1. 華氏911
今の日本人は絶対に見るべき映画だと思います。実際の戦争の映像をそのまま使っているため、戦争の残酷さがもろに伝わってきます。だけど映画のくくりに入れていいものなのかと言われたら、どうなんだろうと思ってしまうため点数は低めです。でも作品として悪いというわけではなく、パルムドールも納得の心をうつ作品です。フランスの映画祭といっても審査員はアメリカ人ばかりで、その中で最高の賞をとってしまうところがすごいです。内容的には確かにブッシュばかりを批判してて、偏っているとも思えます。しかし、ムーアが最も言いたかったことは、ブッシュの不正などの面ではなく、人がたくさん死に、新たな憎しみや悲しみを生む「戦争」というものを金儲けのために利用することへの批判ではないでしょうか。戦争というのは完全になくすことはできないのでしょうけど、たかが石油利権云々のために利用するのは最も愚かなことで、それこそがムーアがブッシュを批判の対象にする理由なのでしょう。それにしても、これほど面白くなく、不快で、腹が立つのに、絶対に人に見て欲しいという映画は珍しいですね。 5点(2004-09-06 21:40:01) |