1. マルホランド・ドライブ
一言で、観る映画というより感じる映画ではないでしょうか。夢やデジャヴュの中に眠る深層心理が点から線になるという納得があります。感想は十人十色と思いますが、むきにならず、受け身で観ましょう。感動すると思います。「あなたを好きな16の理由」という挿入歌が何ともオールディーズで良かったです。 9点(2004-06-07 00:48:26)(良:1票) |
2. 黄泉がえり
《ネタバレ》 酷評とボロ泣き、こんなに感想が両極端な映画も珍しい。 私の点数は辛目です。 草彅君の演技はもう見ちゃおれん状態、RUI(柴咲コウ)のコンサートシーンは15分ぐらいあって長すぎでしょうあれは。 事情はあると思いますが(笑)我慢の限界に迫る方々は早送りをお薦めします。 それに哀川翔の、あの倒れるときの演技、、、なんすかあれ。 ブレイクダンスかドリフのコントみたいですね。 あれはやり直しさせないほうが悪いですね。 しかし裏点数なるものを点けるなら、これは8点としたいのです。 死んだ人にもう一度会いたいという願望は、身内や愛する人を失った人ならだれでも多少はあるはず。その気持ちを増幅させてくれるような気がします。 哀川翔のキョトンとした表情、すぐ把握できてないという感覚は表現されてましたしね。 要するに題材そのものが高得点ということになりました。 監督が違えば、或いは主役級を一新してリメイクすれば、こんなものでは終わらないでしょう。 そういう意味ではもったいないので、是非パート2的なもので挽回してもらいたいと思います。 田中邦衛や伊藤美咲の自然な演技で何とかなったかなという気はします。 そこで私のリメイク案は・・・ 主演はどうしてもスマップを使いたいなら稲垣吾郎君、ちゃんとした俳優なら、中井貴一とか。 脇は黒木瞳や鈴木京香、永島暎子など演技派や正統派で本編より年齢層を僅かに上げたほうが良いかもしれません。 ただ「サトラレ」には完敗した作品だと思います。 4点(2004-06-03 19:00:26)(良:1票) |
3. レ・ミゼラブル(2012)
《ネタバレ》 ヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイは歌唱が思ったより上手で驚きました。 それよりもマリウス達が仲間と決起するシーンでは全員が上手と思います。 歌がアフレコではなく、生録りと言っているように演者の感情が息使いにまで出ていて、表現力も高まっていると思います。 アフレコなら、もっと上手に歌っているように観えるかもしれませんが、私はこういうほうが良いと思います。 ラッセル・クロウは何故あの役を得たんだろう?と疑問は残りますが、まぁ頑張ってたから良いか・・程度です。 発声など専門的な知識を持つ人なら良し悪しは説明できると思いますが、私が思うに「ありゃないわ」ですかね。 もっと太いバリトンでグイグイ押して欲しかったし、何よりビブラートが足りないと思いますが如何でしょう? あと、売春宿の場面はもう少し短くても良いと思います。 総じて見て、大変良い映画だと思います。 観客も年齢層が高めに思えたのですが、やはり原作に関心があって観に来た人達が多いように思いました。 [映画館(字幕)] 8点(2012-12-21 17:04:38)(良:1票) |
4. おばあちゃんの家
最後のテロップ、「 すべてのおばあちゃんに捧げます 」は「 すべての外祖母に捧げます 」と書かれています。 要するに「母方の祖母」にスポットを中てたかったのでしょう。 韓国では母方の実家へ遊びに行った時は「 ズボンを頭から被って大の字で寝転んでいても文句は言われない 」と言うそうです。 それぐらい横着い事をしても叱られないという意味ですし、酔っ払おうが何をしようがお構いなしという意味で。 父方の祖母と 「母方の祖母」とは微妙に違いますが、僕も考えてみたら「母方の祖母のほうが愛情が強いのではないか」 と思えたりもするんですよね。 だからこの最後のテロップは必要だったと思います。 私は30過ぎて外祖母と会いましたが、やはり終始ニコニコして何一つ文句を言わない人でした。私と家族の口論さえ微笑ましいと見守ってくれていました。 家内もやはり自分の外祖母に会いに行った幼い頃、いつまでも手を振り続ける姿に泣き続けたそうです。 もう、あきませんわ。こんな映画。二人ともドロドロ、妻は大泣き。 全ての外祖母が一気に天国から団体で降りてきたんじゃないかと思える作品、お涙頂戴では無く、サラリとした質感の漂う作品です。 そんな経験が無い人でもみんなサンウになって鑑賞されたのではないでしょうか。 「おばあちゃん、あの時ごめんよ!」って泣いたと思えてしょうがないです。 [DVD(字幕)] 8点(2004-06-11 02:14:53)(良:1票) |
