1. 花様年華
この映画ほど好き好きが分かれる映画はあまりないんじゃないでしょうか。筋書きや前宣伝を見る限り、これってもしかしてアート系監督にありがちな自己満足系作品である危険性もあるな、と頭の片隅におきながら、高まる期待を押さえつつ見たのですが・・・、うーんこれは良い方に転んだアート系作品だ!と私は思いました。よかったなあ、もう。そうですねー、たとえるならば、時間をたっぷりかけてなんどもなんども塗り重ねながら丁寧に仕上げたフェルメールの油絵のよう、とでも言いますか。(ほめ過ぎ?)そういう濃密さが、監督の自己満足だけでなく、見ている人もちゃんと感じることができます。よく、作品自体に誉めるところがない場合に衣装をほめたりするけど、この映画のマギーチャンの衣装は本当にすばらしい。衣装のすばらしさがちゃんとこの作品自体の絵画的な美しさに華をそえていてなんともいえません。トニーレオンはもうかなり年だけど相変わらず美しくて・・・。あんな人が隣に住んでたらそりゃだれだってざわめくでしょうよ。あのマジメな昔の青年ぶりに、その昔「悲情都市」で口のきけない台湾青年をやったころとちっとも変わらない若さと美しさを見ました。それに更に円熟味も加わって・・・。もう説明しようがないので見るっきゃないですね。言葉で説明できない世界だからこそ映画にしたのでしょうから。 9点(2001-12-30 23:47:05) |