1. 姉のいた夏、いない夏
そんなに深刻でもないことを過度に深刻に捉えて、かえって深刻な状況になっていくエロロリ顔の主人公のお話でした。撮影が美しいのが良点かな。 [DVD(字幕)] 4点(2009-11-15 13:39:51) |
2. アンヴィル!夢を諦めきれない男たち
《ネタバレ》 前評判通りの傑作。「何かに夢中になった若い頃」があった大人なら、誰もが楽しめるドキュメンタリーになっているのは、「ヘヴィメタルが大嫌い」というダスティン・ホフマンが絶賛しているだけのこともあって確か。ただHR/HMの知識がそれなりにある人なら、もっと深く楽しめる。前半でメタリカのラーズやモーターヘッドのレミーといったスーパースター達が喋っているのにまず興奮。そして何より元ガンズのスラッシュがアンヴィルの素晴らしさについて語っている姿に、アクセル・ローズとスラッシュの関係と、アンヴィルのリップスとロブの関係を比較せずにはいられない。全世界で一億枚のアルバムを売り、パパラッチに追いかけられ、メンバーが次々と去り、人間不信のあまり引きこもりになったアクセル。冷凍食品の配達の仕事をしながら音楽を続け、応援してくれる家族がいて、全てをさら出し、泣きながら抱き合える親友がいるリップス。幸せって何だろう、成功って何だろう。ちっぽけな会社員である自分も、本当にこれで良かったんだろうか、自分が選択してきた道は正しかったのだろうか、と思うことはよくある。でももし迷いがあるんだったら、「やるしかない!」(追記・LOUDPARKが昼間から人でいっぱいって所が、何だか日本人の律儀さを象徴してたなぁ・・・ ツイステッド・シスターだの、カーマイン・アピスだの、ちょこちょこ出てくるミュージシャンが、かなり豪華で楽しめます) [映画館(字幕)] 10点(2009-11-07 17:24:05) |
3. 穴/HOLES
これは穴ならぬ大穴ですね。面白い! 細かいことはうっちゃって、奇想天外だからこそ面白いファンタジーの真髄が味わえます。シガニーやジョン・ボイトといった名優が出ているんだけど、彼らに引けを取らない子供たちの自然な表情がとても良かった。もうちょっとセットにお金をかけられたら良かったのにね。過去のシーンが遊園地並みなのが気になった。かわいい映画です。 7点(2005-01-15 12:45:14) |
4. “アイデンティティー”
あっはっは~ 騙された! でもちゃ~んと伏線があるし、物語としては破綻していないから、騙された私の負けじゃ。ジョーン・キューザックは、こういう「どっちつかず」なキャラを演じたら天下一品ですね。いいひとなんだか悪いひとなんだか、純粋なのか狡猾なのか、まったく判断つきかねちゃったぜ! 8点(2005-01-03 14:58:59) |
5. アバウト・シュミット
甘っちょろい映画なんじゃないか、コレ? なんと言っても主演があの名優ジャック・ニコルソン。文句無しに上手い! もう最高。加えてキャシー・ベイツが強烈すぎ。そのおかげですごく意味が深い作品に思えてしまうんだけど、その実、適当。うとましいと思っていた妻が死ぬと、妻が愛しくなって急に老け込むオヤジ。娘に疎まれているオヤジ。ありふれてるな~ こんなありふれた設定にわざわざ名優をあててるんだから、何かやらかしてくれるよな・・・・・・・・・・え? 終わり? いや感動されてもこっちは拍子抜けだよ。そんな感じです。 3点(2004-10-03 22:55:56) |
6. 嵐の中で輝いて
駄作評判をふまえていたせいか、面白かったですね。これでもかっっっ! てくらいの劇的状況の連続が妙に古風な盛り上がりぶりで、なんだかもう、戦争どうこうはうっちゃって、ヒロインの強さがまぶしい。メラニー・グリフィス、魅力的でした。マイケル・ダグラスは不要だと思うのですが・・・ なんだかちょこちょこ出て来て格好つけて能書き垂れて・・・これが女がメロメロになる様な超美形俳優が演じているなら判るけど・・・マイケル・ダグラスって所がなんだかいやらしい。もうちょっとリーアム・ニーソンのキャラクターに重きを置いて、あの二人の微妙な駆け引きがもっと見られたら楽しかったのに。残念! 6点(2004-09-27 12:57:24) |
7. アメリカン・スウィートハート
一緒に見ていた旦那曰く「やっぱジュリア・ロバーツは可愛いなぁ~ ゼダと比べると安そうな服やアクセサリーだけど、一番目魅力的だ」。ほうほう、男の人が見るとそうなるんでしょうなぁ。女の私から見ると、本作のジュリアはかなり「あざとい」です。合コンで、酒に弱いコンサバ女を演じて、一番いい男をかっさらっていく計算高い女と同類項です。痩せて眼鏡を取ったら美人・・・・少女漫画ですか? コバルト文庫ですか? それに比べてゼダは良かった。自分で自分のモノマネをしているかのようなオーバーアクションが、かえって潔かったです。ゴージャスもあそこまで行くと、一般人の妬みや嫉みの対象外になってしまい、ただただ感心します。そんな二人に挟まれているわりには、ちっともハンサムに見えないジョン・キューザックの存在は意味不明。ストーリーも意味不明。色んな意味でまとまりのない映画でした。 3点(2004-09-14 09:06:17)(笑:1票) |
