Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんの口コミ一覧
あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2514
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 宝塚とディズニープリンセスとプリキュアが好きな還暦+2おかま。
宙組は当分観ないわ。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123456
投稿日付順123456
変更日付順123456
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
 予告編の印象から、もっとバカっぽい映画かと思ってたらとても熱く燃える映画でした。   まるで統一感のない魑魅魍魎状態のキャラ達が支離滅裂、ドタバタなところから銀河を守るって共通の目的でぐわーっとまとまってゆく、その熱さ。  アライグマとか木人間とか、ネタにしか思えないじゃないですか。だけどこれがちゃんと熱いの、感動させるの。  主人公にしても、冒頭の母に対する想いがちゃんとクライマックスからラストで回収されて、カセットテープに収録された全編を彩る懐メロの意味にも感動して。   VFXを駆使した燃えるシチュエーションの戦闘シーンもたっぷり、飽きさせるようなヘタな脇道もなく、混ざり物だらけのように見えながらとても純度の高い娯楽映画なのでした。  こういう、作ってる人間が「こういうのがやりたいんだ!」っていうのがハッキリ見えてくる映画はいいなあ。   【追記】4DX版見てきました。やっぱりドッグファイトとの馴染みは最高です。画面に合わせて前後左右にガンガン揺さぶられる状態は臨場感抜群で突入シーンでの盛り上がりがこれ以上無いってくらいな高揚感。一方で格闘シーンなんかは微妙かも。三人称視点のもの1つ1つに衝撃を与えてる状態ってワリと不自然。水や風はそこそこ、光や煙の演出は蛇足っぽく、シャボン玉は上手く画面に合って。でも、何と言っても「泣かせる揺らし」があるのがこの映画での4DXの最大の特徴かも。『スター・ツアーズ』にだって「泣かせる揺らし」ありませんものね。
[映画館(吹替)] 10点(2014-09-14 19:46:45)(良:1票)
2.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
『クレしん』が、親の名を呼び捨てにするという理由でPTAから子供に見せたくないアニメにされた過去がありますが(今のしんのすけは「とーちゃん」「かーちゃん」と呼びます)、この、親にとって安心ブランドなハズの宮崎アニメが親を呼び捨てにする状態を、PTAはどう捉えるでしょうねぇ。さて、最近の宮崎アニメ、ジブリアニメはどうも何がしたいのか判らず、鈴木プロデューサーが前面に出てくるようになってから質的にかなり問題があるんでないの?と思っておりました。今回にしても、最初はいつ『ハウル』的混乱設定とグロに走るかとヒヤヒヤしておりましたが、いやいや、これはいいです。『ゲド』の、いい加減なアニメートばっかりで腕がナマっていたであろう作画スタッフに対して親として責任を取ったような?全編細かく丁寧で、そして気持ちいいアニメの運動に溢れた作画に魅了されました。雄大な海の世界の、生命の営みと荒々しさを、CGではなくひたすら手描きでアニメートさせ、日本製アニメ、ここにあり!と誇らしく宣言しているような。物語でなく世界で作品を語ること、その模索がどうもこれまで迷走していた感があったのですが、今回、とてもシンプルな構造になる事で綺麗に成立したように思います。子供が見て楽しい、それこそが宮崎アニメにとっての最大の栄養だったのではないでしょうか。アタマで考えるのでなくて、目で体験してナンボの映画なので、こんな文章を読むよりも先にご家族で映画館へどうぞ。【追記】さて、公開最初の三連休も終わりということで、ここからは見た人以外は読むべからずな追加。正直なところ、この映画にも大人目線から見える暗喩に溢れている気がします。ネット上では死後の世界説があったりしますが、私の解釈は真逆。誕生までの物語。舞台世界=母胎。海=羊水。ポニョとポニョの妹達=精子。宗介=大人、母になるもの、卵子、親。両親=子供、童心、未熟。血を舐める=受精。ポニョのメタモルフォース=胎内での成長。トンネル=産道。ラストシーン=誕生。ただ、大人の理屈でごちゃごちゃと作品を穢すのは、やっぱりよろしくないと思うんですよね。勝手な解釈とか批判とかするな、って訳ではなくて、だけど、この映画を子供から取り上げるのでなく、子供にあげてください、って。
