイトのコメントでは、当時「欧米のリベラル派を中心とした文化人によるセルビア人に対するヘイトクライムが確かに存在」し、「セルビアが世界の孤児にされていた」と書いてあるが、この映画自体にそういう説明はないので背景事情ということである。 原題Varvari(Barbarians)に関しては、この映画では地元サッカーチームのサポーターの呼び名がこれだったようで、そうすると主人公を含むこの連中が野蛮人ということになる。一方で冒頭に出ていた文章は、近代の詩人による「野蛮人を待つ」という詩の一部とのことで、これは為政者が外敵の存在に頼って内政を疎かにすることを表現したものらしい。この映画でいえばセルビア政府がコソボ問題により国民の目を内政から逸らそうとしているという意味になるか。 この当時、政府が国民に独立反対デモへの参加を呼びかけたのが事実とすれば、単に国内の不満を逸らすだけでなく普通に対外アピールの意味もあったのではと思うが、それでも結局はサポーター連中が暴動を起こすのと同じ結果になるようだった。主人公の仲間などはデモに参加する気もなくいきなり掠奪を始めていたが、それが当時現地にいた監督の目に見えた実態だったと思っておく。  主人公のドラマとしては、自分が見た限りでは社会がどうこういうより主人公の個人レベルの問題にしか見えない。邦題では「若きまなざし」などと書いて美化しているが、個人的には特に共感できるものはなかった。荒れてますねと言うしかない。 ただ不満のはけ口を方々に求めても徹底せず、解消の手がかりもないのはやはり社会の問題と解すべきか。公式サイトによれば出演者は現地の不良少年から選んだそうだが、主人公役と友人役はこの映画に出た後で映像・演技の道に進んだとのことで、少なくとも配給側としてはそういうことに希望を見出したいようだった。 なお人種差別された黒人選手はわりといい奴だったようで、主人公よりよほど円満な家庭だったらしい。どこの国の出身か不明だが、一応平和で安定的な社会に生まれ育ったようではある。  追記:他のレビューサイトに、主人公の人物像と現実のセルビアに関する非常にいい解釈があってなるほどと思った。人々も国々もVarvariだらけだが、袋叩きにされてもとりあえず前を向いていようという意味だったか。
[DVD(字幕)] 5点(2024-10-19 20:33:04)
2.  バルカン・クライシス 《ネタバレ》 
1999年のコソボ紛争に関わる戦争アクション映画である。迫力のある戦闘場面は冒頭のほか後半にまとまっていて、その間は戦いの原因になった現地情勢が紹介される。また全編を通じて、現地の紛争に関するこの映画としての姿勢も表現されている。 副次的要素としてはロシア人とセルビア人のロマンスも入れてある。2人の様子を狙撃手が上から見ていて感想を述べたのと、ラストに出たタクシー運転手の雰囲気はよかった。また人物としてはコソボにいた警察署長が立派だった。 けっこう政治色の濃い映画だが、娯楽映画として単純に見れば悪くなかった。  政治的な面に関しては、冒頭でロシア連邦文化省とセルビア共和国文化情報省のロゴが出るので両政府の支援があったと思われる。IMDbのユーザーレビューを見た限り、英語のわかる人々の間ではプロパガンダ映画と思われているらしい。 この映画での直接の敵は「コソボ解放軍」という実在した武装集団だが、さらにその背後にはなぜかセルビアを目の敵にするNATOがいたことになっている。西側自由世界では常にセルビアやロシアを悪として扱うが、反対側の視野からはこう見えるということだ。一方で味方にもアルバニア人やイスラム教徒を入れることで、そういった人々全部を敵視しているわけではないことも示している。単なるバカ映画ではない。 なおスイスから来た医師がコソボ解放軍に内通していたというのは、この当時からあったとされる臓器売買に加担していた設定と思われる。2008年以降、この臓器売買への疑念が西側世界でも広がったことが製作の背景にあったかも知れない。  ところで味方の8人は、国籍はロシアとセルビアだろうが民族は全員違っていて、ロシア人は主人公だけ、ほかはタタール人・イングーシ人・ベラルーシ人・セルビア人・アルバニア人・ウズベク人とのことだった。あとの1人は不明だったが、これは両親の出身民族が違うなどの理由で特定できず、ソビエト連邦時代ならソビエト人と言えばよかったが、その言い方ができなくなったので不明というしかなかったと思われる。 旧ユーゴスラビアでも民族が特定されない人々をユーゴスラビア人と称したわけだが、それ以外にもさまざまな民族が一つの政治体制のもとで融和して暮らしていたにも関わらず、その体制が崩れて各民族が争い始めたことへの嘆きが物語の背景にあったと思われる。民族不明のソビエト人が昔は平和だったと言っていたのは、旧ユーゴと同様に旧ソ連諸国でも争いが生じているからと思われる。 旧ユーゴでも政治・行政上の区域分けはあったにせよ、実際はその内外で混在していた人々が今は民族単位で線引きされ、結果として人と人の間にも線が引かれて分断されてしまったことが原題で表現されていたと思っておく。娯楽性とメッセージ性を備えた出来のいい映画だと思ったが、劇中武装集団がTOYOTA車を使っていたのが気に障ったので報復として点数は低くする。
[インターネット(字幕)] 3点(2024-07-13 10:00:17)
3.  セルビア・クライシス 《ネタバレ》 
