1. あの子を探して
最初はウェイ・ミンジという主役の女の子、かわいくねえなあと思って見ているんですが、だんだん自分に見えてきて。彼女が必死になって眼鏡の男性に「局長さんですか?」と聞いて回るシーン、彼女は金のためだったかもしれない、自分のためだったかもしれない、でもたとえ金のためだとしても、あんなに何かを必死になってしたことあったかな、私。なぜあんなに頑ななんでしょう?あれは自分のためでもホエクーのためでもなく、多分何かのためなんでしょうね。 カメラの向こうにホエクーがいると思って話しかけてみて、といわれ、「心配でたまらない」と泣く彼女。きっと辛かったんだと思うんですよね。彼女の住んでいる田舎には眼鏡をかけた人なんていないのでしょう。だから「眼鏡をかけた男性が局長だ」と言われて、私らから見たら無謀としかいえないことをした。でも辛かったと思う、なんでこんなに眼鏡をかけた人がいっぱいいるの?私は何のためにこんなことをしているの?お腹も空いて、お金もない、都会の人々は冷たい、こんなにたくさんの人がいるのに、誰も助けてくれない、もう帰ろうかと何度も思ったんじゃないかなあ、でもやめなかった。いったい何のために? カメラを向けられて、極度の緊張状態にあって、それであんなふうに泣くことができたウェイってすごいと思う。自分と同じ思いを、ホエクーもしていると思ったんじゃないかなあ。そこには何かのために、というのがすこんと抜けていて、そういう意味でこの映画は素晴らしいと思います。 [地上波(字幕)] 9点(2009-07-19 18:08:15) |