1. カンフーハッスル
《ネタバレ》 凄すぎます! 中国映画に対する意識を改めました。 エンターテイメント映画に対する意識を改めました。 この監督は凄すぎます。 いろんなアメリカ映画や日本アニメなどを盛り込んできますが、 よくもまあ器用に消化してそれをおもしろくやってます。 観客を笑わせることを常に忘れてません。しかし真面目な映画です。 貧乏団地の隅からマフィアまで描かれます。 また最低な人間から神や仏の領域まで描かれてます。 「気」という点では非常にスペクタクルです。 CGアクションはその多くがつまらないものと思ってたんですが、これを見ると非常に面白いので、 それはCG使う使わない以前に軸ができてるかどうかの話なんだと思いました。 エンターテイメント映画の求めたものが完成された映画だと思います。 [DVD(吹替)] 9点(2014-03-09 15:46:18) |
2. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 この「かぐや姫の物語」は、「ナウシカ」や「ラピュタ」に拘ることをしなければ、 正に「ジブリの最高傑作」といえる内容だったと思う。 西洋ファンタジーが好きな自分としては「ナウシカ」「ラピュタ」の方に軍配が上がるが、 後期ジブリアニメ勢の中では紛れもなく最高傑作であると思う。 アニメの原点に立ち返り、高畑勲のテーマでもあるだろう古き良き日本の美というものを見事に観客に伝えている。 線や絵はジブリらしくないが、見事に「ジブリの原点回帰」を果たした作品だと思う。 正直、宮崎駿の集大成「風立ちぬ」は(作品としてはいいが)彼らしくなく煮え切らず、実はまた宮崎駿は新作を構想中なんだろうなとひそかに僕は思っているが、 高畑勲の集大成「かぐや姫」は燃え尽きた感があり、彼の作品のファンでも納得のいく集大成だったと思う。 平凡な日常の仕草が丁寧に優しく描かれていて感動を覚える。そこに愛があふれているようだ。 日本昔話のような内容ではあるが、そこで勝負した結果彼の才能が前面に出たと思う。 絵の細かいところは省いてあるが、筆の強弱で感情や動きが表現される。 これが効果的で、誰もが楽しめるアニメは絵を細かくすればいいとか、 色をたくさん使えばいいとか、そういうのとは程遠いところに答えがあるのかもしれない。 このアニメーションの美しさは「沢山のスタッフを使って豪勢に作ればいい」とかいう次元のものではない。 そして監督の作品に対する愛情が伝わる。「風立ちぬ」よりも。 「風立ちぬ」よりも「アニメで表現できることは何か」をよく考えられていると思う。 淡い色遣いの中に激しく感情揺さぶられたり儚かったりいろいろなものが込められてるが、あくまでもシンプルであるというのが良い。 シーンのいくつかのぶつ切り感はあったと思うが作品のクオリティに変わりはない。 しかしほんとに高畑勲監督と宮崎駿監督はライバルなんだろう、 宮崎駿「風立ちぬ」のタイトルに「の」が入ってないと思ったら、 高畑勲の「かぐや姫の物語」にはちゃんとタイトルに「の」を入れてきた。 最後の最後で高畑勲は宮崎駿を大きく超えてきたようだ。 [映画館(邦画)] 9点(2014-02-13 21:05:11) |
3. カプリコン・1
《ネタバレ》 これ実話ですか? エンターテイメントとは思えない真実味があります。 ここまで陰謀の姿を浮き彫りにした映画はなかなかないと思います。 っていうか陰謀ふざけるな。 読解力のない自分に字幕映画は向かないです。 この映画はシリアスで、前半ではけっこう話が長かったので吹き替え版がほしかったです。恥ずかしい話ですが。 宇宙とか政治の話って字幕で読むにはちょっと難しいところがありますし。 お話自体は真実味があっておもしろかったです。 逃亡のサバイバルとか飛行機アクションとか、暴走した車のシーンとか断片的に面白かったです。 てか陰謀こえええ。ほんとに実話じゃないんですか? 「陰謀はこうして起こされる」ということを的確に伝えていると思います。 ま、これがもしホントにあった陰謀を事実のまま映画化したなら この映画は制作の段階で陰謀によって消されていたでしょうけど。 [DVD(字幕)] 7点(2013-08-21 00:49:43) |
4. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 久々に宮崎駿らしいアニメだったと思う。 これを観ると”ハウル”や”ポニョ”は少しファンタジーに傾倒し過ぎていたと思う。 宮崎駿アニメは描写力があるのでファンタジーよりも日常を軸にして描いたほうが表情が生き生きとするかもしれない。 この作品を観ると、近年の彼の作品にあった停滞感は意味があってのことだったなのだと思った。 というのもこの作品は、彼の過去の作品の多くが生かされた力作だったからだ。 宮崎駿の作品というと「大人から子供までが楽しめる」という印象がある。 しかしこの”風立ちぬ”は子供向けな作品ではない。 実際に「面白かった」と言っている子供の声も聞いているので決して断定はできませんが、この作品は子供には難しいんじゃないかなと思う。 今までの彼の作品は少年少女の視点で描かれていたが、 本作では青年の視点で青春が描かれているからかもしれない。 男のロマンや男女の純愛とかいったものは子供向けに属するはずがない。 ところでこの作品では宮崎駿監督の飛行船好きがハンパなく表れている。 彼の作品には空を飛ぶものが多い。その点では”ラピュタ”が最も評価され”もののけ姫”は不評だった。 この”風立ちぬ”ではその点はしっかりしている。 途中でなんか”ハウル”を見ているときのようなダルい疲れを感じてしまった。 これは纏まりに欠けたところが中盤にあるからだと思ったが、 もしかしたら鑑賞者である僕の問題かもしれない。 ヒロインは二人いる。メインヒロインの菜穂子は美しかった。 この作品は宮崎駿の母に対する想いが最も強く出ていると感じる。 ゆえに宮崎駿アニメ史上最も感涙必至な作品だった。 松任谷由実の歌うテーマソングを聴くとまた泣けてくる。 既に述べられていると思うけど宮崎駿の作品のタイトルには「の」が必ず入るがこの作品にはそれがない。ちょっと残念。 宮崎駿のアニメはしばしば予言説がネット上で噂されるので、それも考えると真に迫った地震のシーンなどは少し怖く感じる。 宮崎駿は最後までライバル高畑勲を意識してたんじゃないかと思う。 というのも本作の結婚式での着物姿のヒロインは宮崎アニメにしては異様な場面で、高畑勲監督が制作中の「かぐや姫の物語」からのインスピレーションはあったんじゃないかと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2013-08-06 19:06:21)(良:1票) |
5. カールじいさんの空飛ぶ家
《ネタバレ》 最初の回想シーン。 優しい絵本でも読んでるかのような素敵な夫婦の姿、 やがて年老いた老夫婦の心温まる姿には恥ずかしくもマジで感涙した。 久々に映画で素敵な老夫婦の姿を見れてそれだけで大満足。 現実に戻り、家を出たら周りが激しい工事をしてるあの感じ、ガッカリするけどけっこう面白い。 家が空飛んだまでは良かった。 施設の人を玄関に待たせた後で風船がわーってなる場面は観客に「キレイ!」っていわせたいんだろうなと思う。 でも実際に綺麗だからいい。ラピュタみたいだ。 家に飾ってある奥さんの写真だけでなんか感涙しそうになる。ここまでで8点。 乱気流から抜けたあと南アフリカ?に到着した辺からいかにもディズニーな展開というか、 愉快な仲間が二人くらい増えての冒険アクション。 憧れの冒険家の年齢はいくつなのか知りたい。 この年になるとディズニーのギリギリのアクションにそれほど緊張感は持てなくなるが、 愉快さだけは何となく楽しめる。 このアクションシーンはご老体にはかなりキツイんじゃないのか。 まあディズニーのアクションはキャラクターがかなりデフォルメされてるのでそこらへんは全然大丈夫。 僕は見たことない映画の話だけど車に顔がついてるのもあるし。 なんとなくジブリな雰囲気も感じられた。タイトルからしてジブリ風。 最後の最後でまた感動した。中盤あたりは無難な感じもしたが最終的に心温まる話ではあった。 [地上波(吹替)] 6点(2013-04-03 23:40:04) |
