1. アフタースクール
《ネタバレ》 ”あゆみ”さんが出てきた時点で、僕はニヤニヤしっぱなしです。まわりの人の気配が気になってしょうがない映画館ではあえて観ず、自室の部屋を暗くして一人で映画の世界に没入して、チョコビスケットとコーヒー牛乳を飲みながらじっくりDVDを鑑賞しようとこの半年間、ガマンし続けてきた僕には、至福の2時間でした。この際、役者さんの演技はどうだっていいんです。内田けんじ監督の巧妙なワナに翻弄されたいんです。序盤の人物紹介を通じて、不倫はいけないこと、ヤクザは恐いヨ(・∀・)という先入観を、単細胞な僕はさんざん植え付けられただけに、3作品連続でダマされました。分かっちゃいるけどやめられない。ダマされたあとの爽快感たるや、剣道の防具を脱いだあとに飲むスポーツドリンクのようなものです。唯一の心残りは、あらすじ投稿を他のレビュワーの方に明け渡したことです。でも、この映画でさらに監督がメジャーになって、熱烈な大ファンの一人としては、自分のことのように嬉しいです。監督、次回作も期待してます!! [DVD(邦画)] 9点(2008-12-04 22:24:26) |
2. アヒルと鴨のコインロッカー
これはすごい。こういう映画は、筋書きについて触れるのは無粋というもの。濱田岳の、わざと下手くそな演技をしてるかのような動揺の仕方が妙に現実的で、観ているこっちは入りやすいです。他の役者の演技が淡白なので、どうかなーと思うものの、瑛太の演技が活き活きとしているので、かえって映えてみえる。謎解き好きな人は必見だと思います。 [DVD(邦画)] 9点(2008-05-07 16:39:09) |
3. 明日の記憶
《ネタバレ》 『痴呆症』が『認知症』という名称に変わりました。蔑視的表現だったからだそうです。これまで、『ボケる』と周りの人間が苦労する、というのがテーマのドラマなり小説が多かったと思います。この映画は、発症した本人の苦悩が主で、違う角度から鑑賞できました。最初、CGによる大都会の映像があり、またデジタルか、とガックリしていたのですが、話が進むにあたり、部下が集まるシーン、陶器を作り上げるシーン、その後のアナログの映像にとても映えていきます。その中でも、香川照之さんの『ポジティブ・シンキング』というセリフがとても胸に響きました。どんどん忘れていくのは恐怖です。だからこそ日記をつけよう、できる何かをしようとするんだと思います。それは決して悪あがきではないんだと思う。渡辺謙さんの落差の激しい喜怒哀楽と、樋口可南子さんの抑えた、しかし芯の強い演技も震えがきました。残念ながらこの病気は治らない。しかし病気を受け容れる勇気、そこから始まる闘い、夫婦愛の素晴らしさみたいなのを感じました。 [DVD(邦画)] 9点(2006-10-22 22:00:32) |
4. アイアンマン
アメコミだし、スーツのガンジョーさへのツッコミはともかくとして、圧倒的なパワーで気分爽快なアイアンマンの動きにしびれました。むかし、うちの近所に『小僧寿し』という寿司専門のお弁当屋さんがありまして、あるときキャンペーンで自分の似顔絵を描いて一番うまい子には、(店の人が段ボールで作った)巨大ロボットをプレゼント!という企画があり、当時ちびっこだった僕たちは、そのカッコイイ巨大ロボット(ただし素材は段ボール)がどうしても欲しくて欲しくてしょうがなく、友だちみんなで鏡を見ながら似顔絵を描いた懐かしい記憶を思い出しました。しっかし、一番最後の記者会見でトニー・スターク社長が言い放った一言は、ヒーローを夢見る男の子にとっては、言いたくて言いたくてしょうがない一言で、非常に共感をもてた(笑)。 [DVD(吹替)] 8点(2009-03-20 06:51:02)(良:2票) |
5. RV
《ネタバレ》 ちょっと序盤はテンポが悪かったけど、中盤からたたみかけるように笑いネタ満載で面白かったです。家族のつながりがテーマであるのは当然のほか、人の親切がどんどん裏目に入っていく様も面白かったです。現状に流されてると、お父さんの良さって気付かないもんなんですね。旅行に行けば家族の輪がつながるとか、安直な発想なんだけど、何もやらないよりはマシなわけで、仕事して給料かせいで家族にいい暮らしをさせてやることが一家の主の存在価値だとしたら、それほど空しいことはない、という展開は考えさせられるものがありました。こういうアホな映画に出てるロビン・ウィリアムスって、好きです。注意:う○こネタがありますので要注意です。 [DVD(吹替)] 8点(2007-10-23 21:07:25)(笑:1票) |
6. アサルト13 要塞警察
特殊部隊の突入の仕方がリアルで、テレビゲームのような銃撃戦がとてもハラハラして面白かった。吹雪の中の攻防戦という設定も閉塞感があって良い。サバイバル・アクションはやっぱこうでなくっちゃ。序盤のイーサン・ホークの切れた演技も新鮮で見どころがありました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-08-22 18:08:01) |
7. アイランド(2005)
《ネタバレ》 SF映画で大事なことって、映像だけでなく『どこまでその世界観にどっぷりハマれるか』にあると思うんです。思うにこの映画、2019年という年代設定もあり、現在の技術でももう少しで届きそうな電車のデザインやセットが現実離れしておらず、スッと物語に入り込めました。これって、けっこう大事なんです。あの、オシッコと一緒に出てくる虫とか、みんな同じ白い服を着てるとか、いろんな小道具を使って楽しませてくれました。管理された社会を最新鋭の機器で統制していき、その中の小さなホコロビがシステムを破綻させてしまう。ありがちですけど、テーマは分かりやすい。冷静に考えると、クローンたちのクライアントって、みな金持ちなんですよね? ずいぶん若い人が多すぎるような。ブシェーミの変な性癖がこの映画で、イチオシですね(笑)。 終盤、ダラダラ感はあったものの、面白かったことは確かなので、限りなく9点に近い8点ぐらいで。 [DVD(吹替)] 7点(2006-01-08 22:43:30)(良:1票) |
8. あの頃ペニー・レインと
バンドと追っかけの映画でしたが、ウィリアムの視点で観るか、ペニー・レインの視点で観るかの2つの楽しみ方があると思います。ラッセルのマジ顔がウィリアムに感化されているもの、と思って観ていたので、バンドとグルーピーたちと同行する中で成長していくウィリアムという、主人公の人間描写が分かりやすくて良かったです。ケイト・ハドソンがきらきら光っていました。 [DVD(吹替)] 7点(2005-06-15 09:14:44) |
9. アンダー・サスピション
《ネタバレ》 ジーン・ハックマン×モーガン・フリーマンという時点ですでにA級映画です。若手刑事の暴走がジーン・ハックマンの苛立ちを際立たせています。カメラワークも、犯罪の回想シーンに刑事モーガン・フリーマンを入れるなど斬新です。しかし残念ながら筋書きが面白くありませんでした。ラストのジーン・ハックマンの自供は、陰で自分を調べていた妻モニカ・ベルッチへのあてつけだったのでしょうか?せっかくのカメラワークなんだから、二コール・キッドマンの『ドッグヴィル』のように、舞台劇仕立てにした方がかえって面白かったかもしれません。 [地上波(吹替)] 4点(2005-05-25 14:35:54) |