1. アキラとあきら
いやー、物凄く!面白かった。ビックリした。ドキドキして涙してワクワクして感動した。 失敗から這い上がり、更に大きくなって、しかも全然スレずに帰ってくる山崎瑛(竹内涼真)の様子にドキドキした。普通多少はスレて小汚くなるものなのに、信念を抱く男は違った…。 父親の負債の経験で痛い目を見てから、有能だけど汚くてつまらない男になってゆくようなお話は、この世にはごまんとあると思う。ましてや銀行もの。そういうお話を書く方がラクだと思う。 けれどこのお話は、神父様(塚地武雅)や、過去に出会った理想の銀行員(満島真之介)や、「宿命」という言葉が、ドラマを優しいものにして、人間を肉厚にしていた。 誰も死なないのに、悲劇だって無いのに、何回も泣いてしまった。感動した。 10点満点中何点だろう? と考えた時「あれ、減点が無い……」と驚いた。 でも映画館を出る時、後ろにいた3人組女子(推定年齢20歳)が無言で歩いてて、一人の「面白かった?」の問いに二人が「難しかった…」と…。 そっかー…。会社員経験が色々あるほど、人生が長いほど、この話は刺さるのか、と気付いた。 山崎瑛が夜遅くまで仕事に打ち込む姿。顧客のために知恵を絞って考え抜いて提案資料をつくる様。何回も何回もピンチを迎える様。上司が粉飾じみた事をする姿。そして、成功した時・喜んでもらえた時の、胸に湧き上がる喜び、誇り。 どれも自分の会社員経験で経験してきたことに少し似ていて、だからどっぷりとハマったのかなと。 こんなドラマを100%楽しめるのなら、年取る事・会社で揉まれることには意味があったな、とすら思った。 というわけで、会社員生活のそれなりに長い方には、特にオススメです。 [映画館(邦画)] 10点(2022-10-11 18:54:27)(良:2票) |