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プロフィール
コメント数 6
性別 男性
自己紹介 1960年代半ばから洋画を観続けています。およそ1,000本位は広範に観ていますしDVDも厳選して500枚以上所有しています。基本的には余りにも投稿の多い作品は避けて書きます。思っている事が言い尽くされているのとあまり知られていない作品を紹介したいからです。尚、観る時は作品の良い点を見出そうと何度も鑑賞しますので点数はどうしても高くなります(例外はありますが)。

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1.  フェイク
興行収入を上げる為であろうが殆どの邦題が原題からかけ離れており残念至極。本作品は[DONNIE BRASCO]であってそこに意味がある。ではこれが意味するところは何であろうか?原作者がJ.ピストーネだからだけではあるまい。制作者サイドに立脚して考察したい。潜入捜査官であるジョー=ドニー(デップ)は職務とはいえ極めて苦悩したことが映画の冒頭とラストで見せるアップの表情だけでもよく解る。冒頭ではコントラストの強いモノトーンで眼光鋭く、これから臨む命懸けの潜入捜査への緊張感と決意が表現されている。対してラストでは生涯忘却し得ぬ自己嫌悪をも含んだ疲れ果てた虚ろで生気のない表情である。愛妻や愛娘達との団欒生活を犠牲にしたばかりかレフティ(パチーノ)の無辜なる信頼を残酷に裏切ってまでも、よくぞ精神に異常を来さず重責を果たし終えたと驚嘆する一人の男の苦しみの物語なのである。原題には必然性がある。皆さんパチーノの入神の演技を絶賛しているが全く同感である。視点を変えよう。ドニーがマフィアの中で冷静な男を装いながらも心中では煩悶する相手役になる男優は他にいるだろうか?あの哀愁を漂わせ憂えをおびた目の持ち主は?パチーノしかいないのである。初主演作「哀しみの街かど」で既に悲哀を表現している。だからこそデップの表情も生きているのだ。一見無表情のようだが、よく観察すると身元がばれないように常に緊張し怯えている事が解る。これは実話なのである。それを研究せずに役作りするほどデップは大根役者ではない。『シザーハンズ』一つを例にしても納得がいく。字数制限のせいで話題は飛ぶが、レフティは「お前だから許せる」とは言っていない。「たとえお前が誰になったとしても・・・俺は『お前』だったことが嬉しい」と言っている。字幕翻訳者が見せ場を作ったのだろうが良いことではないと思う。制作者の意図を曲解することになる。それにしてもメダルの[DEPARTMENT OF JUSTICE]の文字は皮肉そのものである。
[DVD(字幕)] 10点(2007-09-23 03:52:28)(良:2票)
2.  靴をなくした天使
頭が柔らかいと自負している。多くの作品を鑑賞し名作の数々に触れている。また映画は肯定的に観ようという姿勢を貫いているが久々に[鑑賞後の後味]の悪い作品であった。評価が高い故何度も観たが共鳴できない。俳優陣は好きだし持ち味を活かしている。特に苦労人D.ホフマンは円熟の域に達しており情けない男を力まずに好演しているし、A.ガルシアも役柄上、抑制の効いた演技がなかなかである。では何が駄目なのか?それは脚本が不出来だからである。粗雑なのに洒落た風を装っている。メディアによる大衆操作などは遥か昔から続いており特筆すべき事柄でもない。この脚本家の他作品「ブレード・ランナー」にはP.K.ディックの名原作があるし「12モンキーズ」にはC・マルケルの「ラ・ジュテ」という立派な元ネタがある。「許されざる者」はタカ派的で嫌いである。この作品では原案者でもある訳で質の高い脚本家とは評価し得ない。真実が明らかになって然るべき場面が多々あるのに無理矢理に真実を覆い隠す場面が目立ち、苛つく。初見時は素敵なラストへの布石かと思ったが納得のいかない後半・終盤であった。バーニーの人生哲学を肯定する方もいよう。だが御自身がバーニーであったらと置換して欲しい、是非。強く主張したいのだが自分が彼と同じ貧困な境遇にあるならば真実が虚偽に埋もれてしまうのは何としても納得し難い。ババーも極限の決意までしておきながら、(バーニーの説得・交渉があったにせよ)いとも簡単に翻心し、また「演じ続ける」。この先はもう良心の呵責にさいなまれないのだろうか?シニカルなドラマと位置づけられているが充分に練られた脚本ならば不条理な結末でもいいと思える作品は多数ある。しかし皮相的な脚本の基では後味の悪さだけが残ってしまう。“You are welcome(どういたしまして)”の一言で済む問題ではない。バーニーもババーも生き続けていくのだから。更に言えば真実を知ったゲイルは報道の何たるかが解っていない。敢えて良かったと言えるのは息子が真実を知った事だけだと思う。但し嘘ばかりの世の中だからこそ真実の尊さを諭すべきであった。斜めに社会を見る子供を育てては世の中荒廃するばかりである、絶対に。単なるブラック・コメディではないだけに、あのようなまとめ方で終わらせる映画を『粋』だとは言えない。申し訳ないが浅薄な映画である。
[DVD(字幕)] 2点(2007-09-02 19:16:39)(良:1票)

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