6. 川のほとりのおもしろ荘
《ネタバレ》 可愛らしい少女が活躍するロッタちゃんのような、北欧の童話のような映画。 開始2分で女の子が二人素っ裸になって走り回ったのでビックリした。 二人の少女が素っ裸のままで正面向いて座ってハイソックスを履くので、なんだか見えそうな気がして落ち着かなかった。 それから女の子4人の素っ裸の川遊びなど、そこにエロスも何も無いんですけど、 北欧の自然と暖かな陽光をバックに戯れる裸体少女は天使のように美しいのでした。 ただカメラは被写体をエロスとして捉えず、そこにあるのは子供の明るい無邪気さだけです。 お祭りの風習と歌、食事、学校、仕事など、スウェーデンの豊かな生活風景を見ることが出来て楽しいです。 ユニークな登場人物が面白く、意地悪もあるんですがとても優しいです。 ささやかに感動できる物語で良かったです。 ひなたにいるような温かな作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2012-08-23 21:45:40) |
7. ガタカ
《ネタバレ》 (2010年映画メモをもとに) なんともいえない感動を味わえる映画でした。 ささやかに魂に伝わるものがあります。 時に能力の欠点は残酷に突きつけられるものですが、しかしそこではないところに素晴らしいものがありました。 スピリチュアルでヒューマンな映画だと思います。 音楽は非常に美しく漂い繰り返し、映画の中に不思議な空間が生まれてます。 こういう大切なものを伝える映画はそう多くないです。 (追加)無機質な空間の中で、体液がキーアイテムとなるのが面白い。 [DVD(吹替)] 8点(2012-07-21 00:01:37) |
8. 怪物團
《ネタバレ》 (2008年の映画メモをもとに作成) 伝説的作品。フリークス神の子ら。 昔バーストという怖い雑誌でこの映画が大々的に掲載されていたのでいつか見たいと思ってました。 この作品はとても重い。 人間の心の怪物が表れる恐ろしい作品です。 それとは逆にサーカス団の生活は生き生きと描かれている。 ユニークで愉快な光景にも見えます。 この世離れした感じでした。まるで異形の天国のようです。 しかしその愉快な生活とは別のドス黒いものがあります。 後半のフリークスたちはとても恐ろしい。 妙に静かで不気味すぎる。 本当の闇だ。映画の中で最も不気味で暗い場面の一つ。 嵐が不安な雰囲気を盛り上げる。。 怪物とは何をいうのか? 姿のおぞましい者を見ていうのか? いや、心の醜さを曝け出して下品な笑いをする者が本当の怪物である。 弱い存在を愚弄して悦ぶのもまた怪物。 内面の醜さを怪物というなら、 一見すると美女のブランコ乗りのクレオパトラは この作品中では最も醜い怪物にちがいないです。 怪物はやがて本性が肉体にも表れました。 テンポが良くて長さも丁度いいのですがなんとも重い話でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-03-21 01:32:51) |
9. 風の谷のナウシカ
