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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  怪獣王ゴジラ 《ネタバレ》 
追加・省略や前後の入れ替えはあるが意外にもとのストーリーを残して、先行の「原子怪獣現わる」(1953米)並みの娯楽映画にしている。 追加場面を入れての編集はなかなかうまくできている。序盤で船員の家族が官署に押しかけた場面では、追加した部分でも記者と一緒にドアから入って来ようとする家族を映して、もとの映像と整合させる工夫をしていた。入れ替えや短縮で辻褄が合わなくなったところもあるがどうせアメリカ人にはわからない。また後半は日本人の発言もなぜか英語になっていたが、人名や「まあ!」といった間投詞はもとの音声を残すという細かい作業をしていた。 本来の反戦・反核メッセージは失われた印象もあるが、核兵器との関連付けは一応残してある。それ自体は「原子怪獣…」も同じだが、しかしやられた側とやった側でのスタンスは大違いなわけで、この映画でも当時の日本人が誰でも知っていた第五福竜丸事件の印象を薄め、また長崎の原爆や疎開といった戦争の記憶、当時の現実の不安だった原子マグロや放射能雨に言及した場面を削除している。  個人的に気になった点として、序盤で記者が「エミコ」の腕を乱暴につかんだ場面では気安く触るなと言いたくなった(替え玉アメリカ人だろうが)。また火でやられた男がアーーーとアジア人っぽく叫ぶとか、仮設病院でギャーと泣く声(大人の)が聞こえるのは日本映画らしくない。 ほか日本人としては火の海になる東京を見ると戦時中の空襲を思わされるわけだが、何千人もの人が死んだという言い方を記者がやたらにするので、東京では一晩で何千どころか10万人もの一般庶民がアメリカに殺されたのを知っているかと言いたくなる。いわばS20.3.10の東京大空襲の時に、なぜかたまたま下にいたアメリカ人の体験談のような映画であって、アメリカ人でもやられる側に身を置けば、死んでいくのがネズミでも昆虫でもダニでもなく人間だと認識できるのかという気分だった。 それはそれとしてゴジラが世界的に知名度を上げるきっかけになったという歴史的な意義はあるので相応の点数はつけておく。
[インターネット(字幕)] 4点(2024-05-25 21:11:58)
2.  カルメン故郷に帰る 《ネタバレ》 
日本初の総天然色映画として百科事典で特記されていたので大昔から名前は知っていたが、子どもが見るものではないと思っていた。今回デジタルリマスター版というのを見ると、浅間山を背景にした牧草地に登場人物の華やかな衣装が映えている。山から噴煙らしいものがずっと出ていて、まともに構図に取り入れている場面もあったが、気象庁の記録によれば1950~51年に火山活動があり、噴火で死傷者が出た事件もあったらしい。実は危険な撮影現場だったのではないか。 それはそれとして基本的には喜劇のようで、深刻そうな場面もユーモラスで笑ってしまうところがある。父親はやたらに主人公をバカ扱いしていたが、特に知能に問題があるわけでもなさそうで、これは当時の社会通念から自由なことをそう言っていただけではないか。昔バスガールをしていた(婿を連れて帰った)姉はどちらかというと主人公の価値観の理解者だったようだが、父親の方は(妻を亡くして?)娘たちに十分手をかけてやれなかったという悔いがあり、その自責の念がバカの木に象徴されていたと思われる。  物語の中心テーマは芸術文化に関することだったように見える。 まず、金儲けが目的なら芸術文化ではないという趣旨の発言があったが、それをいうなら映画も似たようなものといえる。実際に今どき映画を芸術の部類に入れる人々も多くないだろうが、しかし芸術性皆無の映画というのもあまりなく、芸術では絶対ないともいい切れない。また劇中例でいえば、観客の色欲を刺激するのが目的なら芸術とはみなされにくいが、しかし例えば食欲を満たす場合は生の食材そのままでなく調理するところに文化性があり、また主人公についても生のものをただ見せるのでなく歌や踊りの技量、さらに衣装を含めてどう見せるかで価値を高めようとしていたはずである。その点で、目的が不純であっても芸術性・文化性を伴うものはあるといえる。 また興行収入の使途に関する校長の発言には、裸芸術と本物の芸術は隔絶したものではないという認識が示されている。本物の芸術というのも実は範囲が明瞭でなく、元教員が作った歌は芸術寄りではあろうがシューベルトの歌曲と同列ではない。