5. 友へ チング
観た後、釜山の知人に色々聞きました。 まだ貧富の差が今より激しかった頃の話で、あの時代に同じ年齢層だった人、またその親たちが年老いて生きている。 その彼等が映画館に足を運び、老いも若きも皆涙したそうです。 それだけ生活感、密着感があったのでしょう。 釜山訛りが強いので標準語の字幕が付いていた作品でもあります。 他地方の人には細部のニュアンスが捉え辛いからと言う事で。 ヤクザ映画になった面は仕方ないです。実在の人物がヤクザになった物語なのですから。 それが監督の実体験であり原作であるという点も話題になった作品です。 作品として、実録として作られたであろう事が伝わってきます。 最後の刺殺現場は住所も実在し、ジュンソクも監督のチングで、まだ服役中です。 ちなみに山口県でも「ちんぐう」という言葉がありますが、やはり「マブダチ」の意味だそうです。 県内の人たちも韓国から来た言葉と知っているそうです。 「チング同士にゴメンなんてあらへん」という言葉、最高の言葉だと思いました。 そうも行かないところを、俺らもそうあるべきなんだという思いでいっぱいになり胸が詰まりました。 ウォン・ビンやペ・ヨンジュンよりもチャン・ドンゴンが格上だという現地の意見も興味深くあります。 8点(2004-06-12 03:58:17)(良:1票) |
6. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
27年経ちましたか。 第一作を彼女と観に行ったのは19才でした。 そして今、時系列は上手く纏めたと思います。 この物語の素晴らしいところは 「遠い昔」 の出来事ということではないでしょうか。 未来では無いんですよね。 ルーカスのライフワークであった事も素直に受け入れることが出来ますし、情熱も伝わってきます。 これは遠い昔に、銀河の遥か彼方で起こった歴史の一コマなんです。 これが凄いんですわ。 賢明な諸兄の中にはストーリーの「矛盾点」を突くことに余念が無い方々も周りに居ますが、僕はこれで良いと思っています。 親子で夢中になれる映画なんて、うちでは「十戒」と「マトリックス」ぐらいですし。 息子は僕が初回作を観た年齢になろうとしています。「フォース」というセリフが初回作では「理力」という翻訳だったというのを知っている方々もみえるでしょうね。 いつから「フォース」一本になったんだろう。 ま、よしとしよ。 [映画館(字幕)] 9点(2005-08-25 03:07:01)(良:1票) |
7. AIKI/アイキ
《ネタバレ》 自分はならないというのは保障されない話で、いつ自分が身体障害を負うか誰にも予期できません。 主人公は自殺まで計画しますが、小さな波紋が彼を勇気付け現実を受け入れて立ち直る過程を面白く、且つ感動的に描きました。 デンマーク人身障者の実話で、日々感じる劣等感や性機能の喪失などの描写も本人の希望だったそうです。 今まで感じることの無かった差別の中で合気道と出会い、心の平穏と豊かさを結実させるプロセスを真実味豊かに描写しています。 僕は脇役・ともさかりえがあまり好きでは無かったのですが、認識が一変しました。上手です。 コミックタッチな部分はありますが許せる範囲で仕上げられています。 途中から登場するG・リトリーバーの仔犬が太一のパートナーとして成犬に至る過程も微笑ましく、愛くるしいショットが多数織り込まれてます。 石橋凌演じる合気道師範代は、大変頼り甲斐があり野に眠る達人の存在感や人間愛に溢れています。 7点(2004-06-03 18:55:18)(良:1票) |