《ネタバレ》 僕が生まれた年の今日、この”風の谷のナウシカ”が公開された。 今日一日”風の谷のナウシカ”を見ていた。 今見てみると、あまりに”もののけ姫”に似た場面が多くて驚いた。 世界観の作り込が凄く、圧倒的な作品です。 腐海にのみこまれ滅びゆく世界が描かれますが、 その反面で神秘的な場面が多いです。 腐海の植物や蟲の描写に宮崎駿の幻想世界が表れます。 戦艦や武器もカッコよく物語は盛り上がります。 久石譲の音楽は原石のように今の彼の音楽とは一味違う透明な美しさに満ちます。 このナウシカもまた宮崎駿アニメの原石のような美しさを放つ作品です。 ナウシカはただただ可愛らしく、またなんでも出来過ぎてしまう彼女は恐ろしいくらいです。 クロトワは昔は嫌いでしたが、今見ると非常に台詞が男らしくてカッコいい。 クロトワは35歳くらいだろうと思ってましたが、調べてみると自分と同じ年齢でした。。。驚いた。 こんなことってアニメなどを見てると結構あるもんです。 つまりアニメのキャラの精神年齢が高すぎ。 神秘的な世界の中で人間の残酷さとグロさを強くみせます。 王蟲の巨大感は見事で、これが世界観の巨大感であり、ナウシカの中で描かれる自然の偉大さです。 浄化された水はあまりに綺麗に澄んでました。 怒りに燃えた王蟲が大波のように押し寄せる場面は絶望感が強く圧倒されます。 ここに触れねばなりません。ポニョで予言説が浮上しましたが、この84年3月11日に公開されたナウシカでも予言の色合いが強いのです。 これに触れるのをためらいましたが、あまりに王蟲の押し寄せる場面が圧倒的で、どうしても震災を思い出させる場面なので書いてしまいました。 空から見た王蟲の大群はあまりに壮絶です。 その時に巨神兵の放つ砲弾の威力は強大でまるで原子力のようです。 腐海により土壌が汚染されるのもそうです。 飛行機の場面にも思い当たる節がありますが、これ以上は書きませぬ。 このレビューを書いた自分は風評被害に加担した身です。 不謹慎にもほどがありますが、思ったことに触れないというのは自分には出来ませんでした。 黄金色の記憶の風景は描きこまれ方がハンパなく見事に表現され過ぎて怖いくらいです。 懐かしさを思い起こして温かいのですが、淋しく不安になる不思議な神秘の光景でした。 ナウシカが少女なのに母性的でひたすらに憧れの女性像でした。 [DVD(邦画)] 9点(2012-03-11 22:38:35) |
10. ガーフィールド
《ネタバレ》 涙腺の締まりが弱くなったのかちょっとだけ泣ける。 ファミリー向けの動物コメディーです。感動の味付けはバッチシですよ。 だから家族で見てください。 これは犬好きか猫好きによって評価が変わるかもしれません。 つまりキャットVSドッグ(そんな映画あったかしら?)+ネズミみたいな感じです。 でも実際には動物VSハゲみたいな内容になってます。 主役の猫は憎ったらしいですが憎めないキャラです。 ほんと可愛くないですね。でも愉快なアメリカ風の明るいノリで楽しいです。 でも“CGの猫”と“本物の犬”だったら本物の犬の方が可愛いに決まってます。 だから本物の猫からCGの猫にトランスフォームするようにすればもっと可愛かったと思いますけど。あ、でも原作は知らないんで、あんまそういうこと言わない方がいいですね。 猫の名前は忘れましたが仮にガーちゃんとしておきましょう。 ラザニアが好きな変わった猫なのですが、猫には味の濃い食べ物は体によくありません。あまり与えないでください。 飼い主は猫の餌を食べるという変わったプレイを見せます。 ガーちゃんが気の毒な場面があるんです。 新しいペットの犬が家にやってきたときに、ついつい新しい方のペットだけを可愛がってしまうという、そこら辺は飼い主さんがちょっと無神経だと思いますよ。 またガーちゃんは仲間達にも誤解されてなお孤独な状況でしたが、 その後はまるで上手く話が進み、万事OKみたいな感じです。 動物ってちょっと寂しそうな表情を見せると可愛く感じたりします。 犬(名が出てこない)が迷子になって歩き疲れて、誰かの家の前で体を休める。 そのときの寂しそうな表情が可哀想で寂しそうで、なんだか愛おしいです(”可愛い”の語源は”かわいそう”である)。 動物病院には美人獣医さんもいるみたいですが、 恋愛も良かったんじゃないですか。ハッピーエンドにはちょうどいい演出です。 あの糞ったれハゲ野郎は笑顔を常に表に見せてるだけに、裏で動物を利用し虐待もいとわないという感じだったので嫌な野郎です。 ハッピーエンドにありながらガーちゃんは最後まで性格悪いですが、それを崩さないところがまた良いんじゃないですか。 内容は普通といった印象ですが、しっかりと楽しめると思います。 [DVD(吹替)] 6点(2011-10-28 00:53:41) |
11. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 もういいかげんレビューします。何回か見ているので、感想が定まっていませんが、、、。 これは日常の風景のデフォルメの仕方が面白いと思いました。 日常の風景を切り取り、それをどう面白くするか、どこまでユニークに出来るかというところに表現を追及した宮崎駿の表現力と、アニメーション作家としての芸術的な才能を窺えると思います。 いちばん最近見たのが1年以上前なんでうろ覚えですが、あの天野喜孝を思わせる波の表現が素晴らしい。他のアニメでああいう表現はしない。 現在のアニメの波の描き方を定着させたのが宮崎駿だったと思うんですが、その定着しすぎたところに新たな表現方法を加えるアニメ作家としての魂がすばらしい。 いろいろな描写で見えてくるユニークな日常世界に引き込まれる。 この作品では日常的な描写に温かみが満ちている。 宮崎駿の作品の素晴らしいところは、その世界の日常生活までも見事に(緻密に)しっかりと描き、その世界の温もりを演出することだ。 何かを食べる場面では、宮崎駿の才能を僕は否定できない。 このポニョでは、暖かなミルク紅茶と蜂蜜が印象的だ。 子供の視点かもしれないが、ここまで温もりのあるアニメを僕は最近見ていない。 宮崎駿の核となるのは水の表現であると、以前に宮崎駿監督の特集でやっていた。 この作品でも宮崎駿の得意とする水の表現が見事である。 それはどこかパンダコパンダを思わせる。 この作品はファンタジーではあるが、絵本のように日常の周りで起こっている感じが好感もてる。 ポニョも宗介も幼い子供であり、その視点で描かれているので子供っぽい印象はある。 DVDパッケージからも、テーマソングからも、子供向けの絵本のような作品だと想像できる。“ナウシカ”や“もののけ”のような深刻なスペクタクルではない想像くらいはできる。 そういった垣根がちゃんとあるにもかかわらずに、大人が子供を押しのけてその塀を乗り越えてきて、わざわざ花畑を荒らして「子供っぽい」などと否定するのは(自分も他ジャンルでよくやるが)とても大人気ない。 体が大きくなってしまった僕たち向けには、この作品は作られていないかもしれない。 [DVD(邦画)] 8点(2011-04-13 04:42:19)(良:1票) |
12. ガンヒルの決斗
《ネタバレ》 とても深い友情を描いた作品だと思います(クサいですかね、、、)。「熱い友情」とか、単純なのじゃなくて、もっと深いというか、友情にはいろんな側面が含まれていると感じました。 この作品を観て、保安官マットとクレイグは本当の親友だったと思います。 その深すぎる友情のために、とても哀しい悲劇になってしまったことを今回は見せていただきました。友情によって起こってしまう悲劇も沢山あると思います。 妻を殺されたマットの気持ちは伝わってきますし、クレイグの気持ちもそれなりに分かります。親友でありながらお互いを敵視しなければならない葛藤とかがしばしばあって、友情についていろいろ考えさせられます。 とにかくバカ息子をどうにかしてくれ!、、、 僕自身は「友情なんてクソ喰らえ」って考え方でいるんですけど、「友情」をテーマに描いた作品は好きです。しかも僕の経験上、「仲の良過ぎる親友はいずれは敵になる」という確固たる考えがあります。今回はこの作品を観てその考え方を強めた反面、「友情」にはただそれだけではない、もっと深い何かがあると考えさせられました。 まぁ、僕はまだこの作品を観たりない部分も多々ありますが、この作品は「友情」をテーマに描かれた作品の中では傑作といえるかもしれません。 [DVD(字幕)] 8点(2011-01-30 14:34:22) |
