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1.  アスファルト(2015)
久しぶりのフランス映画。イザベル・ユペールの作品は「主婦マリーのしたこと」が好きですが私の好みはどうでもいいですね。 期待せずに観た映画が大当たりってこと、ありますよね。 同じ団地に住む、老若男女6人の出会いの物語。車いすの冴えないおじさんと、夜勤の看護師。ほのかな恋愛の予感。 役の付かない女優と、淡々とした現代っ子の男子高校生。勇気やアドバイスを与えるのは、何も年上ばかりじゃない。 着陸に失敗した宇宙飛行士と、子供の帰りを待つ老婦人。言葉は通じなくても、あなたのことは忘れない。 繰り返し観たくなる映画、かも知れません。
[インターネット(字幕)] 9点(2021-09-15 22:18:41)
2.  あんのこと 《ネタバレ》 
予告を見た時から、公開されたら行こうと思っていました。主演の女優さんは最近ヒットしたドラマに出ていたそうですが自分はテレビドラマを見ていないので存じ上げませんでした。 ある新聞の三面記事を元に脚本を起こしたと言うことで、もしかしたら複数の出来事を集約したのが「杏」だったのかも知れません。 機能不全家庭に生まれ、子供の時から母親に搾取されてきたあん。 ある日、パパ活の最中に相手が薬で死んでしまったことから警察に捕まり、そこで出会った刑事の力により構成への道を歩み始めるはずでした。少なくともこの時の刑事は「あん」を本当に気にかけ、助けるつもりだったのでしょう。人は誰も善人と別の顔を持っている。その現実を見せつけられた作品です。毒親に支配され、体を売ってまでお金を作って来たあんは、本来優しい子だったと思います。働き始めた介護施設であんに心を許す利用者がいました。頼りにされることや、守ってくれる大人がいることで居場所を見つけたかのように思えた矢先、コロナがあんの進むべき道を閉ざします。 結局、刑事も、その刑事を記事にしようとする記者もあんを救うことはできなかった。 毒親の権化のような母親が登場します。もはやラスボスです。ここで??という場面で出没します。与えられたことのない母親の愛情を、見も知らぬ子に対して芽生えた矢先それさえも奪われてしまったあん。 ここまでひどい母親がいるものか、と思いますが現実に見聞きする事件の親たちが、つまりこの母親なわけです。子供の愛し方を知らない(わからない)親は実際にいます。あんが家を出なかった理由に祖母の存在がありますが、それはかつて母親の暴力から守ってくれたという理由。 あんに虐待を加えるこの母親もかつては、同じことされていたのだろうと推察します。虐待の連鎖。 願わくば実在した「あん」に少しでも幸せな時があったことを…。 
[映画館(邦画)] 7点(2024-06-21 23:08:04)
3.  愛のコリーダ
遅ればせながらこの映画を見ました。 子供のころこの映画が問題となっていることは知っていましたし、同名の洋楽がヒットしたことも記憶にあります。 今回個人的な理由で阿部定さんに興味を持ち、満を持して(?)の鑑賞。 感想としてはガッカリでした。 大島渚監督はこの映画をどんな理由で作ったのか?恐らくは閉鎖された映倫への挑戦であり「欧米ならこんな描写は当たり前だ」くらいに考えていたのではないでしょうか。ならば定さんを題材にする必要はなかったように思います。 「阿部定」と言う女性を描きたいのであれば、あんな映画にする必要がないからです。実在の人物を登場させるにはあまりにも浅はかな描写だと思いました。その人が好きで、好きで、どうしようもないほど好きで。もう殺すしか自分のものにできないと思った女性を描くなら、もっと定さんの内面を描くべき。ただだた愛欲を貪る男女を描きたいのであれば、この映画はあまりにも関係者に失礼だと思いました。 何の意味もなく芸者仲間に弄ばれ、無駄に下半身を露出させられた無名の女優さんが気の毒でなりません。
[インターネット(邦画)] 1点(2018-05-14 22:15:47)
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