[映画館(邦画)] 10点(2008-07-19 15:09:24)(良:2票)
3.  風の電話 《ネタバレ》 
 モトーラちゃんの演技は最初「きついわー」と思ったのね。東日本大震災を題材に、一家でただ一人生き延びてしまった少女を演じるには、ちょっと荷が重すぎるんじゃない?って。  現実としてあの震災はまだまだ生々しい傷をのこしていて、1つの閉じた作品としてパッケージングして昇華してしまうことが正しいとは到底思えないし、モトーラちゃん以外にもお馴染みな顔の役者さん達の作り物なカンジがリアルの重さに対してあまりに無力なんじゃない?とも。   でも、その作り物、創作の中にどんどん沁みこんで侵食してくる現実が境界を曖昧にして創作が現実に対して抗いきれなくなってゆく、そしてカメラはその過程を捉えてゆく感じでとても不思議なモノを見ている感覚になったのね。  入管に囚われたクルド人難民のエピソードなどは、もうその殆どがリアルで、その前で役者はただ与えられた役だけが形骸化されて残っているような状態。その状況を前に創作は果たしてどんな希望を与えられるっていうの?   一人の少女の旅は、今の日本にこびりついたリアルを背景とすることで虚実の狭間を彷徨うの。その世界ではモトーラちゃんの特異な存在感は演技力云々で量ることなど意味がなくなって、こちらはただただ不安定な彼女という存在と時間を共有し、寄り添ってゆくのね。  そして旅の末に辿り着く風の電話は何かを具体的に救済する訳でも、この物語自体に救済をもたらす訳でもないけれど、そこに少しでも思うところ、感じるものがあるとしたら、今はそれだけでも十分なのかもしれないわ。   今のこのニッポンに生きる意味を考える、癒しとか救いとかいう判りやすいコトバとは違うモノを探る、そんな時間をくれる映画だと思うの。
[映画館(邦画)] 9点(2021-04-08 16:28:03)(良:1票)
4.  カメラを止めるな!
 これはネタバレを読んでしまってはダメ、なるべく情報をシャットアウトして見るべき映画なので、点数だけ参考にしてね。   アタシはゾンビ映画ってモノに対してなーんの思い入れもなくて、つーかニガテで、映画マニアにゾンビ映画好きが多い理由がどうにも理解できなくて。  大丈夫なゾンビ映画は『ウォーム・ボディーズ』『ゾンビランド』『高慢と偏見とゾンビ』だけ。『ショーン・オブ・ザ・デッド』すらダメってレベルだからねぇ。  んで、そんなアタシでも存分に楽しめるのがこの映画。   無名な役者しか出てこなくて、安っぽくて、映像なんか『ジュラシック・ワールド 炎の王国』の反対の極に存在するようなしょっぱいシロモノ。そして、そこにこそ意味がある映画。  有名人でリメイクしたとしたら台無しになっちゃうでしょうね。   脚本の妙味とエンドロールに込められた思い、それはたとえゾンビ映画好きでなくても、映画ファンならば誰でも共感できるものだと思うわ。   チネチッタではリピーターらしきおっさんが聞こえよがしなリアクションをとる事で、初見の人間に対して結果的にネタバレ状態になるという事態を巻き起こしやがりまして、100パーセント楽しめたのかどうか、ちょっと微妙な思いをしたのだけど(不粋なスノッブ野郎は滅びればいいの!バカ!)、それでも十分面白かったので、お薦め。
[映画館(邦画)] 9点(2018-07-16 20:02:56)(良:1票)
5.  ガールズ&パンツァー 劇場版 《ネタバレ》 