第一次世界大戦の開戦から「大撤退」(The Great Retreat)に至るセルビア王国の戦いの映画である。序盤は迫力のある戦闘場面だが、後は退却ばかりで最後は八甲田山のようになり、戦争映画としての価値は何ともいえない。しかしやたら多数の国が参戦した第一次大戦が、もともとオーストリア対セルビアの戦いだったことを思い知らされるとはいえる。 原作付きの映画であり、公開後にはTVドラマ(11回)も放映されたそうで、映画はその総集編というか予告編のようでもある。最初は勝っていたのに何で敗走しているのか、台詞に説明は入っていたが急展開すぎて感覚的につながらず、また登場人物のドラマも断片的でわけがわからなくなっている。なお軍隊に同行した少年が実在の人物(1906-1993)というのは少し驚かされる。 物語としては、国王が戴冠式で誓った通りにできているかを元首として常に内省する姿を映している。またそれとは別に人として「私も何か役に立ちたい」と言っていたのは共感できる。「この本が役に立ってよかった」というのもいい台詞だった。 映像的にはプリズレンの城塞(現コソボ共和国)と、最後の軍艦4隻の端正な姿が目を引いた。防護巡洋艦のようだが実在したものかは不明だった。  ところで娯楽以外で何か政治的な意味がこの映画にあるかに関して、まず物語中に愛国心は感じられるが特に拡張主義的な主張があるようには見えない。この大戦では国王が味方につけた連合国側が勝ったことで、戦後はセルビアを中心にして周辺地域や国を統合した南スラブ人の王国ができ(1929以降はユーゴスラビア王国)、王国としては領土拡大を果たしたことになる。これはそもそも大戦のきっかけを作った大セルビア主義の立場からも歓迎されたとのことだが、しかしこの映画ではそこまで範囲を広げておらず、あくまでセルビアの枠内にとどめた形で作っている(ただしコソボはセルビアに含めている)。 それよりは当時の国王が元首として、また人としていかにまともだったかをアピールしていたように見える。このことに関しては現在、主人公の曾孫に当たる人物がセルビア国内に住んでいて、セルビアでの立憲君主制復活を提案しているとのことである。地元週刊誌Libertateaのインタビュー(2022.3.5)では「ノルウェー・スウェーデン・イギリス・日本・カナダといった高いレベルの民主主義、人権と自由、社会正義を備えた国でも立憲議会君主制が採用されていて、セルビアでも役立つ可能性がある」と語り、その上で、立憲君主というのは民主主義・継続性・安定性・統一の保証人であり、政治・宗教その他に関係なく全ての国民のためにいる、といった、この映画のテーマにつながりそうな記事にまとめてあった。 現地の世論調査(2013と2021)でも議会制君主主義は評判が悪くないようで、そういった世相を背景に、いわば立憲君主制の意義を訴えた映画のようにも取れる。日本も褒められる側に入っていたようだ(笑)。ちなみに第一次大戦で日本はセルビアの味方だった。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-07-13 10:00:13)
4.  セルビアン・フィルム 《ネタバレ》 
意外にまともな映画だった。場所はセルビア共和国の首都ベオグラードで、船が通っていたのはドナウ川と思われる。 過激な映像表現で有名な映画だが、今回見たものは各所にボカシが入っているため見ていられないほどの場面はない。そもそも映画であるからには本当に残酷なことをやってはいないわけで(多分)、例えば人の首を切断する場面でも、本当に人の首を切るわけはない(多分)のでボカシ自体に意味がないともいえる。 また例えばローティーンの少女(ローティーンに見える演者)に手を出す場面は作らないなど、映画製作上の通常の倫理規範は遵守していたように見える。少年の尻はちょっと微妙だが。  ところで以前から疑問に思っていたこととして、セルビアは1990年代の旧ユーゴスラビアの紛争を通じて極悪非道の国という印象づけがされてきたが(※図書紹介「戦争広告代理店」)、その上さらにイメージを落とす極悪非道の映画をわざわざ作るのは何でかということだった。しかし今回見たところではいわば開き直りの態度なのかと思った。 劇中の極悪監督のご高説によると犠牲者が苦しむ姿は売り物になるとのことだったが、これは過去セルビアが関わった紛争における西側メディアの報道姿勢への皮肉ではないか。その時期にダークサイドに落ちた?極悪監督は、開き直って犠牲者を売り物にしたフィルムを売りまくって国の経済を支えるとまで言っていたが、しかし結局は国内他者を犠牲にして自分がのし上がろうとしただけで、金で極悪映像を消費する悪魔のような連中の手先になっていたと取れる。 そもそもこの映画自体がそういう悪魔の手先でないのかと疑うことも可能だが、どちらかといえば「幸せなセルビア人家族」を守ろうとした主人公に寄った立場ではなかったか。Web上の記事など見ているとかえってわからなくなるところもあるが、とりあえず自分としてはそのように思っておく。  その他、ポルノ男優というのはセルビアでも褒められない職業のようだったが、主人公は業務上で自由意思の成人女性だけを相手にし、新生児ポルノを嫌悪していたのでまともな人間だったと思われる。ただし2020年代の西側自由世界の多様性志向が強まっていくと、どんな性的嗜好(※性的指向でなく)もノーマルで正当な存在意義を持つなどという話になりそうで、劇中スタッフを異常者と罵ることもできなくなるかと思うと恐ろしい。とりあえず死体を見るといきなりパンツを下ろす連中は何とかしてもらいたい。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-07-13 10:00:11)
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