1. デスペラード
《ネタバレ》 突っ込みどころ満載の愛すべきお馬鹿映画。なかでも注目なのは、やはり助っ人登場のシーンでしょう。ロケットランチャー発射のあのポーズは、間違いなくこの映画のハイライトです。「あいつらが来たら、この町が吹き飛ぶぜ」などとバンデラスが言ってたにも関わらず、わずか五分くらいでやられるのもご愛嬌。登場から死に様まで、本当に笑わせてくれました。真面目ないい映画を期待してこの映画を見たならば、きっと不快感を覚えるでしょう。しかし、ロケットランチャーのポーズでも分かるように、制作側はわざとふざけてこの映画を撮っています。ツッコミがないから分かりづらいだけなのです。そういったふざけた部分を受け入れる事ができれば、この映画はきっと忘れられなくなるはず。胸を打つような感動が心に残る…、そういった名作ではまったくありませんが、この映画を見たもの同士なら馬鹿話で盛り上がれる、そんな風に心に残る迷作です。 [DVD(吹替)] 7点(2008-07-21 12:39:28)(良:2票) |
2. おいしい殺し方 -A Delicious Way to Kill-
《ネタバレ》 しょうもないことを全力でやってみました、という作品。笑える小ネタのオンパレードで、序盤は非常に笑わせてもらいました。主演三人もいい感じです。ただ、あれを二時間近く続けられるとさすがに辛いです。もうちょっと短くまとめるか、もう少しメインに引きの強いテーマを据えてあったりするとなお良かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2009-11-15 17:55:56)(良:1票) |
3. 機動警察パトレイバー2 the Movie
《ネタバレ》 『機動警察パトレイバー』の劇場版二作目。前作同様、サスペンスとしての物語展開はすごくうまいなと思いました。ふとしたきっかけで、見慣れた街並が戦場に変わる様子も、うまく描かれていると思います。たとえば、街中を往来する戦車に、通学する子供たちが手を振るシーンなんかは、現実にありそうでちょっと恐怖を感じさせられました。こういうのは、アニメーションだからこそ表現できたのだと思います。日本を舞台に実写でやられると、いかにも嘘くさいですからね。でもその"嘘くさい"と感じてしまうところにこそ、この映画が言わんとしている危惧があるのでしょう。ベイブリッジ爆破のシーンは、モロに9.11を思い起こさせますね。前回のサイバーテロといい、未来を予見したかのような作中の事件には、正直びっくりさせらました。ただ、これが『パトレイバー』の劇場版として成功しているかどうかというと、ちょっと疑問です。私は原作をあまり知らないのですが、前回の活躍度合いや、エンドクレジットの掲載順からいうと主人公は野明って女の子ですよね。その子(と相棒の男)が今回はびっくりするくらい活躍してなかったですね。パトレイバーも、申し訳程度に出ていた感じで、正直原作を活かした脚本だとは思えません。原作の熱狂的ファンはどう感じたんでしょうか…。自分には、ちょっと制作者のメッセージが五月蝿かったですね。それを優先するあまり、原作が二の次になってしまっている印象を受けました。前作共々、サスペンス的なつくりは良いのですが、原作を活かしているかの差で、今作7点、前作7.5点、といった感じです。 [DVD(邦画)] 7点(2008-08-05 12:06:15)(良:1票) |
4. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
《ネタバレ》 自分はエヴァ世代ど真ん中ですので(放映当時、主人公達と同じ年齢でした)、はっきり言って思い出補正がかかっていると思います。それでも、今作は誰でも楽しめるエンターテイメント作品に仕上がっていると思いました。正直鑑賞前までは、そこまで期待していませんでした。というのも、TVシリーズと言い、前回の劇場版と言い、中学生当時の純粋な期待は、ことごとく裏切られてきたからです。別に、作品に意図の分かりにくい謎を入れることが悪いと言っているわけではありません。ただ子供心に期待した、誰にでも共感できるようなカタルシスを、表層的にだけでも入れて欲しかったのです。しかし今作は、見始めた途端に、リアルタイムで見ていた頃のワクワク感が止まらなくなりました。健全な心の成長を見せるキャラ、純粋に格好の良い戦闘シーン、そして、力強く意思を示す主人公…。中学生時代に心から見たかったエヴァの姿が、今作の中にはあるかもしれないと思えました。次作も楽しみです。 [映画館(邦画)] 9点(2009-07-02 01:06:56)(良:1票) |
5. アイアン・ジャイアント
《ネタバレ》 ベタベタだけど感動、王道はやっぱり強いです。ただ、最後にロボットが南極かどこかで復活するシーンは個人的には不必要でした。ネジが勝手にどこかに行くシーンで終わっておけばもっとよかった。 [DVD(吹替)] 7点(2009-01-31 17:38:13)(良:1票) |
6. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 アメリカが本気出してパニック映画を撮ったらこうなる、というような作品でした。問題の怪物が現れるまではひどく退屈でしたが、それ以降は退屈することなく見ることが出来ました。これはもう、宣伝を含めた演出の勝利ですね。結論からいえば、ストーリー的にはなんのひねりもないモンスターパニック映画なのですが、それを隠し通した広告の打ち方がまず良かったです。CMも、「なんかわからんけどすごいことが起こってるんだ」と思えましたしね。本編でも、怪物をちょこっとずつ見せていたのが良かったです。チラリズムの応用ですね(笑)最後まで「なんなんだあいつは」と、登場人物と一緒になって驚くことが出来ましたから。ビデオカメラを通した見せ方も、臨場感があって良かったですね。ただ、やっぱり「そこまでしてビデオ撮るか?」というのはちょっと気になってしまいましたね。単なる一般人が、何度殺されかけてもビデオカメラだけは絶対に離さず、ついには殺される瞬間までビデオに収めてしまい、まるで戦場カメラマンばりの使命感を見せてくれました(笑)ただ、映画全体としての出来は良いので、何も考えたくないときに見るには最適でしょう。 [DVD(吹替)] 7点(2008-09-04 23:58:08)(良:1票) |
7. スティング
《ネタバレ》 エンタメの手本のような作品だと思います。導入に仇討ちをもってきて観客を惹き付け、中盤のイカサマポーカーのシーンで観客に手に汗握らせる。そしてラストのどんでん返しでびっくり仰天、ハッピーエンドなので後味もよい素晴らしい作品です。難点は、主人公のキャラが薄いことくらいでしょうか。結果から見れば主人公は、作戦を成功させるためにじつに上手く立ち回っているのですが、あまり活躍したという印象はなかったです。それにしてもラストの何と鮮やかなことか。どうやって相手から大金を騙しとるのだろう、と鑑賞中ずっと疑問に思っていたのですが、ラストのどんでん返しでその疑問が氷解された瞬間は、思わずモニターに向かって拍手を送ってしまったほどです。これが30年前以上の作品ですからね…、すごいの一言です。場面場面で流れる"The Entertainer"もいい味出してますね。前知識がないほど純粋に楽しめる、エンタメの名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-20 16:37:13)(良:1票) |
8. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 くだらなくて笑える、ゾンビ愛にあふれた作品。レコードを投げてゾンビを退治したり、ゾンビの真似をしてゾンビの襲撃を避けたりするなど、阿呆らしさ加減が最高です。もちろんゾンビ映画らしく、エグくてグロいシーンも登場しますが、それほど気にはなりませんでした。主人公はショーンですが、本当の主人公は、ニック・フロスト演じるエドでしょう。それくらい印象に残りました。最初は憎たらしくてしょうがなかったのですが、後半は愛おしさすら覚えるほど。極めつけにあのラストです。ゾンビ化してしまって悲しい結末のはずなのに、なぜか微笑ましくなるような不思議なラストでした。肩の力を抜いて見たい、ゾンビコメディの傑作です。 [DVD(吹替)] 9点(2008-07-21 12:53:52)(良:1票) |
9. 虹の女神 Rainbow Song
《ネタバレ》 ひょんなことから知り合い、距離を縮めていくが、結局微妙な関係のまま終わってしまうふたりのラブストーリー(?)。最初の場面で、ヒロインが死ぬと観客に分からせたのは、個人的には英断だったと思います。山場の場面で主要人物があっさり事故で死ぬと「盛り上げるために殺しちゃったのかな」ってどこかで思ってしまいますから。まぁそういった死ぬ事も含めて、想いの届かないヒロインのせつなさは充分に伝わってきました。ただ、主人公の描き方がまずかったですね。個人的には全然好感が持てませんでした。根は悪い奴ではないんでしょうが、作品を見る限り軽薄な駄目人間ですね。相田翔子のくだりは、主人公の軽率さを強調する結果になってしまいました。じゃあ一体上野樹里は、主人公のどこが好きになったの…?と思っていたら、最後の手紙で「ダメなとこが好き」みたいなことが書いてあって納得。「おまえも駄目ってわかってたんかい」っていう(笑)まぁ現実でも、駄目人間を好きになるっていうのは結構ありますからね。恋愛は理屈じゃない、ある意味リアルだなぁと思いました。上野樹里のせつなさと、劇中の短編映画の意外なブラックさに+1です。 [DVD(邦画)] 6点(2008-07-30 11:58:23)(良:1票) |
10. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 正直、初見ではまったくわけがわかりませんでした。なんだかわけがわからないうちに、終わってしまったという印象です。かといって、何かが心に引っかかり、二度目が見たくなるということもありませんでした。ですので、すぐにネタバレサイトを見たのですが、結局「ふ~ん」という感じでした。夢オチというわかりやすい話を、わざとわかりにくくしている印象です。カウボーイが忠告にくる場面や、ピンクの絵の具を貴金属にかけるシーン等、細かいところでは面白いなと感じた部分もありましたが、大筋では本当に「は?」という感じでした。決して分かりやすい感動や、派手なアクションを求めているわけではありません。ただ、分かる人には分かるのかもしれませんが、こちらも二時間超という時間を代償にして作品を見ているので、ああいう終わり方をされたのでは、本当に突き放された気分になってしまいます。だいたい、作品にネタバレサイトというものが多数存在する事自体がちょっと違うんじゃないかな、と個人的には思いました。つまり、ネタバレされないと理解できる人間が少なかった、しいては、その作品そのものでは、観客を納得させる事ができなかったということの証ですから。 [DVD(字幕)] 3点(2008-07-21 12:21:10)(良:1票) |