1. RRR
《ネタバレ》 久々の満点! 3時間が苦にならない映画は珍しい。 我々有色人種にとってこのような映画は痛快ではある(エンディングにも登場するチャンドラ・ボースは、旧日本軍にも協力した人物であったりもする)が、我々が何人であるとか、インドがどうとか英国がどうとかいう、人種・歴史・宗教・政治の目線はあえて外して見たほうが面白いと思う。 パーティでドラムを奏でた人はアフリカ系であったことが象徴しているのは、帝国主義の覇権そのもの(日本だってそうだった)に対するアンチテーゼであって、更にいえば白人=悪という単純な図式でもない(ジェニーの存在)。いわば人間に内在する弱い者いじめの魔性そのものを「これでもか」と、たたきつぶすから痛快なのだ。 その源泉は、人間本来の生命力(薬草を煎じて毒を制するような、土着の叡智)と、家族や友情、一族の連帯感である。 そして、虐げられる側の、熱い血潮が、血しぶきを伴って痛快な復讐を果たす。 多方面に忖度する近年の「お綺麗」な映画やドラマではなかなか見られない、ツッコミどころ満載の、男と男のドラマに、自分の中に眠っていた(あえて忘れていた)青臭い何かが揺り起こされ、頬を涙が伝うこと幾度・・・ これは見る人を選ぶ映画ではあるが、私にはドハマリであった。 今日から懸垂しよう! [インターネット(字幕)] 10点(2023-11-26 16:26:26) |
2. アバター(2009)
《ネタバレ》 人間の愚かさを改めて感じざるを得ない映画。 環境破壊も、地球温暖化も、戦争も、核兵器もない方が良いに決まっている。しかし、実態として人類はそれら害悪を止めることはできていない。 おそらく、どの人にこの映画を見せても、ジェイクに同感し、美しい惑星パンドラを守るのが正しい、と思うだろう。しかし総体としての行動は、森を蹂躙するブルドーザーに乗っているだけなのだ。 ところで、ミシェル・ロドリゲスって、こういう役多いなぁ、と思う。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2023-01-08 18:11:40) |
3. アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 3D/MX4Dで鑑賞。前作は当時見ていたが、あえて復習なしで映画館直行。従い、なんで五本指のナヴィがいて、なんでクオリッチ大佐が復讐に燃えていて、なんでエイリアンのリプリーが登場するんだっけ?といったことは不問。 圧倒的な映像美と、MX4Dの非日常的な臨場感。ストーリーそのものよりも、この世界観を見に来た、って感じ。 案の定、ストーリー自体は大したことはない。家族を大事に、環境を大事に、クジラを守ろう、といった陳腐なスローガン。(日本人は、捕鯨は金のためだけではないし、獲ったクジラは余すところなく利用させてもらってますから!) 最後はナウシカへのオマージュ?青き皮膚の者が、金色の触手に包まれる。「ラン、ランララランランラン♪」と聞こえてきそうだが、まぁよい。 さて、MX4Dは前方から水しぶきが飛んでくる、と聞いていたのだが、冬場で忖度したのか、それっぽい場面では「ぷしゅぅ」という音だけで、水を感じなかったのはちょっと残念。遠慮なくかけて頂いてよいのだが・・・ アトラクションとして楽しみに行ったわけで、3時間という長尺も、ちょっとお尻が痛くなっただけで、苦にはならなかった。この体験に感謝。 [映画館(字幕)] 7点(2022-12-18 22:45:16)(良:1票) |
4. アメリ
《ネタバレ》 人間だれしも、一歩踏み出せないとか、うちにこもりたくなる気持ちはあると思う。 自分らしくない、おせっかいや突飛な行動とも思える「一歩」でも、アメリのように(ややクレージーな)笑顔で、あえてやってみるのもよいなと思えた。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-09-18 19:33:53) |
5. アラビアのロレンス
《ネタバレ》 長い。埃っぽい。女っ気ない。 名作だから見ておかねば、という気持ちで気合入れて見たが、「見たぞ!」という為に見たに過ぎない。 歴史に残る名作と言われているのに、あまり面白いと感じられない自分に減点かなぁ・・・ [インターネット(字幕)] 4点(2022-03-12 18:00:41) |
