1. ガタカ
「神が曲げたものを誰が直しえようか?」もう何度も何度も観てしまった作品。そしてこれからもおそらく何度も何度も観るにちがいない作品。爪も髪も、「不完全」な自分の一切を抹消してでさえ宇宙に飛びたかった彼。「完全」であるのに、その「完全」であるがゆえに地上に居場所をなくした彼。遺伝子操作が生み出したふたりの人間の際限のしれないかなしさは、もはや神にもさわれない領域に行き着いてしまう。「地球には居場所がないと思っていたのに去るのがつらかった。人間は宇宙の塵から生まれたという。僕は故郷に帰るのかもしれない。」この映画のメッセージのひとつひとつは、この先どんどん重く、深く、この世に浸透していくにちがいないし、そうあってほしいと思う。 10点(2002-05-30 13:44:35) |