【一回目】「何コレ? ちっとも話判んないけど、そんな事どうでもいいくらい面白いわ。ただ戦車がどつきあうだけのアニメにこんなにいっぱい見せ場のバリエーションがあるなんて。つーかなんてエキサイティング!」 →TVシリーズ版ブルーレイ購入、全話イッキ見。サントラDL買い。  【二回目・立川極爆】「キャラは判ったけど世界が何故そんななのかはテレビシリーズ見ても判んない、やっぱりそんな事どうでもいいのね。っていうかこれって戦車が一人格で、中のコ達はその人格を構成する要素みたいな、つまり『インサイド・ヘッド』みたいな? 監督、『クレしん』同様、映画好き丸出し。つーか音響凄い」 →シリーズ4周、アンツィオ戦VODで3回、サントラハイレゾ版買い直しヘヴィローテション。  【三回目】「声優がみんな似たような声質と演技でキャラ50人くらいを7~8人で分担してるように感じるし、大洗ですら、うさぎさんチーム、アヒルさんチーム、レオポンチーム、カモさんチームはメンバーの個性分けがあんまりできてないよね。そこら辺は国産萌えアニメの欠点そのまま。だからこそ戦車一台一人格なんだろうけど。でもそれまでライバルだったコ達が大洗の制服を身に付けて参戦っていうのが燃えるし泣けるシチュエーションだわ。つーか泣くわ」 →シリーズ6周、アンツィオ戦6回、TV版サントラハイレゾ版DL買い。  【四回目】「秋山殿~、おケイさん~、チョビ子~。最初はウザかった知波単学園すらも愛おしい、つーかもはや戦車の映像だけで愛おしい」 →シリーズ7周、アンツィオ戦8回、PSVita『戦車道極めます!』限定版購入。  明日は五回目予約済み。ガルパンはいいぞ。    【十三~十六回目・4DX】4DX史上最もエフェクト駆使しまくってるんじゃ? 後半の大学選抜戦なんてほぼ揺れっぱなしでハードが壊れないか心配になるくらい。臨場感ハンパないですが、感心したのは一方で細やかな設定が成されいる事。メインタイトル部分での大洗の各車両の震動が全部違って、それぞれの「乗り心地」が体感できるって、感動ものです。
[映画館(邦画)] 9点(2015-12-26 14:53:49)(良:4票)
6.  ガールズ・ステップ 《ネタバレ》 
 毎度のよくあるみんなで頑張ってひとつの事を成し遂げました系青春映画。ベタで固められた、予想通りの展開の世界。   中盤にマイナスのベクトルを与える時間が長過ぎ、そしてそれを打開するためのきっかけとなるエピソードが重過ぎな感じはします。もうあと10分短くして映画全体の重量を軽減した方が良かったのではないかとは思います。割合的にダンスのウエイトが軽くなってしまっていますし。  チアリーダー達の悪役的ポジションだとか、塚本高史の挫折したダンサーだとか、形骸化されたワンパターンっぷりはもう少しどうにかならなかったのか、とも思います。   だけどメイン5人がキラキラと魅力的に輝いていて、いつまでも見ていたいと思う、それに勝るものは無いのです。ほんの短いひとときを歓び楽しみ苦悩して生きる5つの個性。等身大の葛藤を経た上で晴れ舞台に立つ5人の美しさ、それをちゃんと捉えただけでもこの映画は尊いのです。   『ソロモンの偽証』ではホラー扱いされていた感のある石井杏奈が、『魔女の宅急便』で魔法使い少女だった小芝風花が、ここでは普通の少女としての生を見せる、その普通である事の大切さが彼女達の姿を通して伝わってきます。   同じ鎌倉を舞台にした『海街diary』にはそのロケーションの描き方に違和感を抱いたのですが、この作品ではその違和感があまりありませんでした。意識して観光地的なる鎌倉を排除した『海街~』に対して、こちらはベタな観光地風景がバンバン登場するものの、そこを生活の場として生きている、そこに調和している少女達の姿があったから違和感が無かったのかな、って気がします。考えてみれば自分の日々の生活からベタだからと言って渋谷のスクランブル交差点や六本木ヒルズを意識的に避けたらそれはそれで不自然ですしねぇ。   今は邦画が作られ過ぎな気がして、そんな中では埋もれてしまう作品も多々ありますが、これは埋もれてしまうには惜しい作品。同ジャンルの名作・傑作もいっぱいある中、これも善き日本の青春映画の姿を示していました。
[映画館(邦画)] 9点(2015-09-22 21:45:42)
7.  カンナさん大成功です!(2006) 《ネタバレ》 