6. アズミ・ハルコは行方不明
《ネタバレ》 狭い地元コミュニティーの閉そく感や、痴呆老人の介護に苦しむ家庭といった重荷を、通奏低音として描きつつ、女子高生の暴力や、度を越えた落書き、自由な快楽としての性交渉を開放的な不協和音として不気味に響く。 気楽でありながら、常に現実の不潔さを意識させる手法は、素人のようなカメラワークにもにじみ出ており、見るものを不快にさせる。 ステンシルの行方不明者でもある春子は、殺されたわけでもなく、暴力の被害者になったわけでもなく、自分から「優雅な生活」を求めて、自分のこれまでの生活を捨てて行方をくらまし、旅立った。 では、その旅立ちで優雅な生活は得られたのか、という疑問には、最後に赤ちゃんを笑顔で抱いている姿は「得られた」と言っているようにも思える。そこには父親は存在しないが、この映画ではオヤジも警察官もアニメのマフィアも、男は皆、成敗される存在である。 男性としての私は正直楽しめなかったが、女性視点からは違った感想が得られるだろう。 いろいろ考えさせられた意味で、点数は甘目につけたい。 ちなみに、「バニー・レークは行方不明」とは全く関係なさそうだった。 [インターネット(邦画)] 5点(2021-05-30 00:16:02) |
7. アメリカン・ビューティー
《ネタバレ》 これは、空を飛んだり蜘蛛の糸を出したりといった超能力を使わず、また家族を誘拐されたりテロリストといきなり戦うといった特殊な事件を必要としない、誰にでもできることにこだわったヒーローものではないか。 職場での抑圧、妻との確執、娘の反抗、、、私ぐらいのおじさん世代にありがちな悩みを、良い意味でも悪い意味でもアメリカらしく吹っ切ってしまうレスターの「解放」後の表情や行動の変化はすがすがしい。 それでいて娘の友人が「初めて」と白状した時の父親らしい優しさは、社会や家庭にとらわれず奔放にふるまいつつも弱きを守るという一線をくっきり描いており、これまたヒーローらしい。 殺されることが最初から明白であるが、後半は誰に殺されることになるのか疑問を抱きながらストーリーが進む。 そのクライマックスで、隣人の息子と性的関係にあったことで父親から殺されたのかと思ったが、他の方のレビューを読んで、そうではなさそうということに気付いた。 隣人の父が実はゲイでありそのキスを断ったことで、恥をかかせたから、か、あるいは、ゲイであることを隠すための口封じなのか。 このあたりがよくわからないまま終幕となりやや消化不良であった。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-10 23:50:19) |
8. 赤ひげ
《ネタバレ》 長さを感じさせず、物語に引き込まれた。 保本が酒を飲んでくだを巻いているのに、赤ひげは一切責めない。また、薬を飲まずはねのけてこぼしてしまうおとよにも忍耐強く優しく接する所は、一般的な組織のリーダーに必要な忍耐にも通じるものがあると思う。 長坊を死なせなかったのは、貧困を放置しないヒューマニズムの勝利ではないか。 世の中を救う偉人は、なにか特別な魔法を使っているわけではなく、ただ自分の周りの人に全力で接しているのだ。 [地上波(邦画)] 9点(2020-07-23 18:40:17) |
9. アルカトラズからの脱出
《ネタバレ》 脱獄ものの古典的作品。 ネズミを飼う話はグリーンマイル、看守を追い詰める話はショーシャンク、等、オマージュされたかなと思う場面がちらほら。 史実なだけあってストーリーは単純。 [地上波(吹替)] 5点(2020-07-12 03:19:06) |
10. アポロ13
《ネタバレ》 かなり事実に沿っている。 3人が生還できたのは本当に奇跡だ。 [地上波(字幕)] 5点(2020-01-13 00:04:54) |
11. アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
《ネタバレ》 「スター・ウォーズか!?」というほど地球を離れ、宇宙を舞台にした作品に仕上がっている。やや長すぎの感は否めない。 飽きさせない世界観もあるが、星ひとつひとつのリアリティは無い(鍛冶の星、なんてのはご都合主義)。 そもそも肉体派のヒーローが多く、強さのバランスがちょっとバラバラなのが気になってしまう。 最後は続編に続くエンディング。がっかりといえばがっかり。 [地上波(字幕)] 1点(2019-07-26 22:12:00) |
