1. 愛、アムール
テーマとしては凡庸(これはやはり特殊日本的な事情なんだろうか)だが、良質のドラマ。ハネケらしい不気味さというか、ぎこちなさ、居心地の悪さが随所に感じられて非常に「らしい」映画になっている。よく言えば円熟味を増してきたというところか。ハトや執拗なまでのドアの描写は非常に巧みだが、やはりテーマ、その切り口に凡庸さを感じざるを得ない。 [DVD(字幕)] 6点(2013-08-19 22:51:46) |
2. アルゴ
傑作! [映画館(字幕)] 9点(2013-02-06 01:39:53) |
3. アウトレイジ ビヨンド
キャストの割に凡作だったというのが最もシンプルな評価であろう。細かい点は他の方がすでに指摘されている通り。前作の圧倒的な迫力には及ばない。 [映画館(邦画)] 6点(2012-10-09 00:28:38)(良:1票) |
4. アベンジャーズ(2012)
《ネタバレ》 予想通りの展開でよかった。ただ逆に予想通り過ぎて一ヶ月もすれば忘れてしまう映画。戦闘は完全にトランスフォーマーで、敵役も戦隊モノに出てくるようなちゃちいものだが、まぁハルクの爽快さとアイアンマンの機敏さで溜飲を下げることができるだろう。 [映画館(字幕)] 5点(2012-08-25 20:45:16) |
5. アニマル・キングダム
動物の王国に放り込まれた一人の少年。静謐な映像と抑えたバイオレンスが爆発する一瞬の対比は抑制がきいていて非常にリアリティがある。それだけなら単なるこれまでの良質なクライムサスペンスと変わらないが、この映画が異なるのは、その妙な感覚だ。「動物」(それも野生の)を確かに意識するようなシーンが何度も挿入され、奇妙な違和感を観客に抱かせる。ポープと祖母はその最たる人物だろう。そして主人公も動物の王国で生きていくことになる。10年代のクライムサスペンスとしての感覚を味あわせてくれる作品。 [映画館(字幕)] 7点(2012-07-03 10:53:33) |
6. アーティスト
《ネタバレ》 フィクションであることの自覚がこの映画を支配している。無声映画も所詮演出に過ぎず、実は無声映画ということへの言及をメタなレベルで行っている。ラストシーンが象徴的であるが、映画を撮影しているところを撮るというある種ありきたりになってしまったメタ的演出によって、この映画のフィクション性を強調し、「結局はトーキーなのだ」という印象を余計に観客に与えてしまう。サイレントを装ったトーキーは、意図しているかどうかはともかくとして、最終的にはサイレントへの決別を提示している。 [映画館(字幕)] 6点(2012-04-12 23:25:56)(良:1票) |
7. アウトレイジ(2010)
面白い。あっさりとした殺し方、凄惨なバイオレンスも程よく、組織の抗争が繰り広げられる。テンポがよく、飽きさせない。椎名と加瀬がかなりハマっていていい。 [DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 15:01:38) |
8. 悪人
《ネタバレ》 ラストシーンに全てが集約されている。被害者、被害者の遺族、加害者(正確には光代)、加害者の遺族(スカーフ)、世間一般(タクシーの運転手)が殺人現場に一同に会し、それぞれの思いが交錯する。光代の「そうなんですよね。彼は悪人なんですよね」は皮肉、嘲笑であり、納得や割り切ることはしていない。こういったさりげないが凝っている構成が随所にみられ、面白い。安定した固定カメラを中心に、さまざまな手法、ショットが使われており、監督のひとつの到達点のような映画であった。完成度の高さ、役者の演技の上手さは一品。妻夫木はそんなに演技が上手い印象ではないが、ハマると素晴らしい。満島は最早圧巻。しかし多く指摘されているように、音楽の饒舌さは目に、もとい耳に余る。「悪」の相対性を表現しながら、実はそれはステレオタイプな描き方ではないか、という批判も確かに妥当するであろうが、この作品は被害者(そして増尾)を悪人に仕立てるというよりも、悪人というものがそもそも存在するのか、という問題提起のように私には思われる。 [DVD(邦画)] 7点(2011-04-08 15:35:09)(良:2票) |