原作の原型を留めてないくらいに違う話で、どこが『カンナさん』やねん!と。だっていきなりカンナさんの整形前の物語が延々と続くんですから。原作はモテまくりなカンナさんが、整形前のトラウマに悩んだり卑屈になったり過去の自分に似た人に同情してモテ女になりきれなかったり、っていうギャップを笑うマンガで、整形前の姿は一切出さない、想像にお任せします、ってスタイルですけど、これはモロに整形前の凄い状態を見せまくり。整形して以降も全くのオリジナルな物語で進んでゆきます。だけどこれが面白いんですよねぇ。『雨に唄えば』か『ラブソングができるまで』かって感じのバックステージものだったりしますが(原作を知ってる人ならば、それだけで「ええ?」って感じでしょうが)、非常に心地良い定番の世界。こうなるだろうな、こうなって欲しいなってツボを、なんのヒネリもなくまんま突いてきますけれど、それが快感。韓国のラブコメらしく、きっちり人情モノだったりもして、ヘンにスタイルだけ追った状態じゃなく、直球をきっちり直球として投げました、って感じでしっかりほのぼの。整形に対するスタンスも批判的ではあるけれど否定的ではなく、整形しようとする心情にきっちりからめて、日本のマンガを元にしながら整形天国の韓国にピッタリな題材だなぁ、と実感させられました。それにしても主役の歌の上手さにゃビックリ。音響設備が整った環境で見るのが吉な映画です。
[映画館(字幕)] 9点(2007-12-16 20:49:30)(良:1票)
8.  カサブランカ
映画には積極的に真剣に向き合わなければいけないと、常日頃思うのですよ。最近のなんでもかんでも説明してくれる判りやすい映画は、なーんにも考えなくてもラストまで運んでくれたりするので、それに慣れてしまうと古い映画はどうも全くアタマの中に上手く流れ込んでこなかったりします。でも、映画って私にとっちゃ、やっぱり1本1本が送り手との勝負ですよ。で、「カサブランカ」。見始めて『これ、積極的な姿勢で見ないと一発コメディ化しちゃうな』と思いました。くっさいセリフを吐くワリにやたら女々しいボギー、通常目モードと涙目モードの2モードだけで押し通す都合のいい女バーグマン。笑うぞ、笑っちゃうぞ、と思いながら向き合っておりました。で・・・結局クライマックスで泣いちゃった。今の時代、あの大戦がどういう結末を辿ったのか、私達は知っています。でも、この映画は戦時下に作られたもの。ヨーロッパが燃えているさなかに送り出された映画です。背景にある悲劇は歴史の1ページではなく、リアルタイムに存在していたもの。当時の人々の心に思いを馳せる時、この映画がいかに深く感動を与えただろう、切なさの中にある希望を与えただろうか、と。映画は時代を写す鏡、時代の証人なのです。それを思った時、時代と向き合った真摯なドラマが浮かび上がってくるのでした。って事で、この映画との勝負は私の負け(8点以上の映画は私の負けなのダ)。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-10 00:04:14)(良:1票)
9.  がんばれ!ベアーズ
子供には子供なりの世界があって、大人の事情や都合で壊していいワケじゃないですし、子供なりの悲しさ、ツラさもあります。でも、大人にだって、子供と同じように悲しさツラさがあるものです。そう、子供が思うほど、大人は大人じゃない、って事が。別の生き物のように見える子供と大人が、ホントは同じ生き物だ、ってお互いを認められた時、お互いにちょっぴり成長できる、私はこの映画に、そんな事を感じました。でも、やっぱり、この映画は子供達の勝ち。ベアーズの面々の愛すべきダメっぷり、アマンダとケリーの、大人へと歩み出そうとする姿は、今でも色褪せない記憶となって甦ります。
[映画館(字幕)] 9点(2003-11-30 23:58:50)
10.  ガメラ 大怪獣空中決戦