13. Cut カット!(2000)
《ネタバレ》 あれ、、、僕は面白かったぞ! B級ですが、なかなか恐ろしいスカトロ・スプラッター!血とウ○チが飛び散ります。 B級でありながらも容赦のない残酷描写と、徹底した不快主義が素晴らしいです。 凄惨な事件とは裏腹に明るめのカントリーミュージックがどこか狂気を感じさせる。 画面が暗すぎるのが難点だが、それが逆に画面に引き込まれる箇所もあった。 自分はなぜか画面が暗めのホラーがけっこう好きなんです。 映像的にはたぶん問題ないし、結構こういうダークで渇いた感じの映像が好きだったりする。 あの「悪魔のいけにえ」を感じさせる部分が結構多い(ただパクっているだけなのか?)。 もちろん、まだまだそこには届かない感じはするが、、、 しかしかなり凄惨な感じだから、悪趣味な人にはオススメできそうです。 、、、トイレが汚すぎます。なんで壁にまでウ○チが飛び散るんですか! 臭そうです。しかもそのトイレに人がずらりと並んでいる場面では少し異様な感じです。 画面が暗いし、ちょっと不安になるところがあったんです。 血や死体はもちろん自殺、四肢断裂、骨粉砕、倒錯ポルノ、汚いトイレにウ○チにゲロにゴ○ブリに、、、不快であり、また暗く汚いものがテンコ盛りの残酷スラッシャーでした。 どうやらありきたりのようですが、自分はスラッシャー・ホラーといわれるものをあまり見たことがないし、最近の高画質なホラーも全然見ないので、だから楽しめたのかもしれません。 恐らくは低評価される映画ではありそうだが(実際にここに来たらそうだった)、なかなか徹底していたとは思うけれど、、、 作品から受けるこの暗い印象は、実話をもとにしているからだろうか。 たぶん僕の勘違いだと思うけど、暗くて不快という意味では結構楽しめた。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-24 02:28:20) |
14. カンニバルシスターズ
《ネタバレ》 最後の最後までしつこいなあ。 この監督さんはよほどにしつこくて欲張りな人なんだろう(人のことはいえんがね)。 まず前半の部分はミザリーをB級にした感じで、縛られた状態で二人の熟々女に誘惑される最悪な状況を想像もしてみてください!恐ろしくてしかたがありません! もし友人に「ホラー映画で最もオバさんがキモくてしつこい映画はどれか?」と訊かれれば、僕は迷わずこの作品をあげる、かもしれません。 僕はタイトルからして、てっきりこのままミザリー調に物語が展開してゆくものかと思った。 しかし話は幅広く急展開し、とっ散らかって、もうどこへ向かってゆくのやら、といった感じです。 いきなり雪崩アクション、そしてスナイパー(“スナイ婆”なんちゃって!)に狙われる、 そうかと思えばB級アニメーションが出てきて、ジョン・コナー風の不良ニキビ少年の隠された秘密を暴きつつ、はたまたアニメ監督が少年の母親にレオタードを着せてモデルにし、 (いやいや、これらの幾つかは人食い婆の真実を知りたいという主人公の情熱に繋がってるのです!!) どこに向かってゆくのか分からないので(ドリー●キャッチャが普通に思えてきた。。。)、先が気になりました。 しかし最後は悲しい話ですよ。あの婆さんはどうしようもねえ。 てか、人間じゃねえな。 あのジェイソンさんも敵いません。 [DVD(字幕)] 3点(2010-12-23 01:55:51) |
15. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 面白かった。感動した。これは想像以上に素晴らしいものだった。 実はあまり期待していなかったので、映画館まで行って観たいとも思わなかったのだ。 しかし、ありがたいことに映画を見る機会に恵まれ、いざ見てみると、かつてのジブリ映画を見たときに感じた感動のようなものが少しだけ心に蘇った。 実はここ1年くらい、自分はジブリ映画を封印していた。 なぜかって、自分はジブリ映画を見るに値しない人間だと思っていたから。 よく自分の好きな映画を数年ぶりに見るときに感じるあの「観るのが勿体ない」という感覚が自分の中であまりにも肥大化してしまったために、それを見るための精神的エネルギーが物凄い必要なのだ。 正直いって過去のジブリアニメが大好きな自分としては、昨今の(「ハウル」以降の)ジブリアニメは不発な気がして仕方なかった。 それで、久々にジブリアニメを見たものだが、かなり感動した。 この「アリエッティ」は、自分の中では近年の作品を遥かに凌ぐクオリティだと感じた。 全てにおいて素晴らしいのだから、書くことも少ないが、少しあげてみる。 ①まずアリエッティの美しさは、 宮崎駿作品の少女とは違う、外国のお姉さんという感じでかなり気に入った。 ②音楽は外国の人が作曲しているらしいが、その音色は北欧ファンタジーっぽくて心地良い。 ちょっと音をもっと抑えてほしいと思う場面も映画館ではあったが、しかし弦楽器に木の温もりや木漏れ日のようなものを感じてとても癒されるのだ。 だからアリエッティ・ソングが劇中に流れてきたときにも、ゾクゾクと感動が走った(曲が途中で少しだけ止まるの反則)。 そしてこの「優しさ」、、、それは普段の生活では感じられないものであり、そのあまりの優しさに涙が流れた。 ③小人であるアリエッティの視点で描かれることで、全体的に「巨大感」がうまれる。 例えばアリエッティが蔦をよじ登る場面では「ラピュタ」のような感じが少しあった。 また小人の視点だと、自然の植物なども大きく見えるので、スケール感があって良い。 ナウシカ・ラピュタ・コンプレックスも僕にはありますが、この作品はこれでいいと思う。 《追加》 スピラーは好きじゃないけど、アリエッティーのお母さんはトボけていて愛嬌のある愛おしいキャラだ。良い味を出し過ぎている。 [映画館(邦画)] 7点(2010-09-19 22:24:10) |
16. カオマ
《ネタバレ》 たぶんドB級アジアン美人ホラーの一つですが、、、 こういう話は都市伝説などで聞いた事がありますが、本当に恐ろしい話です! 生きているうちに腎臓を取られるなんて、、、痛そうですぅ。 うぅ!見ているだけで身体の中がおかしくなりそう。 胃や内臓を吐き出しそうです。 しかし女性の恨みとは恐ろしいものです。 こんなものを見たら、なおさらに自分の友情不信に拍車がかかってしまいます。 それにしてもさー、あっちの国の映画は意外と美人が多いのかな? 山ほどあるB級映画にはよくあることですが、そんなにはつまらなくはないが、二度も見たいとは思えません。 主題歌のもの哀しい感じが素晴らしいです。サントラ中古で売ってたら買いますよ!たぶん忘れていると思うけれど。。。 [DVD(吹替)] 3点(2010-04-07 02:52:06) |
17. カルマ2
《ネタバレ》 香流ホラー!また1作目も見てないのに、2作目から見ちゃった~! “2”って文字が大きく書いてあるのが見えてないんですかね、ボクは? 最初の方では、独特の「静けさ」と「暗さ」があって良いとも思っていたんですけどね。 多分それは気のせいでした。 しかしちょっと不気味ですがね。 マンソンみたいな、ヴィジュアル系みたいのが、いろんな所に出没していました。 いや、球体関節人形の世界か? ちょっと映像リンチ風か、フローリア・シジスモンディ風か?(→それは完全に気のせいでした)? 部分的にマンソンのPVか? 意味分かんねえです。 [DVD(字幕)] 3点(2009-12-31 18:31:18) |
18. 片腕マシンガール
