1. カラー・オブ・ハート
原題“Pleasantville”をこの邦題にしたのは、巧いのかもしれない.時代の流れとともに、以前はタブーになっていたことがずいぶん開かれ清濁併せ呑む価値観にゆっくりと変わってきているのだと、「価値観の多様化」などと一言で括ると簡単に通り過ぎてしまいがちなことを、この映画で真剣に実感してしまった.そして T. マグワイアは観る側に不思議に安定感を与える人で、この魅力がキャラを立たせていて、適役だったと思う. 8点(2003-10-13 01:07:16)(良:1票) |
2. ガーゴイル(2001)
ストーリイがきちんと落ちていかないのと、主人公のキャラが掴みにくく苦悩そのものが伝わってこないのとで、非常に曖昧な印象のまま今に至っています.ただならぬ緊張感と閉塞感が醸し出す空気は十分感じたのですが・・・. 4点(2003-10-13 00:46:44) |
3. 家族の肖像
もう20年ぐらい前に観ました(笑).日本の生活からは考えられないような重厚な屋敷と、退廃(公爵婦人の黒く隈取りしたアイ・メイクが強烈)と暗く立ちこめる死のイメージとがくっきりと記憶に刻まれています.果てしなく無節制な闖入者たちと、人との接触に背を向けて生きてきた老人との心ざわめくような出会いの中で展開する出来事を、今なら違った視点で観ることができるかもしれない.これからヴィスコンティ作品を観直してみます. 5点(2003-09-13 00:00:40) |
4. ガタカ
J. ロウの演技に集中してしまう.彼は、ほんとに根っからの役者だ.そして、途中から予感出来てしまうあのラストがあることで、彼の演技がきちんと完結するのだと思う.キャスティングも美術も音楽も、独特の光り方をしていた. 7点(2003-08-06 23:54:25) |
5. 華麗なるギャツビー(1974)
ミア・ファーロウ(美しい!)演ずるデイジイと、彼女に惹かれてしまうギャツビーと、人が人を恋することは本当に理屈ではない(恋は盲目とはよく言ったもの)と思ってしまう映画.個人的にはデイジイのような計算高い人は「蛇蝎のごとく」嫌いですが・・・. 7点(2001-11-02 18:52:12) |
6. 風と共に去りぬ
大作とは思うのですが.大味なので何回も観たい映画とはいえない.が、原作に忠実な作りだったとは思います.ヴィヴィアン・リーは美しいのですが、顔に険があるし、レット・バトラーも深い演技をしていたとは思えない.ただ、南北戦争前後のアメリカ南部の様子や、黒人の扱われ方を知ることができたと思う. 7点(2001-11-02 18:44:17) |
7. 顔(1999)
久しぶりに観た邦画でした.そして藤山直美を目の当たりにして、圧倒されました.この映画に出てくる女達は手探りしながらも、皆しっかりと地に足をつけて生きている.対して、男達のぺらぺらとひしゃげたような影の薄さ.その対比に阪本監督の息遣いも感じられて、嬉しかったです. 8点(2001-10-01 23:19:24) |