子供の頃、ゴジラよりもガメラの方が好きでした。「俺ってカッコいいでしょ」みたいなゴジラより、弱くて、すぐやられちゃって、それでも健気に立ち向かってゆくガメラが好きでした。もちろん、クラスでは少数派で、「君って、話が判るね」っていうのは1人だけでした。そして、ガメラはお腹に3本の傷を残したまま、私の前から姿を消しました。その後、子供の頃の思い出を破壊するような、しょーもないパロディとムチムチのレオタードのお姉さん達ばかりが印象に残る、悪夢のような映画がチラリと登場した後、長い長い眠りの末、すっかり大人になった私の前に、また姿を現してくれました。ガメラは、やっぱりガメラでした。弱くて、すぐ緑色の血を流して、でも一生懸命悪い怪獣に立ち向かいます。子供の頃が甦ってきました。「ガメラがんばれ!」スクリーンのガメラの姿に、涙がじょーじょー出てきました。やっと帰ってきてくれたガメラは、怪獣が怪獣らしくいられる世界で、いきいきと動いていました。映画が終わってロビーに出ると、ちょっとぽふぽふした感じの人間サイズのガメラが子供達に囲まれて記念撮影をしてました。その、無邪気にガメラにまとわりつく子供達を見て、またちょっと涙が出そうになったので、急いで映画館を後にしました。
[映画館(邦画)] 9点(2003-11-25 09:57:45)(良:14票)
11.  カーズ クロスロード 《ネタバレ》 
 マックイーンは最後に何故トレードマークの赤い色を捨てたのでしょうか?  若くて未来ある、だけども性格の悪いストームのボディは青い部分もある、けれど黒いです。まだ若いけれど挫折して夢を諦めた状態のクルーズのボディは黄色いです。もう若くはなく、レーサーとしての寿命を認識せざるを得ないマックイーンの色は赤いです。つまり、今回の作品に関してはそのボディカラーが信号の色を示してたりしない?って。1作目の段階で赤いマックイーンですから、今作に対してしか通用しない考え方ですが。  もう少し細かく見ると、クルーズは黄色一色が、途中で黄色に黒のペイント、次に黄色にオレンジ~赤のペイントとなり、そして最後には黄色にブルーのロゴ。マックイーンは赤いボディに黄色のロゴが、一度は剥がされ剥き出しの素の色になり、元に戻ってハデになって泥を被って元に戻って、最後はブルーのボディにブルーのロゴ。その塗装の変化が立場や心情、意識の変化を示しているようにも思えます。ブルーは未来を予感させる色、黄色は惑いの色、そして赤は限界を感じる色、そんな感じなのかな?みたいな。   そんな今作はある程度歳を重ねた人、挫折を経験した人、人生に迷った人に染みるようなお話で、だから日本でのシリアスな大人向けっぽいCMも、あながち間違いでもないのかな、と。これまでの『カーズ』はあまり好きになれなかったのですが(マックイーンもメーターもウザくて)、今回はシンパシーを感じる部分が多く楽しめました。ああいうシンプルなデザインのキャラがドラマを演じる事の無理がある感は1作目同様にあったと思います。もっとテンポアップした方がいいんじゃないかって。でも、情感溢れるシーンはキャラとのバランスに違和感を抱きつつも味わいを感じて。  ピクサーの子供向け枠の限界にぶち当たってる状態はここに極まれり、って感じではありますが。   あと、松岡茉優は蒼井優に匹敵する声優殺しでした。
[映画館(吹替)] 8点(2017-07-25 22:05:35)
12.  怪盗グルーのミニオン危機一発 《ネタバレ》 
 前作に比べてヌルいです。前作もヌルかったかもしれませんが、今作はそれに輪をかけてヌルいです。何しろ前作で「幸せになりました」ってところから、今回は「もっと幸せになります」ってだけの映画ですから。   グルーはすっかり丸く優しいパパに、3人の女の子達はそれぞれに暮らしを謳歌し、ミニオン達は相変わらず楽しそうで、この幸せそうな世界に、あと足らないものは、と言ったら?   という事で、この映画は新登場の一人の女性、エージェントのルーシーの視点で描かれてゆく感じです。この世界に仲間入りをしてゆく、この世界に受け入れて貰える女性の話というのが本体のように思えるのですよね。  そのために陰謀だの戦いだのはほんのエッセンス程度。前作では一応核として存在した敵役との攻防も今回は隅に追いやられ、物語は主にグルーとルーシーがその関係を築いてゆく事に費やされます。  グルーを一方的に倒し誘拐するという冷徹な登場の仕方をするルーシーは、仕事仲間となり、協力して信頼関係を築き、私生活に触れ、恋をして、と。そのルーシーの変化は単なるアニメキャラを越えて、一人の人間の移ろいゆく心を見る感じで魅力的です。  特にグルーのお見合いデートに遭遇したルーシーの、彼の名誉を守るための可笑しくも健気でカッコいい一連の行動には「なんていいオンナなんでしょ」って。   血の繋がりの無い者同士が集まって家族を形成してゆく『グルー』の世界が、今回、嫁として、母として迎えられる存在のための映画となったのは必然的な流れだったのかもしれません。見事な愛すべき世界への補完でした。