《ネタバレ》 日本にもこんなに本格的なスプラッタ映画があったとは!驚きです。 なかなか面白かったです。 しかし、あまり印象の良くない部分もある。 実は、邦画の学園物のイジメ場面は直視できない。不良に絡まれたことがあるから。 本当にヤンキーなんてゴミはみんなシんでしまえば良いと思っている。 僕ならば、ヤンキー不良の糞共にもっと容赦のないゴア制裁を加える。 また、イジメっ子の家で天ぷら揚げている、あの家の家族は頭がおかしい。 僕はあの狂った父親と母親には笑えない。 ヤクザもかなり酷い。ヤクザさんが怒らないのが不思議なくらい。 板前さんは可哀想だった。 女子高生をレイプする土建屋さんは酷いが、あれは確実にそういった職業についている人の印象を下げている表現であり、職業を差別している事ともいえないか? 嫌な人間が沢山出て来るが、それは監督やスタッフの嫌な性格が反映されているので、 そういった部分は確実に製作者側の悪意によるもので、映画だからとは済まされない。 もしこれを見てあなたが嫌な気分になったら、それは製作者側にさせられたものと思っていい。 あとイジメられっ子を凄くバカにしている。 イジメられっ子をバカにするのは、その人がイジメにあっていたからだ。 イジメられてお姉ちゃんに甘えるのとか、縛られて小便をチビっちゃうのは、監督自身の少年時代の体験が反映されているのだろう。もう、そう思っていい。 ●マシンガン少女とか、ヤクザの母、ヤンキーだった母、狂った主婦、、、そういった怖い女性が沢山出てくるのは、この監督は女性に無意識に恐れを抱いているか、自信が無いのではないか。 主婦が狂って怖かったのは、この監督の母親が怖かったのが反映されているのだ。 拷問で少女の手を切ったり、脚切ったり、乳房を破壊したり、レイプ、死姦したり、、、それらは女性に対する憎悪や恐れを感じさせるような気がする。 女性らしさと母性愛の象徴でもある柔らかい乳房が、鋭い棘のついた硬いドリルになっている(それによって乳房を破壊する)のは、それに対する恐れではないのか? 最後で少年達に血まみれで笑いかけるが、そこに優しさだとか母性愛を感じるだろうか? 文句無く面白かったんだが、いろんな人を馬鹿にしたような描写が気に入らない。 いくら自分が映画監督になれたからって、他の職業の人をバカにしてはいけない。 、、、僕って変なこと書いた? [DVD(邦画)] 5点(2009-10-24 03:20:51)(良:1票) |
19. カサブランカ
《ネタバレ》 主人公リックがハードボイルドでカッコ良過ぎ! カッコイイです。ダンディーです。ハードボイルドの鏡です。憧れますわ。 男の僕でもその「男らしさ」に惚れてしまいます。 だって僕は「男らしさ」を持って生まれてこなかったもので、、、 ヒロインイルザの涙が美しい。 「君の瞳に乾杯」。ハードボイルドさに乾杯。最後の友情に乾杯。「カサブランカ」に乾杯! この映画を賛美する僕は「アメリカに媚びている」と言われてもしょうがありません、どうかお許しください。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-14 03:57:24)(良:1票) |
20. 顔のない眼
《ネタバレ》 とても怖い作品でした。目を覆ってしまいました。 モノクロ映画でこんなに怖いの初めてかもしれません。 オドロオドロしいです。 地下室とか凄く怖いです。とても暗いです。 犬の鳴き声が響いて、それがとても不安な感じをあたえます。 主人公の少女はとても眼が綺麗で印象的でした。 なんだかマスクを被っているので人形のようでした。 主人公の少女の仕草はとても美しいです。 少女が誘拐されちゃって、かなりショッキングなシーンがあります。 残酷です。 でも主人公の少女はとても不幸だったと思います。 主人公の少女が女の首を刺すのですが、その場面がとても深いなぁと思いました。 とても哀しい作品です。 「恐怖映画の隠れた名作」といわれるのも分るような気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-15 04:26:36) |