21. カル
《ネタバレ》 伏線らしきものはあるが、本格ミステリーのように論理的な推理を楽しめるほど考え尽くされた内容ではない。意図的に謎を謎のまま放置して、観客にあれこれ解釈させるというのが最近の流行なのか。作中の謎がきちんと説明されずに終わるというのはルール違反だと思う。どんでん返しもあるが、まったく普通のレベルで、特に驚かされるものでもない。また「死体の各パーツを組み合わせて、理想の存在を創り上げる」+「ミステリー」という設定が、島田荘司氏の傑作「占星術殺人事件」のパクリで、しかも、「占星術」と違ってバラバラにする行為が動機のみの問題で、その行為が有機的に不可能犯罪を形成している訳ではないというのもお粗末。 4点(2003-10-18 11:06:29) |
22. カルマ
レスリー・チャンの遺作になってしまったんですね。見た後に知りました。ご冥福をお祈りします。しかし、それと作品の評価は別問題。最近の日本のホラー映画の影響を強く受けているのがよく分かる。雰囲気は悪くないが、ストーリー展開に緩急がなく登場人物も少ないので、やけに冗長に感じてしまう。また登場人物の言動が、まるで「深刻な悩みを抱えているのは自分だけだ。誰も分かってくれない」、というような自己陶酔的で癇に障る。霊が見えることの苦悩や精神不安、現実と妄想、多重人格といった、やり尽くされているテーマを取り上げるのなら、もう少し工夫が欲しい。 4点(2003-10-17 19:05:38) |
23. 火山高
「少林サッカー」もバカの徹し方やアクションが中途半端だったが、これはさらに一段落ちる。もっとバカバカしい学園アクションものかと思ったが、まったくの期待ハズレ。こういうのを見ると、やっぱり「魁!男塾」とかはスゴイと思える(笑)。 この映画も学園抗争もので行くなら、「学園を支配する四天王」とか、「極悪生徒を収容している教室の封印を解く」とか、「戦う前に身に着けていた超重量のパワーリストをはずすと地面にめり込む」とか「他校とのバトルトーナメント(無論、その前に学内でのトーナメントがあり、その結果友情が芽生える)とか」、いくらでも面白い展開は考えられるのに、どうにも「分かっていない」展開ばかりで、見ていて歯がゆいことこの上ない。戦闘シーンを見ても、ワイヤーで引っ張ったり吊ったりしてるだけの単純な演出が目立つ。CGによる「気」の表現もお粗末。とにかくアクションシーンは、高く飛んだり、グルグル回転していればいいと思っているような安易な演出が最近の映画には多すぎる。監督さん、とにかくまずは「魁!男塾」を読みましょう。色々な意味で圧倒されること間違いなし。とは言うものの、漫画・アニメ大国である日本が、もっと意欲的に率先して漫画を実写化しないというのも情けないと思うし、技術も育たないのではないだろうか。 2点(2003-09-15 06:15:20)(良:2票) |
24. 玩具修理者
原作の雰囲気はよく出ていたように思う。ただこの作品は「ホラー+ファンタジー」みたいなノリで、原作自体それほど怖い内容ではないので、映画版も「それなりに」というレベル。もともとが短編の作品だから、一本の映画として見ると、どうしても物足りないのが残念。 [ビデオ(邦画)] 5点(2003-07-05 19:11:12) |
25. 回路
《ネタバレ》 インターネットに絡む都市伝説がエスカレートして行き、現実世界を侵食してしまうというような内容か。 残念ながら「CURE」に比べるとテーマが分かりづらい。 次第に崩壊していく日常の雰囲気は最高に好みだが、ストーリー展開は全体的に淡々としていて退屈。「ゾンビ」などに共通する「例え世界が滅んでも、人は人として生きていかなくてはならない」という悲壮さはよく出ている。 [ビデオ(字幕)] 6点(2003-07-02 00:40:01)(良:1票) |