8. アモーレス・ペロス
エネルギッシュで、無鉄砲で、痛々しくも愛おしい一話目。年齢的に、立場的に、一番共感してしまった二話目。淋しさが心に滲みる三話目。街で出会う全ての人の背中に、悲しみと愛が詰まっているという当たり前の事を思い出させられる。観客は、犬たちの様に一歩引いて、人間たちの愚かしさを眺める。そのテーマを、面白く感動的に練り上げたストーリーが見事。言葉の羅列ではなく、場面と表情で見せる撮り方もこの映画にしっくりはまっていた。犬を飼う者のひとりとして、犬と人間の関係の描き方にも、とても好感が持てた。残酷なシーンも多いけれど、愛情以上の尊重を感じる。これは相当見事な映画だと思う。年齢の節目ごとに見たい映画。(オクタビオの兄ちゃん、三都主に激似) 10点(2004-04-12 00:47:43)(良:1票) |
9. 悪魔のような女(1955)
《ネタバレ》 50年代のフランス映画を観て、「おもしろい」とか「美しい」とか「素晴らしい」と思う事は多々ある。だが「まじで恐い」と思ったのは初めてです。あのラスト・・・ブルブル・・・ 引き際の鮮やかさは、さすが名匠アンリ・ジョルジュ・クルーゾー。この人の映画は本当にラストが上手い。展開も構図も、今観て「現代的」と思えるほどの素晴らしさです。リメイク版も今度観てみよう。 8点(2004-03-22 21:56:51)(良:1票) |
10. アマロ神父の罪
《ネタバレ》 倫理観と動物としての本能。どちらも本来は美しいものであるべきなのに、それがひとりの人間の中で交差する時、毒が生まれるというテーマは、とても興味深かった。また南米の砂っぽさの中の二人のラブシーンが、とても美しい。ハリウッド映画にはない耽美的な空気があって、揺すぶられるものがある。どんなバイオレンス映画よりも暴力的なラストはショッキングだったけれど、脚本はとても優れていると思う。主演のガエル・ガルシア・ベルナルがハマリ役。アラン・ドロンを彷佛させる容姿も◎。 8点(2004-03-20 18:15:00) |
11. アダプテーション
おもろい! これ、普通の映画だったら、「メリル演じる既婚キャリアウーマンの描き方がなっとらん!」・・・となる所だが、これがハゲ、デブ、もてないと三拍子揃ったチャーリーが描く既婚キャリアウーマンって所がミソ。知的なふりして、実は自分の事しか考えていないオバタリアンで、被害妄想に入らせたら右に出るものなし! む~ マルコビッチであれだけ魅せてくれたコンビ、次はプレッシャーだろうなぁ~ と思いきやこの出来。最高に壊れてますな。ニコラス・ケイジは流石、うまい! あのウェイトレスにふられた時の表情、たまらなく格好悪くて親近感大。実際はもてるだろうに、ああいう微妙な演技は才能だなぁ。 9点(2004-02-29 21:41:33) |
12. アナコンダ
B級もいい所なんだけど、それなりにお金がかかっているし、出演陣も豪華だし、期待してなかった分楽しめました。昔なつかしく感じる程の、王道パニック映画ですね。 6点(2004-01-10 13:27:14) |
13. アンダー・サスピション
《ネタバレ》 (1)「ああそうさそうさ! お前が俺をそんな奴だと思うんだったら、俺はそんな奴なんだろう。でもいいさ、苦しむのは俺だけじゃない。お前もだ!!!」という、倦怠期の夫婦(!?)にありがちな心情を理解出来るかどうかが、この作品を面白いと思えるかどうかの境目でしょう。(2)密室劇に近く、役者の演技力と存在感がモノを言う作品なので、このキャストは最高に贅沢。モニカでの期待を裏切らないアンニュイな美しさは、最高に彼女に似合っていた。彼女にしては露出(エロ)度が少ないところも、かえって神秘性が増して、ドキドキさせてくれる。モーガン・フリーマンの正体不明な上手さは相変わらずだし、老けて粗暴さが抜けて、素敵な老紳士ぶりだったジーン・ハックマンに、改めて名優としての貫禄を感じました。上記の2点のどちらかにでもそそられる人には、面白い映画だと思う。私は両方OKなので、存分に楽しませて貰いました。ただどちらにも興味がない人には、退屈な映画でしょう。主観的に8点です。 8点(2004-01-08 15:43:22)(良:1票) |
14. アレックス