[映画館(吹替)] 8点(2014-12-16 23:05:45)(良:1票)
13.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
メイン3人は性格の違いこそあれ、いずれも「メモを取る事によって計画を立てる人間」だったりします。そのメモは設計図でありシノプシスでありプロットであり台本であり、つまりそれぞれが「そういう人を演じる事」を常に前提として生きている訳です。日頃から演技をして生きている3人が、更に違う人間の演技をするハメになるというのがこの映画のポイントで、そして見どころなんじゃないかな、って。誰だって多かれ少なかれ日常の中で自分を演じている訳で、でも、じゃあ演じる必要のある無しってどう判断すればいいんだろう?自分にとって大切な事はその演技の中と外とどちらに存在するんだろう?と。そんな日常の中の「人間としての演技」を面白おかしく拡大してヒネって見せてくれるこの映画、大変に楽しませてもらいました。記憶を無くした殺し屋、彼が模索する「自分」に対する違和感が生み出す笑いを香川照之が絶妙な演技で醸し出します。脚本上の仕掛けも上手く機能していてスキが無く。ただ、ちょっとヤクザ部分にザラついた感じがしてしまったのは荒川良々という、およそヤクザの親分には見えない人を起用したためでしょうか。逆に妙なリアリティが出てしまって、このお伽話の世界からややハミ出しているようにも思いました。あと、堺雅人は毎回困った笑顔だけで通っちゃう役柄ばかりですね。も少し幅は無いのかな? 何はともあれ見終わって素直にああ面白かったと思えたこの映画、脚本と、そして何と言っても香川照之の勝利ではありました。
[映画館(邦画)] 8点(2012-09-28 23:39:14)(良:1票)
14.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 
画面から片時も目が離せないって感じでとっても面白かったです。何も判らない状態から1つ1つ映像を重ねて1つ1つ謎が明らかになっていって。その薄皮を剥いでゆくようなエピソードの積み重ねに惹き付けられます。そして事実が(ほぼ、大体)明らかになってからは上手く行くのかどうかのサスペンスにハラハラして。ツッコミどころは多めですしクライマックスが結局は力技と運による解決っていうフツーな状態になってしまっていたのは残念でしたが(せっかくあそこまで作戦練ったのだから、あくまでその作戦の枠の中でスッキリ終わらせて欲しかったな)、オチの「そう来たか!」ってところまで含めて単純に「ああ、楽しかったわぁ」って。サム・ワーシントンってちっとも顔が覚えられないくらいにジミな感じがしないでもないのですが、こういう題材にはむしろ合ってるかも。一見弱々しい自殺志願者って。個人的には『ショーシャンクの空に』や『ダイ・ハード2』で個性的なカオを見せてたウィリアム・サドラーが今回もまた個性的なカオで印象に残りました。主役が一つ所からほぼ動かないサスペンス映画としては『裏窓』の系譜に分類されるのでしょうか。こちらはずっと窓の外側でしたけどね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-07-08 13:07:03)(良:1票)
15.  GANTZ:PERFECT ANSWER 《ネタバレ》 