そういったものを全部まとめた、いわば芸術文化連続体の中に裸芸術も本物の芸術も含まれているということだ。 ラストでは、さんざん色々やらかした主人公と同僚が悪びれることもなく去る一方、それとは別に元教員が元のとおりにオルガンを弾いていて、両者の出会いで何か変化がもたらされたようでもなかったが、これは新奇/古風、都会/田舎、高尚/卑俗で良否を分けず、それぞれが併存していて構わないという大らかさの表現に思われる。結果的には、世界の様々なものが持つ芸術性や文化性を広く認め、みながそれぞれにアーティスティックな創意を発揮または評価する時代を志向する映画なのかと思った。 なお主題歌(主人公が歌う方)は結構耳に残る。芸術とまでいうかは別にして華があってモダンだ。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-01-01 22:58:41)
3.  怪獣ゴルゴ 《ネタバレ》 
この映画を見てまず驚くのは、台詞のある女優がほとんどいないことである。字幕に出るのは「もう無理 走れないわ」という老婦人だけであり、ヒロイン役のいない怪獣映画など存在しうるのかという疑問を生じる。お父さんサービスのお色気場面もないので児童映画としてまことに健全ではあるが、しかし余計な要素を削ぎ落したようないわば機能主義の怪獣映画よりも、自分としてはやはり万人の娯楽を目指した和製特撮の方に共感せざるを得ない。確かに当時の怪獣映画としてはいい出来だとは思うが、そのような理由で味気なく感じられるのが基本的な難点に思われた。  一方でこの映画を見て気づくのは、都市破壊場面で瓦礫の下敷きになる者が多いことである。これが結構真に迫っていて、思わず“わっ危ない”と言いたくなる場面が多い。第二次大戦の記憶が各国でどう違うのかよくわからないが、日本の「ゴジラ」などでは米軍の空襲で火の海になる東京がイメージされているのに対し、ロンドン市民にとっては爆撃やV2号の着弾などで堅牢な建物が倒壊するイメージの方が強かったのだとすれば興味深い。まあそれは火を吐かない怪獣だからという面もあるだろうが(火を吐くなら見世物にはできない)、何にせよ逃げ惑う群衆の描写に迫力を感じる映画だった。 また、同じ監督の別映画で最後に怪獣が死んだことに関し、監督の娘が「パパは良い怪獣を死なせた」と言って泣いていたのを教訓にして、この映画はハッピーエンドにしたという話は少々涙を誘うものがある。これが後に家族愛を謳う感動作「大巨獣ガッパ」(1967)の製作にもつながった?のであり、わが国怪獣映画の発展?にも貢献したという意味で大きな意義が認められなくもない。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-06 23:46:14)
4.  蟹工船(1953) 《ネタバレ》 
大貧民が革命を起こして逆転勝利、という展開を期待したくなったが、資本家のイヌを皆殺しにするどころか終わってみれば死んだのは労働者側だけだった。死んでも一矢報いてやるといったサムライ根性のない連中であり、こういうヘタレに革命など起こせないだろうと思ったが、これは多分、劇中の「監督」と同意見である。 ところでこの映画を見ていると、ロシア革命に先立って1905年に起こった戦艦ポチョムキンの反乱を思い出す(エイゼンシュテインの映画は未見)。単純に見れば、この映画の製作者は本気で革命でも扇動するつもりだったのかと疑われるのだが、その点原作の方はかえって漸進的な社会改良を目指していて穏健に感じられるのが変である。また原作の労働者は現実に学んでしたたかに生きる姿勢を見せているのに、映画では弾圧されて終わりのため、労働者は弱いという印象しか残さない(前記)のもストーリーとしてどうかと思う。映画の最後が血塗られた旭日旗だったことからしても、どうもこの映画では労働者よりも国家の暴力の方に焦点を当てていて、原作の意図そのままではないと思った方がいいらしい。反権力を声高に叫ぶ時代の先駆けということか。 なお反乱の場面で遠くに浮かぶ艦影は、実際に昭和初年に就役していた峯風改型か神風型の一等駆逐艦に見える。普通こういうのは適当にごまかすと思うのだが、事実関係については真面目に再現しようとしている映画らしく、これは製作者に敬意を表する。
[DVD(邦画)] 5点(2013-11-01 23:37:08)(良:1票)
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