1. 世界の中心で、愛をさけぶ
《ネタバレ》 自分が歪んだ、嫌な人間だと自覚させられる映画。その意味であんがと!劇場でのしんみりした空気の中で声を噛み殺して笑うこと数回。「台風来てるのに、体育館施錠してないの?理科室は危険な薬品あるのに簡単に侵入できるの?」そして、笑いのピークは、坊主になった長澤の姿と、一緒に見に行った坊主頭(?)の友人の姿が重なり合い、口からヒィヒィ息が漏れました。なんとも不謹慎。筋は結構ベタ、『いちご同盟』やcannaの『約束の場所』を思い出す。斜に構えて見過ぎたかもしれんが、製作者がガラス玉を必死に磨いて「どう、綺麗な宝石でしょ」と言ってる感じ。確かにその恋は綺麗に見えるかもしれない。しかし、純愛をアピールするために登場人物はあれこれと都合よく動きすぎだろ。登場人物の人間性が物語を作っているのではなく、純愛という美談風の物語を構成するために人物が動いている。少女・律子の渡せなかったテープ、足に残る後遺症というエピソードは、脚本家による悲劇性の演出があまりにもあざとすぎる。高校生二人の死を抱えた恋愛も、極限状態故のヒロイズムだ。結局、「死を以て美談とす」てか。ラストもタイトルを利かせたいんだなぁ、と。映画プロモーションとして柴咲は必要不可欠であったのだろうが、結局彼女演じる律子が物語を薄っぺらいものにしている。むしろ、主人公の成長に関わる立場の山崎さん家の努君のかつての恋にもっと重点を置いて欲しかった。長くなったが、朔太郎の今後に幸せな未來があればいいよね。長澤の演技を加味して4.5点という具合。 4点(2004-07-15 01:11:50)(良:3票) |
2. 北京原人 Who are you?
SFやラブストーリー、冒険ものやパニックものなど、さまざまな要素をこれでもかと詰め込んだ不条理コメディの大作。日本にこういうユーモアを解する監督がいることに非常にびっくらこいた。 [ビデオ(邦画)] 3点(2004-06-05 01:28:26)(笑:2票) |
3. エリザベスタウン
《ネタバレ》 男目線の映画だと思う。仕事で大きなミスを犯し、その上愛する父を失った青年の痛んだ心を癒してくれるのは完全なる味方としての一人の女性である。彼女は彼を励ます、皮肉も言わない、笑顔が最高に素敵だ、男の妄想の産物としてしか存在し得ないはずの女。女は男に一目惚れをし、男は少しずつ恋に落ちる、この恋愛の構造がまさに男にとって都合が良い。この恋愛は女が男のためにいろいろと尽くす恋愛である。私には女が二人の出会いの場面で男のルックス以外のどこに惹かれたのかかがイマイチわからなかったが、何にせよ、女は男を愛し、絶対的な支持者として見守るのだ。しかし、この女の都合の良さが映画からリアリティを削ぎ、映画をちぐはぐさせてしまう。後半のロードムービー的な部分は男が女の殻(男が生まれ変わったと捉えるならば、第二の子宮といっても良いだろう)に包まれたまま、女の演出によって人生のどん底から這い上がっていく姿が描かれる。これは「優しさ」の物語だ。しかし、この女はあまりに優しすぎるが故に物語の中で浮いた存在となってしまっている。旅で流れる音楽やアメリカの南部の景色は美しいが、そこで描かれる男の葛藤は女の旅へのくど過ぎる演出によって取って付けたようなお粗末な代物にしか映らない。女のくどさが男の再生という一つの主題をぶち壊して映画をただのラブコメ(ラブコメ否定では無い)にしてしまっている。はははん。 [試写会(字幕)] 6点(2005-11-06 23:28:25)(良:2票) |
4. めぐりあう時間たち
《ネタバレ》 この映画を観終わった後、価値観の転換に迫られるようなことはない。しかし、上手い映画だと思う。まず演技。三人の女優から子役まで俳優陣の演技はしっかりとして見応えがあります。中でもローラ・ブラウンを演じたジュリアン・ムーアは静寂が孕む危うさを自然に演じている。彼女の生きながら死んでいるというような、その悲しい表情は夫の与えてくれる幸福には満たされない不幸な女性像をよりリアルに際立たせている。そして、異なる三つの時代を生きた三人の女性の、人生の1ページを『ダロウェイ夫人』を軸に上手く絡み合わせ、そして切り取った脚本が素晴らしい。花や目覚め女同士のキスなど時代を越えて三つの物語は交差する。伏線を示してはいるものの、物語がつながる、二人の女性が出会う場面はやはり驚かされる。愛する者と愛される者、死を選ぶ者と残される者、そして死と生の対比が、抑えながら描かれている映画。この作品自体が観る者に一つのテーマを投げかけるのではなく、観る者がそれぞれ感じ取るという形の映画であると思う。演技や脚本という器としてはよく出来ている。器の中身となるのは観る者自身を映したものだろう。 6点(2004-06-17 02:50:05)(良:1票) |
5. 都会のアリス
物語は結末も含めてありがちな設定である。しかし、観ていて飽きない。なぜか?それはこの映画が独特の雰囲気を持っているからである。その雰囲気とはどういうものか、それは私にとってとても曖昧なものである。上空からの眺め、ケーブルカー(?)、車から見えるドイツの街並、フェリーと水面、そういった風景群が体の中にスッと入ってくるとでも言おうか。言葉では説明しづらい。確実に言えることは、私はこの映画に対してとても素直な気持ちでいれるということである。個人的に時間をおいてまた観直す必要有。 7点(2004-09-02 23:22:13)(良:1票) |
6. サイダーハウス・ルール
血のつながりよりも心のつながり。 7点(2004-08-17 12:13:49)(良:1票) |
7. マトリックス
クソゲーみたいな設定。中身がないっていうか、人間らしさがないっていうか…まぁ、とにかく映画はCG技術だけを競う場ではないとは思う。 2点(2004-06-20 03:08:08)(良:1票) |
8. レザボア・ドッグス
かっくいいよぅ!あそこまで人を信じられることが羨ましい。 8点(2004-08-25 02:21:20)(良:1票) |
9. 靴をなくした天使
《ネタバレ》 高校時代に感動して何度も見た。初めて泣かされた映画かも…思い出プラスで10点です。とにかくダスティン・ホフマンがいい!シンデレラのパロディーのストーリーもわかりやすいく飽きない。この映画を見て真実って何個もあるんだなぁ、と考えさせられたような気がする。 10点(2004-06-10 20:57:13)(良:1票) |
10. イージー・ライダー
《ネタバレ》 虚無感いっぱいの映画。「アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ」という台詞はベトナム戦争への皮肉か?娼館の「人の価値は棺を覆って初めて定まる」の文字に対して、棺の中に入らずに、道路脇で火葬したジョージの映像を入れるシーンはうまいね。主人公達が社会に対してムーブメントを起こさず、ただただ体制を拒否し、そして、虫けらのごとく殺される、そんなどうしようもなくあっけない生を描いたことが本作の最大の魅力であると思う。 8点(2004-07-07 23:46:45)(良:1票) |