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1.  花蓮の夏 《ネタバレ》 
おさななじみの少年2人、康正行と余守恆のあいだに、ある日、転校生の少女慧嘉が現れる。そのことにより生じる少年たちの関係性のゆらぎ、それがこの映画の主題である。しかし、群像劇でありつつも物語が正行の抱える秘密(守恆への恋)に沿って綴られていくため、正行のせつない心情や、それを知り板挟みとなる慧嘉の苦悩は痛いほど繊細に伝わる反面、終盤まで一貫して無邪気で単細胞であるがゆえ鈍感な守恆の描写には漠然とした違和感がつきまとう。クライマックスで彼がとる「行動」などは、美しくも都合のいいファンタジーのようにすら見えてしまう。けれどそんな守恆がラストシーンで、映画のもう一つの核となる彼の側の秘密を吐露するに至る時、それまでずっと不自然に浮き上がって見えていた彼の言動のその一つ一つが、まるでジグソーパズルのピースのようにピタリと空白に嵌っていく。朝の出迎えのうるさいくらいの熱烈さ。いつでも正行の姿を探しているその姿。正行を見失うと途端に不安でたまらないその表情。恋人にたいするような幼いやきもち。そして事故の夜の「行動」すらも。二者択一のクイズは彼の耳に届いていたのだろうか。だとすればどんな思いで彼は聞こえないふりをしたのだろうか。 「康正行、お前は俺のいちばんの親友だ!」 恋も友情も区別のなかった子どもの頃の宣言とまったく同じ言葉で、大好きな気持ちをただただ告げるしかできない守恆。その言葉に滂沱し立ち尽くすしかできない正行。そのあまりに唐突な幕切れはそのまま冒頭へとつながり、同じ場面が今度は守恆の秘密に寄り添うように隠されてきた彼の痛みを一から語りだす。 若書きゆえの稚拙さは否めないものの、これほどまっすぐ胸を貫く映画はそうはない。 
[DVD(字幕)] 9点(2009-07-20 06:42:38)
2.  海角七号/君想う、国境の南 《ネタバレ》 
かつて台灣は日本であった。個人的に大日本帝國の植民地政策を肯定するつもりはさらさらない。しかし日本統治期を生きた台灣人の夠くは、それでもかつて自らが「日本人」であった過去を愛おしみ、また懐かしむという。日本が第二次世界大戰に敗れ、台灣が中國國民党に委ねられた時、彼らは思ったに違いない。なぜ私たちを見棄てて行ってしまうのかと。あなたたちと同じように、私たちもまた日本人ではなかったのかと。『海角七號」が描くのは、まさに日本人が台灣を去ったその日に書かれた七通のラブレターである。手紙を書いた若き日本人教師とその宛先たる女学生は、かつての日本と台灣の姿そのものだ。手紙は語る。「君には解るはず。君を棄てたのではなく、泣く泣く手放したということを。みんなが寝ている甲板で、低く何度もくり返す。棄てたのではなく、泣く泣く手放したのだと。」引き出しの隅に隠され決して投函されることのなかったその戀文を、「海角七號」に住むうら若き「小島友子」はどれほどの想いで願い、そして待ち望んだことだろう。楊徳昌や侯孝賢らの名を持ち出すまでもなく、台灣映画のレベルはとても高い。その意味では、本作の出来はお世辞にも良いとは言い難い。冗長で野暮ったく、粗だらけですらある。だがこの映画には、多くの台灣人の想いを代弁する“心”が宿っている。台灣では、映画館に足を運んだ日本統治期世代の老人たちが劇中幾度も挿入される日本語の唱歌「野ばら」を合唱し、おそらく心のどこかで待ち望んできたであろう件の聲にそっと涙したと聞く。だが台灣映画の歴代興収を塗り替えるほどの大ヒットとなった本作が、日本で大きな話題になることはついになかった。日本人から台灣人へのラブレターを描いた『海角七號』は、その実、台灣人が日本人に宛てた切なる戀文なのだろう。だが日本人はまだ、引き出しの隅に大切な手紙を仕舞い込んだままだ。
[DVD(字幕)] 7点(2012-01-24 15:46:59)
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