描きたかったことはよくわかる。人生で、ほんの些細な過ちが、大きな悲劇に繋がって、人も神も何もかもが信じられなくなることは、往々にしてあることだと思う。映画のすべてがハッピーエンドでなければならないという法はないし、色調に独特の美学もあった。あの逆まわしは、痛みを想像させる手段としては有効だったと思うし、あの手ブレ映像も、前半は酷く揺れていて、後半は随分落ち着いている事から、マルキュスの精神状態の反映なのかなと思えば納得がいく。だが、エンドロールを最初に持って来たり、キューブリックのポスターを貼ったりしたのは蛇足だ。斬新な(メメントのパクリだといってしまえばそれまでだけど)手法も、微妙なさじ加減がないと、ダサイだけ。またベルッチの非の打ち所のない美貌は、女性が持つ「美」の部分を象徴する様で、シミひとつ見当たらない肉体は、あまりに暗すぎるこの作品を、観賞に堪える映像に仕上げるために不可欠だ。だが相手役がヴァンサン・カセルだと、「露出狂夫婦だねぇ」という感想をついつい持ってしまう。確かにカセルはとても上手い役者さんなんだけど、あの夫婦共演は食傷気味。成功作とは世辞にも言えないが、駄作と言い切るには、なにかえぐられるような痛みを残した存在感だけは立派にあった映画。 6点(2003-12-31 23:28:14) |
15. I am Sam アイ・アム・サム
私は殺人は勿論嫌いです。でも、タランティーノ映画は好きです。幽霊の存在は信じていません。でも、「ゴースト・ニューヨークの幻」は好きです。何故ならそれは映画であり、ひとときの楽しさを与える娯楽であるから。でもこの映画は、「娯楽だから」で割り切れない。虐待や放置が大問題となっている今、センチなお涙頂戴映画で、「七歳児程度の知能しかなくても、子供を育てられる」といい切ってしまうのは、恐ろしい。例えばジム・ジェリダンの「マイ・レフトフット」の描き方と比べると、圧倒的にこの映画の監督の目は甘い。こんな表面だけのつくりで観客が感動すると思ったら、大間違いだ。・・・と散々書いておきながら、つい最期まで画面に釘付けになってしまったのは、ダコタ・ファニングの素晴らしさ! 絵本の中の女の子みたいに可愛くて、強くて、ちゃんと演技している。目の表情がクルクル変わって、愛しくなる。ショーン・ペンは勿論「上手いな」と唸らせる演技なんだけど、それを凌駕してしまうみずみずしさがあった。「名子役」で終わらずに、いい女優さんになってもらいたいです。 4点(2003-12-11 01:13:54)(良:2票) |
16. アメリカン・ヒストリーX
《ネタバレ》 びっくりしました。日本人の私にはいまいちピンと来ない人種差別の問題がよく噛み下されていたし、白人至上主義者は特別な存在ではなく、有色人種に対してほんの少しの反感を持った沢山の人の中から、生まれるべくして生まれたものだということが、よく判りました。知るという事には強い痛みが伴うのですね。デレクではなく弟が死ぬとは・・・衝撃だけど、現実っぽい。弟を殺された後のデレクが、その痛みを乗り越えて、苦労して更正したことを無駄にしないようにしてくれる事を、有色人種の一人として願うばかりです。 9点(2003-09-08 15:09:11) |
17. ある貴婦人の肖像
眠気を誘う映画。ニコールはとても綺麗だけど、あの髪型(髪色も)が何だか馴染まない。キャストはなかなかに豪勢。とりあえず駄作って事で。 2点(2003-07-29 19:12:17) |
18. アメリカン・プレジデント
とりあえず飽きずに最後まで見れたので、そこそこ面白かったということだ。中年男女のラブストーリーなのに、変にいやらしくない所が良い。アメリカ人にとって、大統領はスターなのだと実感。小泉さんも独身だけど、邦画で「日本の大統領」はありえないでしょう。でも、あとに残るものは無い映画。その場限りの娯楽。良い暇つぶし。 6点(2003-07-26 09:53:19)(良:1票) |
19. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 相変わらずのヒュー節ですね(影のある美少年の面影はどこへやら・・・ぶつぶつ)。とても良く出来た話で、随所で笑えたし、ヒューの家のお洒落さとか、マーカス母のヒッピーファッションとか、細部のディテールが印象的。子役の子の微妙なかわいくなさかわいさも良い。でもこういう話の宿命か、最後がしらけるんですよね。皆仲良し、皆はっぴーみたいな。ありきたりっつーか、そつのなさが嫌らしいっていうか。でもヒューが「キリングミーソフトリー」を歌うシーンにはホロリとさせられた。なのでそこそこ高得点。 7点(2003-07-04 12:36:30) |
20. アリゾナ・ドリーム
この映画の絶妙なキャスティングが好きです。若きジョニーはひたすらいい男だし、フェイ・ダナウェーのプッツン中年ぶりも可愛いし、リリー・テイラーはアコーディオンと相まって凄い迫力だし、若きヴィンセント・ギャロもお宝的。そして作品の中を魚の様に漂う退廃的な雰囲気が胸にぐっと来る。人間をとても丁寧に掘り下げて描いていて、きちんと訴えてくるものがある。全体のストーリーより、部分部分のエピソードが良質で、忘れられないシーンを沢山(ネタバレになるので書きませんが!)残してくれる良作です。 9点(2003-06-30 22:05:01) |