今回も前作同様、また楽しませて頂きました。原作を知らないがゆえに、何がどうなってそういう事になってるの?っていう興味をずーっと引っ張って行って。もっとも、今回、そのワクワク感があったのは松ケン復活までの前半部分までかなぁ。星人との戦いの描写が少な過ぎではありましたが、地下鉄内での戦闘なんて笑っちゃうくらいの頑張りっぷりで。それが後半の、由里子嬢がターゲットになって、ってあたりから、ワクワクではなくてイライラが生じてきて。それまで星人をターゲットにしていたGANTZが彼女をターゲットに指定する意味が説明されてはいても納得はできなくて。そこで生じる葛藤や仲間割れもドラマになってゆかず、由里子嬢の「すげー生命力だな、おい」って末のドラマもニノがなんとなく流してしまってる感じで「それでいいの?」みたいな。あとね、蛇足ですが同じ週に『婚前特急』を見てしまっていて、清純なフリして猛禽なヒロイン、六股目だよねー、って感じに見えてしまったのがなんともかんとも・・・。で、結局のところ、星人って何? GANTZって何? ついでに山田孝之の存在意義って? っていうのが全然語られないままに終わっちゃったりするんですが、じゃあ、納得できなかったかって言うとそうでもなくて。死人が甦るっていう部分を始めとして結局のところファンタジーなワケで、最後も寓話としてキレイにオチてるんじゃない?と。前後編を通じて今の時代を映すファンタジーとしてイイ感じの作品として成立していると思いました。色々ガチャガチャとした映画ですが、ココロを語ってますもんね。
[映画館(邦画)] 8点(2011-05-09 20:36:59)(良:1票)
16.  GANTZ 《ネタバレ》 
あんまり期待していなかったのですが、かなり楽しめました。グロな描写は全く好みではありませんけど、原作を読んでいない事もあって、単純に「一体どうなってるんだろう?一体どうなるんだろう?」ってワクワクできたのが良かったのだと思います。そりゃ、不自然と言うかツッコミどころは多々ありました。転送されるタイミングに差があるのが意味不明とか、博物館での戦闘で松ケンが前に出てるニノがジャマ!って言ってたけど、あんだけのサイズの敵に対してジャマもへったくれもなくね?とか。千手観音を動かすのならば、ハリーハウゼンへのリスペクトの1つも入れて欲しいところですしねぇ。手以外、ちっとも動かねーでやんの。CGのレベルは全体的に低めだし。特に転送時に体が上下に動くと途端に不自然になっちゃう。だけど、特異な状況に置かれて否応なく戦いを強いられる人々の物語、その不条理っぷりはドキドキさせられますし、絶対的に不足気味ではあっても、一人一人に与えられたドラマにも興味が湧きますし、そして、最初から最後まで全く退屈しませんでしたし。現代社会での個人の繋がりの希薄さを象徴しているのかな?みたいな感じの寒々しい描写の数々が良い感じでした。もっとも、友人が「ヒロインの事を気に入って作品的にも評価しちゃうんじゃね?」とか言ってましたけど、まあ、その通りさー。ぴったりコスがね、なんとも。お兄ちゃん達のムキムキモードは笑っちゃうケド。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-14 21:36:55)
17.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
シニカルなコメディに思えつつ、実はポジティブな開き直り映画。「しょーがない」が口癖なヒロインの、主体性ゼロで、周囲に流されに流され、どんどんダメになってゆく様はブラックな笑いの世界ではありますが、満島ひかりの存在感によってダメ人間的な鬱陶しさは回避され、共感と愛着を抱けるキャラになっています。周囲みんながダメで、世の中のせいにしたところでダメなものはダメで。落ちるとこまで落ちたヒロインがコロリと開き直ってオバちゃん達の前で本音を曝け出すシーンでの不器用な喋り、そして新しい社歌の熱唱、それはもちろん笑えるネタなのですが、なんと言うか熱く感動的な笑い。それまでネガティブな笑いだったものが、ここでポジティブな笑いへと転化する、その切り替わりが良いです。「しょーがない」のは変わりないけれども、「しょーがない」から諦めるのと「しょーがない」から頑張るのとでは、当然後者の方がマシだよね、っていう、シジミのパック詰め工場から現代の疲れちゃった日本に向けた熱いメッセージ映画なのでした。父親を亡くしたり、叔父の店の後継者話でアレコレ、って状態の今の私にとっては、とても他人事とは思えない映画ではありました。もっとも私は「中の下」ではなくて「下の上」くらいかな?と思ってたりしますが。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-07 21:27:14)(良:2票)