12. アパッチ(1954)
《ネタバレ》 かなり昔の映画である事を差し引いても、途中までの女性の扱い方は人権団体から苦情が来るレベル。 最終的にマサイが戦いで華々しく散ると思いきや、赤ちゃんの声を聞いて急遽帰宅、白人側もそれ以上攻め込まないという、なんだか不完全燃焼のようなラストであった。 [地上波(字幕)] 5点(2019-07-12 23:42:16) |
13. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 任務とはいえ、子供を撃たなければならない辛さは、想像を絶するだろう。 苦悩で精神を病んでしまうのも、わかる気がする。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-03-16 15:54:58) |
14. アルゴ
《ネタバレ》 何も悪いことはしていなくても、外国のイミグレーションというのは、いつ通ってもいやなものだ。 ましてや、命がかかっている状態で通過するのはどれだけ勇気がいることだろう。 結末はわかっていても、かなりハラハラドキドキした。 [地上波(字幕)] 6点(2018-11-24 00:58:22) |
15. アルティメット
《ネタバレ》 体操選手の発表を見せられているようで、それなりに面白いのだが、もう少しひねりが欲しかった。 妹をもう少し強く設定しないと、あそこまで生き残っているのは不可能ではないか。 [地上波(吹替)] 5点(2018-10-28 16:56:40) |
16. アントマン
《ネタバレ》 量子の世界に消えた博士の奥さんも救われるかと思ったが、それは次回作に持ち越しか? アベンジャーズのキャラがもっとたくさんでてくれば楽しかったのだが。 [地上波(吹替)] 6点(2018-09-15 18:50:17) |
17. アウトバーン
《ネタバレ》 トラックをすり替えたり、緻密な計算をしている割にはドンパチやりすぎて、生き残る「賭け」が多い。 鮮やかに敵を欺くなら、途中経過をもう少し危なげなくやらないと、リアリティが失われる。 まぁ、アクション映画にリアリティなど無い、といえば元も子もないが・・・ アンソニーホプキンズが、羊たちの沈黙でしみついた得体の知れない怖さをひきずっており「もしかしてストーリーに関係あったりして?」などと変な妄想をかきたててくれたので5点。 [地上波(吹替)] 5点(2018-08-06 11:36:01) |
18. 嵐を呼ぶ男(1957)
《ネタバレ》 時代もあるだろうが、あまりにも息子のやりたい事をわかってあげられない母親の言動が見るに堪えない。 最後に改心したのも、ちょっと安易な心変わりに見えた。 岡田真澄が普通のイケメンで驚き。 [地上波(邦画)] 6点(2018-05-05 18:41:16) |
19. アイ,ロボット
《ネタバレ》 お掃除ロボット、自動運転や、声に反応するスピーカー等、この映画のようなロボットが実現する日も近いのかも、とふと思った。 戦場では、リモコンながら無人の殺戮マシーンが活躍している。これらが意志をもったら本当に怖い・・・ ストーリーは、ちょっとひねりが足りない気がした。腕だけでなくウィル・スミス全体がロボットだった、とか、博士の死体がニセモノだった、とか、もう少し意外性がほしかった。 [地上波(字幕)] 4点(2018-04-22 14:15:51) |
20. アイガー・サンクション
《ネタバレ》 昔の映画といってしまえばそれまでだが、スッチーをナンパして大切な名画が飾ってある家に入れてしまい、しかも寝ている間に金を盗まれるという不用心、途中で殴られた用心棒の弱さや、置き去りにされた旧敵等の脇役の処理がちょっとハチャメチャだと感じた。スパイの司令におけるどんでん返しについても、「もうこういう世界は誰も信じられませんなぁ」とストーリーを真面目に追うのがバカバカしくなってきた。 山田康雄の声が懐かしくて良かった。 [地上波(吹替)] 4点(2017-10-02 13:37:40) |