18.  カビリアの夜 《ネタバレ》 
冒頭から恋人にバッグを奪われ、どつかれ川に落とされ溺れて死にかける、って、そこからどんだけ不幸な物語が展開するのかと思いました。でも中味は笑いと楽しさに溢れた物語で、どんだけ不幸なの!とボヤきながらも、実のところ喜怒哀楽に満ちてパワフルなカビリアの人生って、それなりに充実してるんでないの?っていう感じがあって。そりゃ、いちいち男に酷いメに遭わされるカビリアだけれども、浮いた瞬間があるからこそ沈む瞬間もあって、浮き沈みがある分だけ、彼女は生っていうものに一生懸命であったりする訳で。だから、最後にとても悲惨なメに遭いながらも、冒頭に帰って水の中に落ちると終わりになっちゃうのだけど、道に戻る事でまだまだ彼女の人生は続くって未来に繋げるラストシーンは、カビリアの表情と共に意外なくらいの清々しさを残すのでした。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-12 00:20:21)
19.  カンバセーションズ 《ネタバレ》 
結婚式で再会した、かつて愛し合っていた男女の一夜の物語。中年にさしかかった同じ歳の二人、男は浮き名を流し、女は医者と結婚し家庭を築いています。そんな二人が会話の駆け引きをしつつやがて燃え上がり・・・とってもジミで小さい題材なんですが、全編シネスコサイズを左右2画面に分けたままで展開する状態の実験的ワールドでは、俄然面白く映画が弾みます。左右が単に男女を隔てているのではなくて、片方が回想になったり、過去とシンクロしたり、空想画面になったり、時間が前後してたり、パラレルな進行でミスリード誘ったり。これ、どんどんと関係が明らかになってくる進行も含めて、本当は3回見るのが正しい見方かもしれませんね。1度見て全体を俯瞰したら、今度は右画面オンリー、そして左画面オンリーって。最後の最後、2つのフレームがいつの間にやら1つに合わさった瞬間をどう見たらいいのか、あれこれ考えるのも楽しいかも。タイトにまとまった84分ですが、2画面は1画面の数倍雄弁だったりする事に気付かされたのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-26 22:11:16)
20.  彼女を信じないでください 《ネタバレ》 
「これ、なんて松竹映画?」ってカンジでした。笑って泣かせる人情喜劇ってヤツですね。私くらいの歳の人間には「なつかしー!」って感覚。田舎町を舞台に嘘つきオンナが巻き起こす騒動記。彼女が能動的にどんどんと混乱させちゃう、アメリカ映画風やかまし映画かな?と思っていたら、むしろ巻き込まれて仕方なく結果的に混乱させちゃいました、って感じで彼女自身が翻弄されてゆくところが見ていて楽しめました。決してイヤなオンナじゃなくって、その場その場でなんとか取り繕うための嘘が嘘を呼んでゆく状態、ああ、なんとなく判るわぁ、って。センスは古臭くて、とても今世紀に入ってから作られた映画には見えないんですけれど、前述の通り、懐かしい楽しさ、温かさに溢れていて、でも「懐かしい」と感じるからには、つまり今の日本映画からは失われちゃった感覚なのかなぁ、なんて思ったり。スタイルや手法よりも、まず物語や世界ありきで作られているところに、とっても好感を覚えました。前半の散々なメに遭うカン・ドンウォンに大笑いしつつ、後半の怒涛の泣かせ(でも韓国映画だからって誰か死ぬわけじゃありません)に涙して、なんか自分の中で徐々に韓国映画、イイかも、って気持ちを大きくさせてゆく、そんな映画でした。
[DVD(字幕)] 8点(2006-10-28 00:37:28)
080.32%
1210.84%
2421.67%
31234.89%
431812.65%
548419.25%
654421.64%
745518.10%
829811.85%
91827.24%
10391.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS